米NVIDIAは3月18日(現地時間)、同社が主催する国際カンファレンス「NVIDIA GTC」の中で、最新アーキテクチャ「NVIDIA Blackwell」を発表した。データセンター向け製品への採用もあわせてお披露目されており、「NVIDIA B100」「NVIDIA GB100」へと搭載される。
ゲーム理論と統計を専門とする数学者であり、アメリカ科学アカデミーに初めて殿堂入りした黒人の学者「David Harold Blackwell」氏からネーミングされ、これまで提供されてきたNVIDIA Hopperシリーズから継承される最新アーキテクチャ。“世界で最も強力なチップ”と表現されており、カスタムされたTSMC 4NPプロセスで製造。最大2,080億個もの莫大なトランジスタを集積し、最大10兆ものパラメータを備えた大規模言語モデルのトレーニングをサポートするという。
NVIDIA Hopper世代で初めて搭載された独自の「トランスフォーマーエンジン」は第2世代へと刷新され、新たに4bit floatingにおける2倍の計算速度を実現。GPU間の接続は第5世代NVLinKへと強化され、GPUあたりの双方向スループット1.8TB/秒・最大576個のGPU間での高速通信に対応。信頼性と可用性・セキュリティ機能をRASエンジンで確保し、データベースクエリの高速化用に専用の解凍エンジンも内蔵する。
NVIDIA Blackwellアーキテクチャの採用製品として、第5世代NVLinKで相互接続した72個のBlackwell GPUと36個のGrace Blackwellスーパーチップを搭載し、独自DPU「BlueField-3」を組み合わせた「NVIDIA GB200 NVL72」も発表。NVIDIA Quantum-2 InfiniBandとSpectrum-Xを通じて最大400Gb/sのネットワーク速度に対応する。
NVIDIA Blackwellアーキテクチャ採用システムはクラウド事業者各社で今年後半にも利用可能になるとしており、初期パートナーとしてAWS・Google Cloud、Oracle Cloud Infrastructureが参画する。