ネスレネスプレッソは、カプセル式コーヒーマシン「VERTUO(ヴァーチュオ)」シリーズで初めてミルクレシピに対応した「ヴァーチュオ ラティシマ」(以下、ラティシマ)を日本市場に投入します。5月9日に発売予定で、価格は77,000円。ネスプレッソ公式サイトやECサイト、量販店などを通じて販売されます。

独自に開発した「セントリフュージョン(遠心力抽出法)」でコーヒーを抽出する「ヴァーチュオ」シリーズに、これまでミルクレシピ対応モデルはありませんでした。今回のラティシマでは本格的なカプチーノやラテマキアートなどを1台で楽しめるようになり、コーヒーの楽しみ方がさらに広がります。ミルクレシピと合わせる専用カプセルを試飲してきました。

  • ずらりと並んだヴァーチュオ ラティシマ。カラーはマットホワイト アンド グロッシー、マットブラック アンド グロッシーの2色

    ずらりと並んだヴァーチュオ ラティシマ。カラーはマットホワイト アンド グロッシー、マットブラック アンド グロッシーの2色

「ヴァーチュオ」初のミルクレシピ対応、自動で濃い目に抽出する機能も

ラティシマの見た目は曲線的でシンプルなデザイン。横幅は約20cmとスリムですが奥行きが約40cmあり、高機能モデルとあってそれなりの設置スペースは必要です。仕様上のサイズは幅19.0×奥行40.7×高さ31.5cm、重さは約6.3kgとなっています。

上部には専用のミルクメニュー用ボタンが配置され、フォームミルクをつくるホットフォームボタンや、マキアートボタン、カプチーノボタンで、好みのミルクレシピを1ボタンで抽出。なおカプチーノとラテマキアートでは、「コーヒークリエーションズ モード」という、通常よりも濃く少量でコーヒーを抽出する機能が適用され、自動でミルクに合わせやすい濃さの抽出が可能です。

  • ラティシマ本体。一番手前のボックスがミルクタンク、奥に見える透明なボックスが水タンク。中央にある、縦に3つ並んだボタンはミルクメニュー用ボタンだ

  • 最上部はコーヒーのカプセルを入れるエリア。フタを開けると抽出を終えたカプセルが後方のダストボックスに放り込まれる仕組み

  • 新しいカプセルを設置したところ

  • ミルクメニュー用ボタン。上から順にホットフォームボタン、マキアートボタン、カプチーノボタンで、1プッシュするだけで本格的なミルクレシピが楽しめる

「コーヒークリエーションズ モード」はミルクレシピだけでなく、コーヒー抽出ボタンを約1秒以内に2回押すことでも動作するので、例えばグラスに入った氷の上にコーヒーを抽出してアイスコーヒーを作る(氷が溶けたときに適切な濃さになる)など、好みのレシピに応用できます。なお、同モードは通常の抽出量が355ml以上のものや、ミルクレシピ専用に味わいが調整されたものなど一部カプセルコーヒーでは使用できません。

カラーはマットホワイト アンド グロッシー、マットブラック アンド グロッシーの2色で、上部のカプセル設置部分のカラーのみがホワイトやブラックとなり、中央部はいずれも黒。

ミルクタンクは前面に、約1.6L容量の水タンクは本体の後ろにくっついています(取り外し可能)。ミルクタンクは牛乳だけでなく、豆乳、アーモンドミルク、オーツミルクなどの植物性ミルクでも使用でき、ソイラテなどのレシピも作れます。

  • 前面のミルクタンク。縦長ですっきりとした印象

  • ミルクタンク上部には、取り外し用スイッチやノズルを洗うスイッチが配置されている

  • 背面の水タンクは約1.6L容量

豆の魅力を最大限に引き出すカプセル式のコーヒーマシン

ここで改めて「ヴァーチュオ」シリーズの特徴を紹介しておきましょう。「ヴァーチュオ」に搭載されているセントリフュージョン(遠心力抽出法)方式とは、カプセルを回転させながら遠心力を使ってお湯を注入する方式。カプセル内のコーヒー挽き豆全体にお湯を行き渡らせ、蒸らすことで、豆の個性豊かなアロマや味わいを引き出せるといいます。

コーヒー粉が封入されているカプセルに記載されたバーコードには、各カプセルに最適な抽出設定(カップサイズ、回転数、注入湯量、湯温、湯とコーヒーの接触時間など)が記録されており、そのバーコードをコーヒーマシンが自動で読み取って各カプセルに応じた設定で抽出。もちろん手動で好みの味へ調整することもできます。

