米NVIDIAが2月21日(現地時間)に発表した同社2024年度第4四半期(2023年11月~2024年1月)決算は、売上高・利益とも過去最高を更新し、アナリストの予想も上回った。AI向け半導体の圧倒的なシェアを背景に、データセンター事業の売上高が前年同期比で409%増加し、ゲーミング事業も同59%増だった。

1月期の売上高は221億300万ドル(前年同期比265%増)。純利益はGAAPベースで122億8500万ドル(同769%増)、1株利益は4.93ドル。非GAAPでは、利益が128億3900万ドル(同491%増)、1株利益は5.16ドル。市場の予想平均は、売上高206億2000万ドル、1株利益4.64ドル(非GAAP)だった。

事業部門別の売上高は以下の通り。

  • データセンター:売上高184億400万ドル(前年同期比409%増)
  • ゲーミング:売上高28億6500万ドル(前年同期比56%増)
  • プロフェッショナル・ビジュアライゼーション:売上高4億6300万ドル(前年同期比105%増)
  • オートモーティブ:売上高2億8100万ドル(前年同期比4%減)

AI向け半導体への強い需要は、企業向けソフトウェアや消費者向けインターネット・アプリケーションから、自動車、金融サービス、ヘルスケアなど産業界によるAI採用へと急速に広がっている。この需要の多様性と幅広さが、NVIDIAを市場リーダーとしてさらに強化している。

AIブームの影響は個人向けグラフィックス製品にも及んでおり、昨年末からはPC市場も回復傾向にある。ゲーミング事業は2023年度第1四半期(2022年2〜4月)に売上高36億2000万ドルに達した後、サプライチェーンの混乱、PCやゲーム関連製品の需要低迷の影響を受け、2023年度第4四半期(2022年11〜2023年1月)に18億3100万ドルまで落ち込んだ。しかし、この1年間でサプライチェーンの問題が徐々に解消し、売上高は28億6500万ドルまで回復した。

2025年度第1四半期(2024年2〜4月)のガイダンスは売上高240億ドル(±2%)。アナリスト予想(221億7000万ドル)を大きく上回った。予想通りならば第1四半期も230%を超える伸びになる。