The Raspberry Pi Foundationは8月19日、新たに2GBメモリを搭載したRaspberry Pi 5を発表した。価格は50ドル。AIタスクやメディアセンターのようなメモリーを多く消費するタスクには向かないが、メモリー要求が高くない用途で優れたコストパフォーマンスを得られる。

昨年9月に登場したRaspberry Pi 5では、コミュニティで高まるパフォーマンス要求に応えるため、プラットフォームの抜本的な見直しが行われた。Raspberry Pi 4に比べてCPUが2〜3倍高速になり、グラフィックス性能も大幅に改善された。また、「RP1」という独自開発のI/Oコントローラを搭載し、これによりI/Oのボトルネックが解消され、与えられたワークロードをより迅速かつ効率的に処理できるようになった。

2GBモデルの登場により、Raspberry Pi 5シリーズのラインナップは、8GB RAM(80ドル)、4GB RAM(60ドル)、2GB RAM(50ドル)となった。

2GBモデルのアプリケーション・プロセッサー(AP)は、Broadcomの「BCM2712C1」である。16nmプロセスで製造され、CPUは4コア/2.4GHzのArm Cortex-A76である。4GBおよび8GBモデルでも使用されているが、2GBモデルはRaspberry Piユーザーにとって不要な機能を排除してコスト最適化したD0ステッピングのバージョンを搭載している。また、Raspberry Pi 5の特徴であるRP1 I/Oコントローラも装備し、PCI Express 2.0バスに対応する拡張性の高い設計となっている。

2GBのメモリー容量でも、OS「Raspberry Pi OS」の最適化により優れたユーザー体験を提供する。同OSは他の一般的なLinuxディストリビューションに比べてリソースの使用効率に優れ、軽量で、少ないメモリーで高速に動作する。4K 60Hzのデュアルディスプレイ表示、数多くのブラウザタブを同時に開放したり、複雑なソフトウェアのコンパイルといったメモリー要求の高い作業には、より大容量メモリーのモデルが適しているが、多くの一般的なコンピューティング用途では「この新しい低価格のバリエーション(2GBモデル)がユーザーのユースケースに十分応えられる」としている。