ASUSが8月20日に、AMD AM5ソケット対応のX870シリーズマザーボードの新製品を発表した。ドイツで開催されている欧州最大のゲームイベントGamescom(8月12日-25日)の展示で、発表製品の一部に搭載されている「PCIe Slot Q-Release Slim」機能が注目を集めている。グラフィックカードを簡単に着脱できる新機構で、厄介なカードの取り外しが簡便化され、カード交換時のトラブルを回避できる。

PC自作において、グラフィックカードの交換はストレスのかかる作業の1つである。グラフィックカードは動いたり抜けないようにリテンション機構でPCI Expressスロットに固定されるが、大きなカードを装着すると、スロット横にあるラッチやロック解除用のボタンがカードに隠れてアクセスしづらくなる。ドライバーなど細長いツールを使ってボタンを押したりするが、マザーボードの他のパーツに接触しないよう慎重に作業しなければならず、ロックが適切に解除されているかどうか判りづらい場合もある。

PCIe Q-Release Slimでは、グラフィックカードをスロットに押し込んで装着すると自動的にロックされる。取り外す際には、グラフィックカードの左側部分(ケース背面I/Oブラケット近く)を握り、カードを少し傾けるとロックが解除され、そのまま上に引き上げることでカードをスロットから取り外せる。ラッチの解除やボタンを押す必要はない。グラフィックカードの左側部分以外を握ってもロックは解除されないので、I/Oブラケットの固定ネジを外してグラフィックカードを交換する場合を除き、意図しないロック解除は生じないと考えられる。

新しいX870シリーズマザーボードには、他にもM.2 Q-Slide 、M.2 Q-Latch、M.2 Q-Releaseが採用されている。M.2 Q-Slideはラッチ機構がトラックに沿ってスライドし、あらゆるサイズのM.2ドライブを簡単かつ確実に固定できる。M.2 Q-Latchにより、工具不要でラッチを外してM.2ドライブを取り外せる。ヒートシンクも同様に、機構側面のボタンを押して取り外せる(M.2 Q-Release)。M.2ドライブを取り付けた後は、ヒートシンクを所定の位置にはめ込むだけで固定が完了する。