シャープ、KDDI、米Super Micro Computer、データセクションの4社が、新たな「AIデータセンター」構築に向け協議を開始することに合意した。シャープ堺工場跡地を活用し、NVIDIAの先端AI計算基盤「GB200 NVL72」などを導入したAIデータセンターの早期稼働をめざす。

  • “アジア最大級”AIデータセンター、シャープ堺工場跡地に構築へ。写真は「堺ディスプレイプロダクト」(SDP)の外観イメージ

急増するAI処理の需要に対応できるAIデータセンターの構築が求められるなか、大規模なデータセンターの構築では「最先端の演算装置の調達」、「設備の発熱を抑える高効率冷却システムの整備」、「電力・場所の確保」の3点が課題となる。今回、4社がアセットを集結してAIデータセンターの構築に向けた協議を開始することに合意した、と各社が6月3日に発表した。

立地として検討しているのが、シャープが大阪・堺市堺区などに保有する施設・設備。シャープ広報によると、これまで大型液晶ディスプレイパネルの生産を担ってきた「堺ディスプレイプロダクト」(SDP)が2024年9月末までに生産停止することを決定しており、その後の活用方法としてAIデータセンターの構築の協議開始に合意したものだという。

KDDIはネットワークの構築・運用などのサポートを担当。堺工場跡地では既にインフラが構築されているため「十分な電力と場所を確保できる見込み」としている。またNVIDIAのAI計算基盤「GB200 NVL72」を1,000ユニット規模で導入し、“アジア最大規模”のAIデータセンターになると謳う。

Supermicroは、システムインテグレーターのデータセクションと協力し、新しいAIデータセンター向けに高度なNVIDIA GPUを活用したTotal ITラックスケールの水冷ソリューションを開発。さらにSupermicroは、配管や給水塔、監視装置を備えた液体冷却システムを構築する計画があるという。