日本の代表的なトイレメーカーのひとつといえばLIXIL(リクシル)。そんなトイレ界の大物が、2024年6月3日から最上位モデルのトイレ「SATIS X」を発売します。
LIXILのプレミアムトイレは既存モデルも多機能ですが、新製品はさらに「掃除機能」を強化。最高峰のトイレ、メディア向けの発表会で実機をチェックしてきました。SATIS Xのメーカー希望小売価格はピュアホワイトが546,700円から(工事費別)。白以外のノーブルレーベル(ブラック、グレー、トープ)は99,000円プラスになります。
LIXILのタンクレストイレシリーズ「SATIS」
LIXILはスタンダードから高級モデルまで、さまざまなトイレを発売しています。なかでも「SATIS」はプレミアムモデルとなるタンクレストイレのシリーズです。現在すでに「SATIS S」と「SATIS G」が発売中で、新製品のSATIS Xはシリーズ最上位となります。
SATIS S/G/Xはいずれも似たデザインですが、機能の差からか前出寸法(背面壁からトイレ機器の先端までの寸法)は異なります。もっとも多機能な新SATIS Xは前出寸法が79cmあるのに対し、SATIS Gは72cm、機能がシンプルなSATIS Sは65cmとかなり長さが違います。
高級シリーズのSATISは、全モデル共通で汚れがつきにくい抗菌素材を使った便器や、掃除がしやすい継ぎ目のない便座、隙間掃除がしやすくなる「電動お掃除リフトアップ」といった、トイレ掃除を簡単にしてくれる多くの機能を搭載しています。
「トイレが汚れにくくなる機能」「掃除が楽になる機能」も便利ですが、多くのユーザーは「そもそもトイレ掃除をしたくない!」のが本音かも……。
そこで、新SATIS Xは掃除しやすい機能はそのままに、さらに「トイレがトイレ掃除をする」という3つの新機能を搭載しました。「極みトリプル水流」「泡クリーン」「ノズルオートクリーニング(パワフル)/シャッタークリーニング」です。
見える汚れはもちろん、見えない汚れまでしっかり掃除
1つずつ見ていきましょう。まず「極みトリプル水流」ですが、SATISシリーズは既存モデルでも汚れが落ちやすい「アクアセラミック」という素材を採用しています。既存モデルも水を流すとそれなりに汚れは落ちていました。
また、一般的なトイレは水を一方向から回転させるように流すため、便器の中で水流のムラや水が届かない場所があります。そこでSATIS Xは、水の吐出口を左右と真ん中の3つに分ける「極みトリプル水流」を導入しました。
ただし3つの吐出口から同時に水を出すと、水の勢いが弱まって汚れが落ちにくくなります。極みトリプル水流では、まず右から吐水して便器右側を掃除し、次に中央から吐水して後方全体を掃除、最後に左から吐水して左側を掃除……と、段階的に水を出します。「3カ所から水を出す」と聞くと節水性が気になりますが、水の使用量は大で6L、小で5L。節水型の基準水量である6.5L以下を守っています。
続いて、気になる「目に見えない汚れ」まで対応してくれるという、新しく追加された一日一回の「泡クリーン」機能です。便器に泡を溜めて「つけおき洗い」をするというもの。
寝ている時間や仕事などで家に居ない時間をスマートフォンの専用アプリか専用リモコンで設定すると、その時間に泡を作って左右に旋回させて鉢内に行き渡らせ、そのまま3時間つけ置き洗い。じっくり汚れを浮かせられるので、こびりついた汚れにも力を発揮します。数日掃除をサボるとでてくる黒い輪っか汚れ防止にも役立ちそう。ちなみに、泡を作る洗剤は専用のものが発売されているほか、市販の中性食器用洗剤も利用できます。
最後の「ノズルオートクリーニング(パワフル)/シャッタークリーニング」は、お尻洗い用ノズルやビデ用ノズルの清潔機能。SATISシリーズはもともと使用後のノズルを自動洗浄する機能を持っていますが、新SATIS Xは従来の2倍以上の水量でノズルを洗うように。
ノズルからの水は直接肌に当たるため「ノズルが清潔に保ててる!」と感じられるのはうれしいポイントです。新しい機能としては、ノズルを使用していないときにノズルを汚れからガードする「ノズルシャッター」まで水を流して洗うようになりました。洗浄便座トイレを掃除したことのある人ならわかると思いますが、ノズルシャッターは汚物のハネが付着しやすい部分でもあります。これはとてもありがたい進化です。
LIXILによると、「SATIS Xを使っても完全に掃除がいらないわけではない」とのこと。とはいえこれらの機能を活用すれば、掃除の頻度は格段に減らせるそうです。トイレは毎日使うものだけに「汚れている」と感じるとストレスが積み重なります。次にトイレを入れ替えるときは「掃除のラクさ」をチェックポイントに入れてみてはいかがでしょうか。