新生活を向かえて、さまざまな家具家電がそろっていくこの季節。おすすめしたい家電があります。象印マホービンの「デイリーコンパクトプレート(EJ-DE30)」です。名前の通り、普段使いできることを目指したコンパクトなホットプレート。レビューを通して魅力のポイントを解説しましょう。

  • 無水肉じゃがなどの煮込み料理も作れます

コンパクトだから出しっぱなしにしておける

デイリーコンパクトプレートは、ダイニングテーブルなどに置きっぱなしにしておけるコンパクトなホットプレート。本体サイズは深ナベ使用時で幅35.5×奥行き26×高さ17.5cmです。深ナベ、平面プレート、たこ焼きプレートが付属しており、メニューや使い方によって取り替える仕組みになっています。2024年4月時点の実勢価格は15,800円前後です。

  • 象印マホービンの「デイリーコンパクトプレート(EJ-DE30)」

このサイズ感が絶妙。奥行きが26cmと短めな本体は、テーブルに出しても圧迫感がありません。使っていないときは3枚のプレートを重ねて置けるため、省スペース性も考えられています。使いたいときにプレートを選んで、電源を入れるだけでOK。シンプルなホットプレートなので、操作はダイヤルによる火力設定のみ。簡単に使えます。

  • 深さ5.5cmで3.1Lサイズの深ナベ、3層構造で金属ヘラも使える「遠赤トリプルチタンセラミックコート」を施した平面プレート、そして区切り線付きのたこ焼きプレートが付属

毎食で使えるからこそ“デイリー”

いま、家電量販店にはさまざまなホットプレートが並んでいます。美味しく肉を焼く特別な製品から、薄型スリムで収納性が高い製品、折りたたみ式のホットプレートもあります。その中で、デイリーコンパクトプレートの大きな魅力は「普段使いできる」という点にあります。

ホットプレートというと、焼肉、お好み焼き、焼きそばといった昔ながらのメニューが思い浮かびます。デイリーコンパクトプレートの使い方はちょっと異なり、日常的なメニューを手軽に調理できるのです(もちろん焼肉や焼きそばも作れます)。

  • 玉子などのおかずと一緒に食パンも焼けます

例えば、朝起きて朝食の準備――。平面プレートをセットして、目玉焼きとソーセージやベーコンを焼きます。さらに1人分なら、一緒に食パンも焼けます。キッチンのコンロの前に立つ必要はありません。焼き上がったらダイヤルをWARMにセット(保温)して、デイリーコンパクトプレートから直接、温かいまま食べられます。お皿を用意しなくていいので、洗い物も減らせるというわけです。

  • パスタも作れます。横長なのでスパゲッティを折らずに入ります

ランチにおすすめなのはパスタ。付属の深ナベに水を入れて沸騰させ、パスタを投入するだけです。ナポリタンなどはベーコンや玉ネギを一緒に投入しても大丈夫です。5~6分フタをして茹でたあと、混ぜながらお湯を切ってパスタが完成します。途中でレトルトソースを追加するのもよいでしょう。

  • 茹でたスパゲッティをそのままナポリタンにして、溶き玉子を流し込むと洋食店のようなメニューに!

デイリーコンパクトプレートでの調理は、自動調理鍋のような「ほったらかし」ではありませんが、ダイヤルの火力調整とフタの開け閉めだけで多彩な調理ができるところが便利です。

  • 前面の操作パネルはダイヤルのみ。右から左に回し、OFF、WARM、LOW、MED、HIまで無段階で回せます

鍋ものや無水調理の煮物が手軽

深ナベでは煮込み料理や無水調理も。作ってみて特に美味しかったのは、公式レシピにもある「無水肉じゃが」です。じゃがいも、玉ネギ、人参、牛肉と調味料を入れて煮込むだけ。デイリーコンパクトプレートのフタは重たいアルミダイキャスト製となっており、煮込み料理をすると深ナベとフタの間に水蒸気が入って密閉するウォーターシールを形成します。

