今回は、ヨドバシカメラ マルチメディア横浜に足を運び、カシオ計算機の時計ブランド「G-SHOCK」の売れ筋を取材しました。

1983年に初代G-SHOCKの「DW-5000C」を発売して以来、根強い人気に支えられている人気ブランドですが、同店で時計専門チームを担当する有村洋祐氏は、近年の売れ方にはちょっとした変化が現れているといいます。「人気がワールドワイドに広がった感がありますね。少し前までは日本人人気が中心でしたが、最近は東アジアや欧米の方々にもよく買われていきます。半々、あるいは6:4で海外人気のほうが優勢かもしれません」

その背景には、G-SHOCKの人気が世界に広がったことと、国内におけるスマートウォッチの台頭が挙げられるそうです。「多機能な腕時計としてスマートウォッチを求める人が増えているのは肌で感じます」

  • ヨドバシカメラ マルチメディア横浜の腕時計売り場。時計専門チームの有村洋祐氏に案内してもらった

そうしたなかで売れているG-SHOCKの顔ぶれはどうなっているのでしょうか。下記の「G-SHOCKを選びの3ポイント」を踏まえて、最新の売れ筋ランキングを追っていきましょう。

<G-SHOCKを選びの3ポイント>

  • 何年先まで使いたいかを想定することが大切。デザイン性だけでなく、頑丈さや防水性も考慮して選ぼう。
  • 予算の組み立てはかなり自由。1万円前後から選べるので、無理のない買い物を心がけよう。
  • スマートウォッチと比較するなら、機能に加えて電池の持続性とメンテナンス性も考慮するのがベター。

※本文と写真で掲載している価格は、2025年1月14日12:30時点のもの。日々変動しているので、参考程度に見てください。

同率第1位:定評あるMUDMASTERのフラッグシップモデル「MUDMASTER GWG-B1000」

現在の売れ筋トップは、2モデルがほぼ並んでいる状況とのこと。そのうちのひとつが「MUDMASTER GWG-B1000-1AJF」です。カーボンファイバー強化樹脂ケースとメタル素材を組み合わせた20気圧防水モデルで、ロケーションインジケーター機能も備えています。2023年10月の発売からロングヒットを続けており、取材時の価格は118,800円でした。

「人気のあるMUDMASTERに属するフラッグシップモデルで、デジタルとアナログを融合したデザインを採用しています。そのなかでもブラックモデルが一番選ばれていますね」

  • 「MUDMASTER GWG-B1000-1AJF」(写真上部)

同率第1位:デジタル表示の新生「MUDMAN GW-9501KJ」

もうひとつのトップは、2024年11月に登場したデジタル表示の「MUDMAN GW-9501KJ-8JR」です。絶滅危機にある生態系や環境保全などの研究を支援しているEARTHWATCHとのコラボモデルです。取材時の価格は59,130円でした。

「ブラック主体が多いG-SHOCKにおいて、このカラーリングに惚れる人が多いですね。購入層はGWG-B1000もそうですが、20~30代の方が中心で、40代以上の方ももちろん買っていかれます。贈り物というより、自分へのご褒美的に選ばれる方が多い印象ですね」

  • 「MUDMAN GW-9501KJ-8JR」

同率第3位:文字盤が青いタイプがより売れる「GMC-B2100」

続く3位も、同率で2モデルが並びます。そのうちひとつが、G-SHOCK初代モデルのコンセプトを受け継ぎながら開発されたフルメタルのアナログタイプ「GMC-B2100」です。とりわけ、文字盤が青い「GMC-B2100AD-2AJF」が同店ではシリーズ一番人気とのこと。取材時の価格は86,240円でした。

「フルメタルのクロノグラフで、G-SHOCKとしては珍しく文字盤が完全にアナログです。2024年10月に登場してから勢いよく売れていますね。全国的にみると、黒い文字盤の『GMC-B2100D-1AJF』(取材時81,740円)のほうが人気ですが、やはり店舗によって売れ方は変わってきますね」

  • 「GMC-B2100D-1AJF」(左)と「GMC-B2100AD-2AJF」(右)

同率第3位:デジタル表示のフルメタル「GMW-B5000D-1JF」

もうひとつの3位は、より初代機に近いデザインを踏襲してフルメタルにした「GMW-B5000D-1JF」で、2018年4月の販売開始から安定した人気を維持しています。取材時の価格は67,760円でした。

「黒地を採用した『GMW-B5000-1JF』(取材時67,760円)も人気ですが、より高い人気を得ているのはやはりスタンダードに近いコチラですね。G-SHOCKの頑丈さや見やすさを求める人の定番といえます」

  • 「GMW-B5000D-1JF」

第5位:スマートウォッチの競合需要が高まっている「G-SQUAD DW-H5600」

5位に挙げられたのは、歩数計を含むスマートウォッチ機能を備えた「G-SQUAD」シリーズに属するデジタルモデル「DW-H5600MB-1A4JR」でした。歩数計と心拍数計測のほか、血中酸素レベルの測定機能も備えています。2024年9月発売で、取材時の価格は41,580円です。

「昨今のスマートウォッチ需要の高まりと連動して注目を集めています。ソーラー充電とUSB給電機能を備えていて、時計表示だけなら追加給電なしでも長持ちします。運動してスマホと連動することもできるので、ご自身にあった柔軟な使い方ができると思います。健康意識が高い人に人気がありますね」

  • 「G-SQUAD DW-H5600MB-1A4JR」(写真中央)

はみ出し情報・・・海外人気爆発の女性向けモデルと自分へのご褒美の最高級モデル

トップ5以外で目立った売れ方をしている人気モデルも2つ挙げてもらいました。

ひとつは女性人気、とりわけ海外の観光客に指名買いされることがとても多いというアナログ・デジタルモデル「GM-S2110-7A6JF」です。取材時の価格は26,230円でした。

「『BABY-GではなくG-SHOCKを身につけたいけど、腕にフィットする可愛いデザインが欲しい』ということで、非常に人気があるモデルですね。デザインもかわいらしく、かつG-SHOCKらしさもきちんと生きているのがポイントですね。カラーバリエーションの『GM-S2110-7A9JF』(取材時23,020円)も人気です」

  • 「GM-S2110-7A6JF」(左)と「GM-S2110-7A9JF」(右)

もうひとつは、ブランド最上級シリーズ「MR-G」に属する「MRG-B2100D-1AJR」です。伝統工芸の木組みをモチーフにした格子状のダイアルを採用しており、取材時の価格は572,000円でした。

「MR-Gシリーズの中でも注目を集めているモデルですね。冬のボーナス時期にもよく売れました。この木組みデザインが、これまでのMR-Gとも一線を画すといいますか、そこに惚れ込んで選ばれる方が多いですね」

  • 「MR-G MRG-B2100D-1AJR」