いよいよ本番を迎える花粉シーズン。環境省によるとスギやヒノキを中心に、1月から少量が飛散し始め、2月~4月頃には大量の花粉が飛び交う時期を迎えます(花粉症環境保健 マニュアルより)。
アイロボットジャパンは2月5日、メディア向けのセミナーを開催し、2024年の花粉症傾向や自宅の花粉症対策について解説。2024年9月に投入した同社初の空気清浄機「Klaara p7 Pro」(以下、クラーラ)も合わせて紹介しました。
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巨大なフィルターと密閉構造で花粉を捉える「クラーラ」
クラーラはこだわりの機能を詰め込んだハイエンドモデルで、直販価格は169,800円と高価格帯の製品です。加湿・除湿機能は付いておらず、空気清浄に特化しています。
一番の特徴は独自の密閉構造。一般的な空気清浄機は複数のパーツが組み合わさっており、背面などから空気が漏れるものですが、クラーラは継ぎ目のない一体型ボディを採用。汚れた空気を吸ったあと部屋に漏らさず、そのまま内部で清浄化できることが特徴です。これが家の中の花粉対策に役立つとのこと。
また、内蔵する約4.5~4.6kgの大型フィルターは、大きいゴミを捕集するプレフィルター、ニオイや有害なVOC(揮発性有機化合物)を捉えるカーボンフィルター、ウイルスレベルの超微粒ゴミを捕集するHEPAフィルターを一体化。横から空気が出ないよう、樹脂で囲まれている設計となっています。
すでに購入した人からは、花粉やペットのニオイ除去を評価して購入を決めたという声が多かったといいます。
2024年の花粉はどんな傾向がある?
説明会では、JCHO東京新宿メディカルセンター 耳鼻咽喉科診療部長の石井正則先生が、2024年の花粉飛散の傾向などについて解説しました。
石井先生によると、2024年の花粉飛散量は多くの地域で例年よりやや多めの予想。関東甲信・四国では例年並みですが、それ以外の地域では120~140%、北海道では200%以上(シラカバ花粉)の飛散が見込まれています(日本気象協会の「2024年花粉飛散予測 第3報」より)。
「例年」というと、毎年飛散する花粉量とだいたい同じかと思いがちですが、この言葉には落とし穴も。日本気象協会の「2024年花粉飛散予測」でいう例年は、過去10年の平均値。スギ花粉の量は昔と比べ増加しているため、「例年並み」の値も昔より上がっているとのことで、注意したいポイントだそうです。
また、2024年におけるスギ花粉の飛散時期は、例年並みかやや早いスタートとの予想。東京を含め、いますでに花粉が飛び始めている地域もあり、飛散時期のピークがやや早まるのでは、と見込まれているそう(東京では1月下旬に花粉症状で来院している方もいるといいます)。
花粉飛散のピーク期間は10日から1カ月ほどですが、急に温かくなったり、強い風が吹いたりすると「とんでもない花粉の量が飛ぶ」ため、症状が一気に出てくる可能性もあるそうです。
ではこの花粉とどう戦うか? というと、厚生労働省では「花粉の除去と回避」を対策の1つに挙げています。具体的には「吸わない、触らない、近づかない」で、家に花粉を持ち込まない対策としては「喚起時にレースカーテンを閉めておく」「花粉の時期に布団を外干ししない」「衣服に付いた花粉を振り払うこと」が挙げられました。
しかし、それらをかいくぐって家の中に入り込んだ花粉は、密閉性の高い部屋の中で、動き回る人やペットの動きに応じて舞って落ちてを繰り返し、わた埃のように集まってしまう「対流花粉」(石井先生の造語)となる可能性があります。
そうすると家の中でもくしゃみ、鼻水、鼻づまりのほか、ぼーっとしたり判断力が鈍ったり、という花粉症の症状が続き、生活の質が下がります。
対流花粉の対策には「家の空気の清浄化」と「床の清浄化」の2つが大事といい、片方だけでは意味がなく、この両方を一緒に行うことで対策になるとのこと。ただし(人が操作する)掃除機で吸い込んだ場合は、排気口から出てきた花粉が人に付着し、また対流花粉が続いてしまうといい、特に空気清浄機と(人が動かない)ロボット掃除機の組み合わせが、家の中の花粉症対策に役立つとしました。