国内未発売の“三つ折りスマホ”「HUAWEI Mate XT」。中国本土でもまだ十分な数が出回っていませんが、たまたま触れる機会がありましたので、写真でご紹介します。
実際に折りたたみを試してみましたので、動画でご覧ください
たたんだ状態では、2つ折りのスマートフォンとさほど差はない!?
「HUAWEI Mate XT」は、「ULTIMATE DESIGN」の名を冠するHuaweiのフラッグシップスマートフォンです。同社の折りたたみスマートフォン「HUAWEI Mate X」の三つ折り(Triple)版である「Mate XT」は、世界初の三つ折りスマホとして大きな話題となりました。
日本円で40万円超えという価格も話題でしたが、販売開始された中国ではすぐに品薄になり、100万円を超える転売価格にもなったことでも話題になりました。ただし、供給量が100万台まで拡大するとの見通しにより、急激に転売価格は下がっているようです。
そんな「Mate XT」ですが、閉じた状態だと普通のスマートフォン。H156.7×W73.5×D12.8mm/約298gで、6.4型のディスプレイを搭載します。ディスプレイサイズが6.3型の「iPhone 16 Pro」がH149.6×W71.5×D8.25mm/199gなので、画面サイズを考えればそれより少し厚くて重いスマートフォンということになります。
ちなみに2つ折りの「HUAWEI Mate X5」がH156.9×W72.4×D11.08mm/243gで6.4型のディスプレイ、「Galaxy Z Fold6」がH153.5×W68.1×D12.1mm/239gで6.3型ディスプレイなので、三つ折りになったからといってさほど違和感のあるサイズになるわけではありません。厚みも「Z Fold6」とほとんど違いはありません。
持ってみても、軽いわけではないですが、開いたときのサイズを考えれば大きな問題は感じません。「Z Fold6」と比べても横幅が5mm広く、普段使いにはけっこう大きな差だと感じました。
開くと10.2型で進化を発揮、2面/3面の使い分けも便利そう!
何といっても、「HUAWEI Mate XT」の真価は開いたときにあります。
三つ折りなので、開き方は一瞬悩みます。1枚開くとその薄さに壊しそうで少し緊張してしまいます。本機はZ型に開くため、屏風のように同じ方向に開くわけではないので、開きかた・閉めかたを間違えそうではあります。
片面だけ開くとデュアルスクリーンモードになります。少しコンパクトなタブレットで、画面サイズは7.9型。開いたときの「Mate X5」が7.85型、「Z Fold6」が7.6型なので、すでにこの時点で最大です。この状態のサイズはH156.7×W143.0×D4.75/7.45mmとなります。厚みの表記が2とおりなのは、折りたたんだままの部分の厚みがあるからです。
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片面だけ開いたデュアルスクリーンモード。この状態でも「Z Fold6」よりやや大きいサイズ
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右が「Mate XT」の折りたたまれている面(厚み7.45mm)。「Z Fold6」の厚みが5.6mmなので2mmほど差があります
さらにもう1面を開くとトリプルスクリーンになり、H156.7×W219.0×D3.6/4.75mmとなります。4mmを切るととにかく薄いという印象になります。この時の画面サイズは堂々の10.2型。発表されたばかりの「iPad mini」が8.3型なので、タブレットよりも大きなサイズです。しかも「iPad mini」は297g(Wi-Fi+Cellularモデル)なので、重さは1gしか変わりません。
「Z Fold6」や「Pixel 9 Pro Fold」などと比べると横長の印象はありますが、タブレットとしては16:11のアスペクト比となって使いやすい比率です。
2面~3面とサイズを変えて使い分けられるのは新しい感覚ですし、開いて閉じてはなかなか楽しい体験です。加えて、3面という構造は自由度が高いこともポイントです。
1面を内側、または外側に90度以上折ることで、スタンドのように自立させたり、画面下部をキーボードとして入力したりといった使い方もできます。この場合、外側に折るディスプレイと内側に折るディスプレイが異なるので上下をひっくり返すのですが、折りたたんでもデュアルスクリーンとして7.9型の画面になって広々と使えるため、かなり使い勝手は良さそうです。
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これはキーボードを下部に表示して折りたたんだ状態。2面が使えるので十分な広さがあります。ちなみにこの場合、キーボードの下にカメラがあるのでテーブルに置くと安定しません。両手持ちして、親指でキーを入力するスタイルになるでしょう
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逆の面を外側に折るとスタンドモードになります。キーボードを表示することもできますし、ビューワースタイルとして固定することもできます。この場合、テーブルにはディスプレイ側を置くことになるので少し不安ですが、ディスプレイをこのぐらいの角度にすると自動的にUIがこの形になるため、公式に認められたスタイルのようです
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裏から見たところ。ヒンジの力がちょうど良く、不安もなくこの角度で固定できます。ただ、ノートPCほどの安定感があるわけではありません。もちろん、この状態でテントモードにするといった使い方もできるでしょう
今回は短時間の試用、しかも開け閉めを繰り返しただけですが、それだけでもワクワク感の強い端末です。40万円……というのはさすがに悩ましい価格ですが、国内販売をしてくれたらぜひ欲しいという人はいそうです。(標準で)Androidのアプリが動けばいいとは思いますが、いずれにしてもHuaweiの技術力の高さを感じさせる製品だと感じました。
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10.2型で動画視聴。タブレットと考えれば薄型で軽量です
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こうして1面を折って動画を視聴すると3Dに見える、という話もありますが、あまり分かりませんでした
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開くとこの薄さ。バッテリーや部材を分割配置できるなど「三つ折りだからこそ」この薄さです
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設定にはデュアル画面、トリプル画面という設定がありましたが、アプリを3つ並べて表示することができませんでした(2つまではできました)。このサイズだとアプリを3つ並べられると使い勝手が良さそうなのですが……
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それにしても気持ちの良い大きさです