米Adobeは10月23日(現地時間)、デジタルペインティング・描画アプリ「Adobe Fresco」(iOS/iPadOS、Windows)の完全無料化を発表した。

Frescoは、2019年秋に初めてリリースされ、今年で5周年を迎えた。これまではフリーミアムモデルで提供されており、有料プランに加入することで、1,000種類以上の追加ブラシへのアクセスや独自ブラシの読み込みが可能であった。しかし、10月23日から、それらの機能も無料で使用できるようになった。

Frescoは、初めてドローイングやペインティングに挑戦する初心者からクリエイターを目指す学生、イラストレーター、アニメーター、グラフィックデザイナーまで、幅広いユーザー層のニーズを満たせるアプリである。これまでも無料版でほぼ全ての機能が使用でき、豊富なブラシが揃っていた。しかし、Frescoの最大の魅力はブラシのリアルな表現力であり、使えば使うほど様々なブラシを試してみたくなる。クリエイター、ドライメディア、レタリング、木炭、インク、マルチカラー、レーキ、コミック、特殊効果といったカテゴリーで全てのブラシにアクセスできるようになったことは、これまで無料で利用していたユーザーにとって大きなアップグレードである。

AdobeはFrescoを継続的にアップデートしており、これまでに50以上のリリースを通じて約120の新機能が提供されてきた。

最近のアップデートを紹介すると、昨年9月に縦書きテキスト入力のサポートが追加され、今年2月にスピンオプションを使用してアートワークを360度回転させられるようになった。

6月には「Apple Pencil Pro」をサポートし、バレルロール、スクイーズ、触知式フィードバックに対応した機能を利用できるようになった。

8月に「対称(Symmetry)」ツールが追加された。有効にすると、カンバスの片側に作成したストロークが反対側にミラーリングされ、対称的なシェイプやパターンを簡単に描画することができる。「反射」や「回転」も用意されており、幾何学的でポップなイラストを作り出せる。

9月リリースのバージョン6.0では、モーションプリセットを使ってイラストに動きを加えられるようになった(iPadのみ)。任意のレイヤーでモーションを有効にし、「パス」を押して、「浮き」「弾み」「スピン」など8種類(+カスタム)からモーションプリセットを選択する。