今後はWindows 11からAndroidスマートフォンのファイルをワイヤレスで直接操作できるようだ。Microsoftが米国時間2024年7月25日に公開した公式ブログでは、Windows 11 Insider Previewにスマートフォン連携 バージョン1.24071以降を展開し、Android 11以降のスマホで本機能を試せるという。いつもどおり機能の有効化は運次第で、筆者の環境では確認できなかった。
公式ブログの説明によれば、Androidスマホに保存しているすべてのファイルとフォルダーを操作し、PC上で閲覧や加工できるという。また、通常のファイルをAndroidスマホにコピーできるそうだ。
上図を見れば一目瞭然だが、ナビゲーションウィンドウにAndroidスマホが並んでいる。ここはLAN環境があれば「ネットワーク」、Windows Subsystem for Linux有効化済みなら「Linux」が並ぶ箇所。本機能はスマートフォン連携単独ではなく、シェル連携を図ったものとなるようだ。
過去のレポート記事でも述べてきたが、筆者のメインスマホはiPhoneで、AndroidスマホはSMSが使える最小限のもの。Android自体素人に近いのだが、ファイル操作は便利な機能だろうか。
素人判断では「スマホで撮影した画像を簡単に取り込めそう」ぐらいしか思いつかないものの、知人がAndroidタブレットのカスタマイズに熱中していた頃、トップページにファイラーがあったことを思い出す。
同氏によれば「昔のWindowsと同じでカスタマイズの幅が広い」そうだ。直接Androidやアプリの設定を変更しているという。コロナ禍以前の話なので現在も同じか分からないが、試そうにも気になるAndroidデバイスが見当たらず、現在に至っている。
それにしてもMicrosoftはスマホの取り込みに野心的だ。説明するまでもなく自社のWindows Phoneは終了し、万人が持つiOS/Androidスマホを取り込んで、WindowsのUXを高めようとしている。
ただ、個人的には通知や通話のみならず、ファイル操作まで実現することが面白く感じた。本機能が一般提供されれば、OSとしてAndroidの構造を説明するドキュメントに注目が集まり、関連するTips記事も増えてくるのだろう。iOSは他のOSに対して非フレンドリーのため、本機能のiOS版が実装されるかは不確実である。
一日中PCの前に座っている筆者にとって「安定性」は必須条件だが、「利便性」が高まるのも喜ばしいことだ。前述のとおり、ほぼAndroidスマホを使用していない筆者には利便性向上とはならないものの、エクスプローラーから何でも操作するという視点は好ましい。
個人的にはsshをエクスプローラーに統合して、他のLinux PCに接続できると面白そうだ。ただ、設定ファイルを編集した後、アプリを再起動することを考えると、従来のsshクライアントを使用した方がシンプルなのだろう。先に述べたようにエクスプローラーに求めるのは安定性である。こちらを損なわず機能拡張と、新機能を取捨選択できる設定項目を用意することをMicrosoft開発陣に期待する。