ハイエンド向けのCPUクーラー/ファンのメーカーとして、日本でも愛好者が多いNoctuaは、今回もブースを出展。様々な新製品や新技術を披露していた。その中から、いくつか注目の話題を紹介しよう。

  • 遠くからでも一目でどこにあるのか分かるNoctuaブース

    遠くからでも一目でどこにあるのか分かるNoctuaブース

まず触れたいのは、オールインワン水冷CPUクーラーのように見える試作機だ。Noctuaといえば空冷クーラーなので驚いたのだが、同社が今さら普通の簡易水冷を製品化するはずもなく、やはりというか、これはちょっと変わった一品だった。

  • これがその試作機。残念ながら動作デモは無かった

特徴と言えるのは、ポンプを使わないことだ。吸熱部であるCPUのところで冷媒が気化し、それがラジエータまで流れていって、放熱によって液化。この循環を、自然の対流で行う。重力の効果を利用するため、ラジエータはトップ面に設置しなければならないが、ポンプが不要なのでポンプ故障の心配がなく、静音性も高い。

  • ポンプを内蔵しないので、CPU部は非常に薄い

  • 動作原理はシンプル。自然対流で冷媒がループする

熱交換の原理としてはヒートパイプに近く、そういう意味では、形は大きく違えど空冷CPUクーラーと言えなくもないかもしれない。この2相式冷却(Two-phase thermosiphon)は、自動車や航空宇宙などの分野で実績があるCalyosと共同開発しているとのこと。

気になるのは冷却性能だが、ブース説明員によると、一般的な水冷製品と同等程度にはできるということだ。まだ開発中のため、製品化については全く未定なものの、アクティブノイズキャンセルCPUクーラー(懐かしい)に変わる新たな技術ネタとして、今後も注目していきたい。

また、高い静音性と冷却性能で人気の12cmファン「NF-A12x25」には、第2世代モデルが登場する模様だ。ブレードは従来と同じくLCP(液晶ポリマー)を採用するが、形状が大きく変わっており、エアフローが向上したという。発売は2025年Q1を予定している。

  • 「NF-A12x25」の次世代モデル。ブレードとフレームの隙間はわずか0.5mmだ

そして、LCPを採用する14cmファン「NF-A14x25 G2」がついに発売される。ブレードの形状は前述の12cmファンと同様。現行の「NF-A14」から性能が大きく向上するとのことで、待ち遠しい人も多いだろう。まずラウンドフレーム版が今月発売を開始し、順次、スクエアフレーム版が9月、chromax.black版が2025年Q1に登場する予定だ。

  • 「NF-A14x25 G2」は各形状で発売。こちらも隙間が0.7mmと小さい

  • 現行のNF-A14との性能比較。上の黄緑のラインがNF-A14x25 G2だ