米NVIDIAが11月20日(現地時間)に発表した同社2025年度第3四半期(2024年8~10月)決算は、売上高・利益とも市場予想を上回った。売上高総利益率とガイダンスも市場予想を満たしたものの、多くの期待に届かなかったことから一時的に株価が下落した。しかし、決算説明会において、新アーキテクチャBlackwellを採用したAIチップの出荷が24年11月〜25年1月期に開始されることが明らかになると、同社の株価は回復に転じた。
8~10月期の売上高は350億8200万ドルで、前年同期比94%増となった。純利益はGAAPベースで193億900万ドル(同109%増)、1株利益は0.78ドルであった。非GAAPでは純利益が200億1000万ドル(同100%増)、1株利益0.81ドル。売上高総利益率は75.0%だった。
市場の予想平均は、売上高331億6000万ドル、1株利益0.75ドル(非GAAP)だった。
事業部門別の売上高は以下の通り。
- データセンター:売上高308億ドル(前年同期比112%増)
- ゲーミング&AI PC:売上高33億ドル(前年同期比15%増)
- プロフェッショナル・ビジュアライゼーション:売上高4億8600万ドル(前年同期比17%増)
- オートモーティブ&ロボティクス:売上高4億4900万ドル(前年同期比72%増)
NVIDIAはBlackwellを2024年内に出荷するとしていたが、設計上の問題が見つかり、その修正で供給が遅れる可能性が度々報じられていた。CTOのコレット・クレス氏によると、半導体フォトマスクの修正に成功して生産歩留りが改善した結果、2025年度第4四半期(2024年11月~2025年1月)に出荷を開始し、その後2025年を通じて供給を増加させる見込みである。ただし、Hopper、Blackwellの両方に一定の供給制約が存在し、「Blackwellの需要は2026年度の数四半期にわたって供給を上回る」との見解を示した。
ゲーミング事業は売上高がアナリストの売上高予想(30億3000万ドル)を上回った。売上増加の要因として、PC向けのGPUの需要増加およびゲーム機用チップの売上増加を挙げた。
2025年度第4四半期(2024年11〜2025年1月)のガイダンスは、売上高375億ドル(±2%)、売上高総利益率73.0〜73.5%(±0.50%)である。アナリストの予想平均は売上高370億8000万ドルだった。