ワコムから、プロクリエイター向け液晶ペンタブレットの新製品「Wacom Cintiq Pro 17」および「Wacom Cintiq Pro 22」が登場しました。マンガ家、イラストレーター、3DCGクリエーターなどプロクリエイターの声を反映した製品で、直感的な操作で没入感のある制作環境を実現できるのが特徴となっています。メディア発表会では、人気イラストレーターのjbstyle.さんが製品の使用感を語りました。

  • ワコムが、液晶ペンタブレット「Wacom Cintiq Pro 17」「Wacom Cintiq Pro 22」を発表。写真はイラストレーターのjbstyle.さん

    ワコムが、液晶ペンタブレット「Wacom Cintiq Pro 17」「Wacom Cintiq Pro 22」を発表。写真はイラストレーターのjbstyle.さん

まずは外観をチェック

「Wacom Cintiq Pro 22」は21.5型の大きなディスプレイを搭載した製品。画面を拡大・縮小しなくても絵を描き続けられるため、作業効率の向上が期待できます。メーカーではグラフィックデザイン、マンガ制作、広告デザイン、VFX、3DCG制作などの利用シーンを想定しています。発売日は11月22日、ワコムストアにおける価格は448,800円。別売りで専用スタンド(83,380円)が用意されています。

  • 画面の大きなWacom Cintiq Pro 22。液晶の上端と左右に1/4インチのネジ穴があり、拡張テーブルやアクセサリを取り付けられます。写真はWacom Pro Pen 3用ペントレイを使用

  • 別売りの専用スタンドは、どっしりとした安定感。画面を好みの角度に調節できます

接続ポートは、HDMI、USB Type-C×2(うち1つはDisplayPort Alt Mode)、USB-A、Mini DisplayPort、電源用の端子。ACアダプタの接続が必要となります。

  • 背面のインターフェースはこんな感じ。左右のグリップ型ExpressKeyには、よく使うショートカットを登録可能です。なお写真はFlex Arm Adapterを使用

また「Wacom Cintiq Pro 17」は17.3型のコンパクトで省スペースな製品。イラスト制作をはじめ、様々なジャンルのデザインワーク、レタッチ作業に適しています。こちらは10月26日に発売されており、ワコムストアにおける価格は371,800円。本モデルには簡易スタンドが同梱されますが、別売りの専用スタンド(74,580円)も利用可能です。

  • コンパクトで持ち運びも便利なWacom Cintiq Pro 17。やはり1/4インチのネジ穴(上に1つ、左右に1つずつ)を搭載しています

  • こちらが同梱される簡易スタンド。これなら外にも持ち出せそうです(Wacom Cintiq Proシリーズの利用には、必ずスタンドあるいはアームが必要です)

  • 別売りの専用スタンド。液タブに体重をかけながら絵を描くスタイルの人も多いそうで、「そこそこの耐荷重が計算されている」との裏話でした

接続ポートは、HDMI、USB Type-C×2(1つはDisplayPort Alt Mode、1つは電源用)、Mini DisplayPort。ACアダプタの接続が必要となります。

  • 専用スタンドは角度も変えられます。イラストが仕上がった後に、遠くから確認したい人もいるでしょう。そんなとき、立てて見られるのは便利ですね

  • 体重をかけても大丈夫(左)。首振りは左右20度まで対応(右)

また新しいWacom Pro Pen 3は、現行製品と比較してペン先の芯が長くなったことで視認性が良くなっています。そしてカスタマイズ性も向上。グリップの太さ、サイドスイッチの数、ペンの重心などをユーザーの好みにあわせて変更できます。

  • 描き味と使い心地が改良されたWacom Pro Pen 3。カスタマイズは全36通りもあるんだとか

なおワコムでは、昨年(2022年)10月に26.9型の液晶タブレットWacom Cintiq Pro 27を発売しています。それと比べると、新製品の2モデルはコンパクトなサイズ感になりました。さて、これでフラグシップシリーズの3モデルが出揃った形。ワコム担当者も「クリエイターさんの制作スタイルや制作環境に最適な製品を選んでもらたら」とアピールしています。

  • こちらがWacom Cintiq Pro 27(2022年10月発売)。写真は、拡張テーブルに市販のキーボードを載せています

  • 背面のインターフェースはスッキリ

スペックを比較!

