米Micronは1月9日(現地時間)、LPDDR5Xメモリをベースに、優れた電力効率と省スペース性を兼ね備えたメモリーモジュール、LPCAMM2(low-power compression attached memory module)の提供を開始した。ノートPCや小型フォームファクタのデスクトップPCに、優れた転送速度とデザインの柔軟性、低コスト、拡張性や修理可能性といった利点をもたらす。

現在、ノートPCや小型デスクトップPCにはLPDDRメモリまたはSO-DIMMメモリ・モジュールが用いられている。LPDDR(Low-Power Double Data Rate)メモリはコンパクトかつ省電力、高速に動作するが、メインボードに直付けされるため交換・修理が困難である。一方、SO-DIMMはモジュールで容易に取り付け/取り外しできるものの、LPDDRメモリに比べてモジュールを含むサイズが大きく、また性能面で劣るトレードオフがある。

MicronのLPCAMM2は、LPDDR5Xメモリをベースにしているため、最大9600Mbpsのデータレートをサポートする。これは最大6400MbpsのDDR5 SO-DIMMの1.5倍だ。効率性にも優れており、DDR5と同じ速度で、64bitバスあたりのアクティブ電力がDDR5(4800 MT/s)に比べて57~61%低く、スタンバイ電力が最大80%低い。

そうした省電力性に加えて、LPDDRでは DRAMコンポーネントを1パッケージ内に16個まで積層できる。最新のノートPCに採用されているメモリアーキテクチャでは、128bitのメモリ・バスに最大32個のダイを取り付けられるが、LPDDRを使用すれば現在で4個、将来的には2個で全てを満たせる。デュアルSO-DIMMスタック(マザーボード+ソケット+メモリ)に比べて、モジュールが1つになるLPCAMM2はノートPC内の必要スペースが最大64%小さくなる。メモリ・サブシステムが簡素化され、PCメーカーは128bitメモリを搭載した薄型ノートPCをより安価に提供できる。

MicronのLPCAMM2は容量が16GB、32GB、64GBの3種類となっている。同社はまた、2024年前半にCrucialブランドを通じてLPCAMM2メモリ製品のエンドユーザーへの提供を開始する。