この10年は「パンの美味しさ」にこだわった高機能トースターに注目が集まっていますが、そのずっと以前からトースターの開発に力を入れているメーカーがあります。それが、45年前から「やきたて」というブランドでトースターを発売しているタイガー魔法瓶(以下、タイガー)。

そんなタイガーがコンベクションオーブン&トースターの最上位モデル<やきたて>「KAV-A130」を発表しました。発売日は10月上旬で価格はオープン。市場想定価格は29,800円前後。リベイクメニューの豊富さが特徴の本製品を、発売前にタイガーにてチェックしてきました。

  • コンベクションオーブン&トースター<やきたて>KAV-A130。カラーはマットブラックとマットホワイトの2色

    コンベクションオーブン&トースター<やきたて>KAV-A130。カラーはマットブラックとマットホワイトの2色

2種類のヒーターとコンベクションによるこだわり加熱

KAV-A130は食パン4枚が一度に焼けるコンベクションオーブン&トースターです。タイガーの最上位モデルなだけあり、焼き時間の自動コントロール機能を搭載。パンのトーストや惣菜のあたため直しといった定番メニューは「トースト」や「フライ」「もち」といったメニューを選んだり、焼き色を決めることで自動的に最適な加熱ができます。加熱温度や加熱時間を試行錯誤することなく美味しく加熱できるのが特徴です。

本体サイズは幅37.7×奥行き38.5×高安24.5cm、重量5.1kg。焼き網は直径25cmのピザも焼けるビッグサイズです。ちなみに、扉を開くと焼き網が前にせり出すのもタイガーならではの特徴。一般的なトースターはせり出す時に網が斜め上に持ち上がりますが、KAV-A130は水平に出るので比較的高さのある食材も調理可能です。

  • KAV-A130の庫内寸法は32.5×26×10cm

  • 焼き網はフレームに乗っているだけなので取り外して洗うのも簡単です

  • 前モデルのKAT-A131までは凹凸のないガラス扉デザインでしたが、新モデルは奥行きのある扉デザインに。高級感がある今のトレンドに合わせたデザインになりました

もちろん加熱方法にもこだわりがあります。庫内上部には食材中心加熱に優れた遠赤外線ヒーター、下部には2本の石英管ヒーターを搭載。さらに、ヒーターの熱を庫内全体に循環させる熱風コンベクション機能を搭載することで、素早い加熱と加熱ムラを抑えた調理が可能です。

温度機能とタイマーを利用すればコンベクションオーブンとしても利用可能で、温度調節は約80~250℃。タイマーは最大30分まで設定できます。

  • 庫内上部には遠赤ヒーターを1本配置。その奥にある送風口から風を送ることで庫内に熱風を循環させます

  • 庫内下部には2本の石英管ヒーターを配置。合計3本のヒーターと熱風でバランスよく加熱します

  • ダイヤル式の温度とタイマーを設定することでオーブンとしても利用できます

難しいパンのリベイクも自動モードなら失敗なし

ところで、ここまで説明した機能は、じつは以前の最上位モデルKAT-A131とほぼ同じです。新KAT-A130の進化点はなんといってもリベイク機能の充実。

従来モデルも惣菜パンなどをリベイクする「パン あたため」モードがありましたが、これが「そうざいパン」「クロワッサン」という2つのメニューに拡充されました。

それぞれ加熱温度を調整することで「そうざいパン」はパン表面を焦がさず具の中心までアツアツに、「クロワッサン」は表面を焦がさずサクッとさせつつ、中はもっちり仕上げられます。

  • KAT-A131は自分で温度やタイマーを設定する必要がない自動モードを6つ搭載

実際に「クロワッサン」モードで焼いたクロワッサンも食べ比べてみました。試食したクロワッサンは3種類。

ひとつは自動メニューのない従来の普及モデル「KAE-A」で焼いたクロワッサン。次に新KAV-A130の「クロワッサン(冷凍)」で温めた冷凍保存クロワッサン。最後に新KAV-A130の「クロワッサン」で温めた常温保存のクロワッサンです。KAE-Aで焼いたものは皮がサクサクとしていましたが、表面が焦げてしまいバターの香りがほぼわかりません。

一方、新KAV-A130で焼いた物はいずれも焼き色はほんの少ししか変わっていませんが、中心までアツアツ。サクッと感はKAE-Aにやや劣るものの、しっかりパンの層が分かれており、バターの香りも引き立っていました。

  • 左からKAE-Aであたためたもの、中央は「クロワッサン(冷凍)」であたため、右は「クロワッサン」であたためたもの。とくに冷凍したクロワッサンは香りの良さがピカイチでした

  • こちらはKAE-Aであたためたソーセージパン(写真左)と新KAV-A130「そうざいパン」であたためたもの(写真右)。同じ焼き色まで温め直したところ、KAE-Aはソーセージの中心が冷たい状態。パン部分もフンニャリとした食感です。一方、新KAV-A130はソーセージ中心まで熱いうえ、薄いパン表面はパリッと、中はモチッと仕上がっていました

ちなみに、今回は新機能であるリベイクを中心に紹介しましたが、新KAT-A130は基本となる食パンの「トースト」メニューもかなり優秀。タイガー最上位モデルだけあり、トースト機能だけでも買って損はしない製品だと感じました。

  • 「トースト」モードで4枚焼き、焼き色3(標準)で焼いたもの。上ヒーターは一本ですが、焼きムラが少なく美しい焼き色。食べてみると外はパリッ、中はモチッとした理想的で絶妙な焼き加減でした

  • トースト裏の焼き色が甘いトースターが多いなか、本製品は裏側もなかなか美しい仕上がりに

  • 焼き色は5段階で調整可能。左から1~5までの焼き色を比較

食パンと同じようにクロワッサンを焼くとバターが焦げてしまうように、食パン以外のパンはあたため直しが難しいものも多いです。この数年は、こういったパンを美味しくあたため直すトースターの「リベイク」機能にも注目が集まっています。本製品も、いろいろなパンを楽しみたいパン好きにとってチェックしてほしい選択肢のひとつといえそうです。