カプセルは粉の鮮度を保てるアルミ製。コーヒー、エスプレッソ、バリスタ クリエーションズなど、30種類以上のテイストを用意し、使い終わったカプセルは回収ボックスや自宅回収サービスを通じてリサイクルされる仕組みです。

  • コーヒー粉が封入されているカプセル。写真は「バリスタ クリエーションズ」フレーバーの「ビアンコ ピッコロ フォー ミルク」というミルクと合わせる専用のもので、カプセルのふちにバーコードが描かれている

  • 使い終わったカプセルは専用のボックスに回収される

現在「ヴァーチュオ」シリーズでは、「ヴァーチュオ ポップ」(19,800円)、「ヴァーチュオ ネクスト」(23,100円)、「ヴァーチュオ ネクスト プレミアム」(25,300円)、「ヴァーチュオ ネクスト デラックス」(27,500円)の4モデルが存在しています。

今回、多くのミルクレシピに対応した「ヴァーチュオ ラティシマ」(77,000円)が加わり、高機能・高価格帯モデルまで揃うことになりました。

ミルクレシピを試飲! きめ細かなクレマとミルクフォームが美味しい

試飲では「朝」「昼」「晩(夕方)」の3つのシチュエーションを想定し、それぞれに合ったコーヒーを味わえました。

  • ラティシマを使いマキアートを抽出しているところ

まず「朝」のシチュエーションでは、「バリスタ クリエーションズ」フレーバーから、「ビアンコ ピッコロ フォー ミルク」と合わせたミルクレシピを試飲。同カプセルはキャラメルやナッツを思わせる甘い香りが特徴。「FOR MILK」の名の通り、ミルクと合わせることで口当たりがなめらかになるカプセルです。

たっぷりのミルクフォームに圧倒されますが、ミルク多めのやさしい味ながら、コーヒーの香りと味はしっかり楽しめます。ここでは開けたてのカプセル(コーヒー粉)の香りも試せ、数時間前に開けたコーヒー粉とは全く違う、全体的にふわっと強く届く濃厚なフレーバーが印象的でした。

  • 「ビアンコ ピッコロ フォー ミルク」で抽出したマキアート。ミルク、コーヒー、ミルクフォームの3層で見た目もきれい

  • 上部にはきめ細かなミルクフォームがたっぷり注がれている

  • 左が数時間前に開けた「ビアンコ ピッコロ フォー ミルク」のコーヒー粉、右が開けたてのコーヒー粉。数時間前に開けたものは意識しないとコーヒーの香りを感じられないが、開けたては鼻に近づけるだけでコーヒーの華やかな香りが漂ってくる

「昼」のシチュエーションでは、一仕事終えたタイミングでのコーヒーということで、麦芽のような風味で上品な甘みの「マスターオリジン コスタリカ」を使ったミルクレシピを試飲。しっかりとした味わいのコーヒーの上に厚いフォームミルクとクレマが載せられ、コーヒーの味もミルクの味もバランスよく楽しめました。

  • 昼は厚いフォームミルクが注がれたやや濃いめのカプチーノ。しっかりとしたコーヒーの味が楽しめた

「夜」のシチュエーションでは、“宵の口”にゆっくり休もうというタイミングを想定。寝る前のドリンクということでデカフェ処理を施した「アルティシオ デカフェ」を使い、トップミクソロジスト(バーテンダー)の南雲主于三氏によるモクテルを試飲しました。

桃のシロップとマーマレードジャム、炭酸をよく混ぜ、「アルティシオ デカフェ」で抽出したコーヒーを組み合わせたモクテルは、最初にコーヒーの味を強く感じつつ、徐々にフルーツの甘さも出てくる不思議な味わい。シンプルなレシピなので、「ヴァーチュオ ラティシマ」を使ったカクテルやモクテルを家庭で作るという、新たな楽しみ方が広がりそうです。

  • トップミクソロジストの南雲主于三氏。ミクソロジーは、ベースとなるお酒にフルーツやスパイスなどの素材を組み合わせ、自由な発想でカクテル化するもの

  • 桃シロップとマーマレードジャム、炭酸、コーヒーを組み合わせたモクテル。コーヒーの苦みのあとにフルーツの甘さが感じられる美味しい一杯

  • 「朝」「昼」「夜」で使ったカプセルたち。右から順に「ビアンコ ピッコロ フォー ミルク」、「マスターオリジン コスタリカ」、「アルティシオ デカフェ」