メディア発表会では、ワコムの担当者が新製品の進化のポイントを紹介しました。

Wacom Cintiq Pro 17および22は、ともに最大表示解像度が3840×2160(4K解像度)、リフレッシュレートは120Hzに対応。最大表示色は10億7374万色 / 1024階調となっており、鮮やかでリアルな色彩表現が可能です。特にグラフィックデザイン、デジタルアートなど、色の正確さを大事にする人にとって色の再現性の向上は大きなメリットとなるでしょう。またHDRに対応しました。画像の最も暗い部分と最も明るい部分の間の範囲を拡大し、より深い黒とより明るい白を表現することができます。

  • Wacom Cintiq Proシリーズの製品仕様

ディスプレイが高精細になったほか、ベゼルはスリムでスタイリッシュになり、ペン描画ではより繊細な表現が可能となるなど、「ワコム史上最高のこだわりを結集した」(担当者)新しいWacom Cintiq Proシリーズ。現行モデルとのスペック比較は、以下の通りです。

  • Wacom Cintiq Pro 17と、現行モデルであるWacom Cintiq Pro 16(2021)の比較

  • Wacom Cintiq Pro 22と、現行モデルであるWacom Cintiq Pro 24の比較

プロ目線で解説!

プロのイラストレーターは、この新しい液晶ペンタブレットをどのように評価するでしょうか?雑誌、テレビ、アパレルなど多方面で活躍中のjbstyle.さんが使用感を語りました。

  • jbstyle.さん。Adobe Illustratorを使って、わずかな時間で日本のマンガ文化×アメコミ風の印象的なイラストを仕上げていく手法が人気

少し前までWacom Cintiq Pro 24を使っていたというjbstyle.さん。ときには1日の作業時間が10時間を超えることもあり、休憩を挟みながら描き続けてもそれなりに疲労感があったそうです。しかし昨秋にWacom Cintiq Pro 27に乗り換えたところ「描き心地が良くなり、反応も改善していました」と指摘。そのうえで「あくまでも肌感ですが、以前のような疲れがなくなったように感じます」と話します。

  • jbstyle.さんの作品イメージ

筆が速いことでも知られているjbstyle.さん。リフレッシュレートが120Hzになったことのメリットについても「以前の機種では、描いているときに少しだけラグを感じました。バーっと描いていくと、ペンの反応が追いつかないことがあって。でも120Hzになり追従性が上がったので、神経を使わなくてよくなりました。こちらが描きたいスピードで線がついて来てくれるのが気持ち良い」と解説。

  • リフレッシュレート120Hz×Wacom Pro Pen 3の進化を実感

ペン先が長くなったことについては「これが地味に嬉しいポイント。ペンの角度が変わっても、常にペン先が見えるんです。これで覗き込む必要がなくなりました。細かい線を描き込むときの反応も良い。素早く線を描くとき、ストレスがありません」とします。

  • 髪の毛先など、細かい描写のときにもストレスがなくなったそう

この日、はじめて触ったWacom Cintiq Pro 17については「最初の1台を探している人の入門編として、ちょうど良いサイズですね。簡易スタンドもついていますし、配線などややこしいこともありません。あとは、今ほかのタブレット端末で絵を描いている人が”ワンランク上の描画機能”に特化したガジェットとして購入するパターンもあると思います」。学生さん、社会人の方など『これからイラストをやっていきたい』と思う人にはWacom Cintiq Pro 17がオススメとし、「私も”外に持ち出すとき用”に欲しくなりました」と笑顔を見せます。

  • 続いてWacom Cintiq Pro 22の使い心地もお試し中

またWacom Cintiq Pro 22については「別のディスプレイに資料を映しながら絵を描きたい人なら、この大きさが使いやすいのでは。大きな画面で細かい作業をしたい、これから良い環境を整えていきたい、でも机や作業スペースの都合があるので27インチは乗らない、そんな人に最適です」と評価。

  • わずか数十秒で...

そしてイラスト1本で仕事をしていくようなプロにはWacom Cintiq Pro 27を推薦。「傍らに資料を用意したいとき、これなら1画面で収めることができます」とし、自身もこれから長く使っていきます、とまとめました。

  • 完成したイラスト