  • フタの裏側に配置されたリブ。水蒸気がここに付着して、水分になって料理に戻ります

フタの裏側はリブ構造になっており、加熱した食材から出る水蒸気を水分として食材に戻す仕組み。少ない水分で美味しさと栄養が凝縮した美味しい煮込み料理ができるのです。

  • じゃがいも、ニンジン、玉ねぎの半量を入れて、その上に牛肉を敷き、さらに残りの食材を入れていきます

実際に無水肉じゃがを作ってみましたが、玉ネギはとろとろに柔らかく、しかもしっかりと味が染みたちょっと濃いめの肉じゃがでした。これ、味の好みがうるさい我が家の子どもたちに大ハマリ。コンパクトな深ナベでも最大6人分(牛肉300g分)を作れるので、5人家族の我が家でもバッチリでした。

  • 完成した無水肉じゃが。途中で火力を調整して一度かき混ぜただけ。とても美味しくできました

なお、いわゆる「鍋もの」は2~3人分のサイズ。スーパーで売っている鍋スープに、白菜(4分の1)とそのほかの具材が軽く入りました。「鍋」として見るとそれほど大きくないので、夫婦2人で鍋をつつくのにちょうどいいくらいですが、少人数世帯なら十分でしょう。

  • 深ナベでもつ鍋も。3人以上で食べる場合はその都度、食べきって新しく具材を入れていくイメージ。ただし火力が高いため、すばやく加熱でき、それほど待ちません

高火力で時短調理

一昔前のホットプレートというと大きくて、週末にお父さんが焼肉やお好み焼きを焼いてくれる家電というイメージではないでしょうか。そして、コロナ禍以前からのちょっとしたホームパーティー人気を受けて、小型のホットプレートが登場(というより、ホットプレートを基本としつつも、多彩な料理を作れる新しい調理家電といったほうがいいかもしれません)。パエリアやアヒージョといったメニューもホットプレートで作るようになりました。

  • 波型3往復ヒーターを採用しており、四隅まで均一に加熱できます

デイリーコンパクトプレートは、そんな新しいタイプの小型ホットプレートでもかなり使いやすい部類と感じました。コンパクトですが消費電力は1,100Wと高く、しっかりした火力で食材を加熱できます。また、機械式のバイメタルによる温度制御ではなく、センサーとマイコンによる制御なので、温度ダイヤルを回してからの立ち上がりや食材を投入したときの再加熱が早いこともポイント。平面プレートを使った焼肉も、きれいな焼き色を付けることができました。

  • 焼肉もしっかりと焼き色が付きます。写真のようなタレ肉は焦げやすいので注意が必要

付属のたこ焼きプレートは四隅までしっかりと熱が入り、ムラが少なくきれいに焼けました。「関西のメーカーとしてたこ焼きにはこだわりを持っています」(象印マホービン広報談)という通り、電気を熱源にするたこ焼き器の中ではトップクラスの火力。お店のたこ焼きに近い、緩めの生地でもこんがりと焼けました。

  • たこ焼きもカリトロの仕上がり。公式レシピはやや小麦粉が多めでしたが、もう少し緩い生地でも美味しく焼けました

デイリーコンパクトプレートに派手な機能はないものの、とても普段使いがしやすい製品でした。各プレートに加えて、本体ガードとヒーターセットが分離する構造なのでメンテナンスも楽。ヒーターセット以外は丸洗いできます。電源コードが2.5mと長いのも便利でした。

  • 本体をバラバラにでき、メンテナンスしやすいのもうれしいところ

コンパクトだから出しっぱなしにでき、出ているからサッと使える――。キッチンのコンロに向かって作っていた炒め物や煮物もダイニングテーブルで作れて、対面型キッチンのように使えるのもポイントです。ダイニングテーブルで料理を完成させれば、お皿に移して運ぶ手間もありません。まさに日常(デイリー)の料理を手軽に、美味しくしてくれるホットプレートでした。