Apple製デバイスで利用できる超解像技術「MetalFX Upscaling」の正体は、実はAMD FSR 2をベースにしたものだったようだ。海外テック系メディアのNotebookcheck.netが報じている。
AppleはmacOS Ventura以降に導入した描画API「Metal 3」において、超解像技術「MetalFX Upscaling」をリリースした。その後もApple独自SoCシリーズで利用できるようサポートが拡張され、対応ゲームではiOSやiPadOSでも同機能を利用可能。MetalFXはSoC内のNPUコア活用へと発展しており、さらなる品質・性能向上が図られている。カプコン『バイオハザード ヴィレッジ』などがMac向けタイトルを投入する際、MetalFX Upscalingを活用していると明言していた。
今回、このMetalFX UpscalingがAMD FSR 2をベースに開発されていたと判明した形。NotebookcheckがMetalFX Upscalingのライセンス表記を確認していたところ、AMD FSR 2のMITライセンスについて記載されていたという。
Notebookcheckはこの件について、「これまでMetalFXはAppleが社内で開発したものだと考えられてきましたが、同機能がAMD FSR 2をベースにしたものであることがわかりました。FSRはオープンMITライセンスで公開されているので、AppleがMetalFXでFSRを使用するにあたり、AMDに何も支払っていないことを意味しています」と言及した。やや悪しざまに聞こえるが、MITライセンスのオープンソースソフトウェアは著作権表示とライセンス表記がされている限り、改造や再配布、商用利用から有料販売まで認められているので当然のことではある。
ちなみに、本家のAMD FSR 2はAMD Radeonシリーズだけでなく、GPUベンダーを問わず利用できる点が特徴。NVIDIA GeForceでも利用できるし、Intel Arcでももちろん使うことができる。ここにきてApple製デバイスのGPUでも利用できることが判明し、互換性の高さも浮き彫りになっている。