ある日突然インターネットに接続できなくなったり、あるいは特定のサービスやWebサイトにログインできなくなることは、いつ起こるかわからない。

以前であれば、自分と同じような目に遭っているユーザがいないかをSNSで検索することで、おおまかな原因の切り分けも可能だったが、インプレゾンビが跳梁跋扈する現在のX(旧Twitter)は、そうした用途では使いづらくなっているのはご存知の通りだ。

また出張先のホテルなどでこうした目に遭遇した場合は、そもそものアクセス環境がふだんと異なるが故に、余計に原因の把握が難しい。サービスやサイト側に原因があると思っていたら、自分自身のハードウェア環境に問題があったという、ずっこけるようなオチが待っていたりもする。

今回はこうした、ふだんはアクセスできているサイトやサービスを利用できなくなった時に、それらの原因を確認するのに便利なツールを集めてみた。トラブル時にもこのページに何とかたどり着いてもらえれば、これらのツールを駆使することで、原因の把握が行えるはずだ。

サービスで発生している障害情報を知るには「Downdetector」

最初に紹介するのは「Downdetector」。プロバイダや携帯電話サービス、ECサイトや金融系のサイト、SNS、さらにはゲームサーバまで、さまざまなWebサイトやサービスの動作状況を確認できるサービスで、SNSやユーザからの報告をもとに問題を収集・分析し、一定の基準を超えるとインシデントと判断され表示される。

世界的ななサービスだが、言語設定を切り替えることで当該国ごとに著名なサービスが上位表示されるため、日本ローカルで運営されているサービスについても遜色のない障害情報が得られる。

  • Downdetector

手持ちのデバイスの不具合をチェックしたければ「DeviceTests」

ウェブサービスやサイトの不具合を疑っていたが、実は自身のハードウェア環境が原因だったというのは稀にある話。「DeviceTests」は、マウスやキーボード、マイク、カメラなどのデバイスの不具合をチェックできるほか、インターネットの速度テストやPingのテストといったメニューが用意されている。

例えばGmailがいつものように操作できず不具合を疑っていたところ、自身のキーボードの不具合でショートカットが正しく動作していなかったなど、ローカル依存の問題だったことを見つけられる可能性がある。

  • DeviceTests

ふだんと違う回線速度の異常を見抜くには「Fast.com」

ふだんと違う環境、例えば出張先のホテルなどからアクセスする場合、不具合ではなく、単純にネット回線の速度が遅いだけというケースもしばしば。こうした場合は、インターネットの回線速度を測定するスピードテストサイトが役に立つ。

Netflixが運営している「Fast.com」はPCやスマホなどプラットフォームを問わず利用できるので、自宅や外出先など、さまざまな場所で測定を行っておくことで、回線速度やレイテンシなどの差を把握できるようになる。

  • Fast.com

インターネット回線の遅延をチェックするには「Blip」

この「Blip」も通常と異なる環境からのネットアクセス時に使えるツールで、インターネットの遅延を確認するのに役立つ。緑と青の2つの線があり、通常は緑が下段、青が上段に並び、回線の遅延が少ないほどこれらが下寄りに並ぶ。

もし上寄りに表示される場合は遅延が、線が密集せずまばらになる場合はパケットロスの発生が疑われるので、アクセス場所を移動してみるなどの対処が望ましい。また回線が完全に切断されるなど何か異常があれば、緑と青に加えて赤の線も表示される(異常がないのに赤い線が出てくる場合はブラウザを変えてみるとよいかもしれない)。

  • Blip

自分自身の利用環境を改めて振り返るには「ご利用環境チェックツール」

ご利用環境チェックツール」も、ふだんとは異なる利用環境でなんらかの異常がないのかを把握するには有益なツールだ。

もともとはWebサイトの制作時に自身の利用環境をデザイナーに伝えるためのツールだが、OSや画面解像度、IPアドレス、ホスト名といった基本的な情報をまとめて表示できるので、眺めていると思わぬ利用環境の違いに気がつく場合もあるだろう。表示内容はやや古い箇所もあるが、純国産のサイトというのも心強い。

  • ご利用環境チェックツール