2023年9月21日から9月24日まで、幕張メッセで行われた「東京ゲームショウ2023(TGS2023)」。今年もリアル会場とは別に、VR会場としてオンラインイベント「東京ゲームショウVR(TOKYO GAME SHOW VR 2023、以下、TGSVR2023)」が、2023年9月21日10時から2022年10月1日24時まで開催されます。毎年、手の込んだ作りこみで「たった4日間しか遊べない」と思った人も多いハズ。その声に応えてか、今年は会期が延長されました。
VRというと「専用の機材が必要なのでは?」と考える人もいるでしょう。ですが、今年はVRデバイスやパソコンだけでなく、スマートフォンもOK。しかも、2年前とは異なり、スマートフォンでもほかのデバイスと同じ内容を遊ぶことができます。
パソコン、スマートフォンともに専用アプリ「xambr」が必要。VRヘッドマウントディスプレイユーザーにも対応アプリが用意されており、アプリは公式サイトのリンクからダウンロードできます。
今年のTGSVRは天空に浮かぶゲームの国が舞台
今年もテクノロジーパートナーはambrで、出展社はイマジナリーゲームスタジオ/カプコン/CharacterBank/Gugenka/Groove Fit Island!!/コーエーテクモゲームス/Godot Engine/GoRapid Studio/コナミデジタルエンタテインメント/thatgamecompany/Sky 星を紡ぐ子どもたち/サビオス/Schell Games/スクウェア・エニックス/セガ/アトラス/バンダイナムコエンターテインメント/Polygonal Mind/マジック:ザ・ギャザリングです。
メディアパートナーはTheGamer/The Ghost Howls/ファミ通/Mogura VR/Ruliwebで、さらにプロモーション協賛社としてKEIRIN/シャングリラ・フロンティア/『進撃の巨人』ワールドワイド・アフターパーティー/ZONeエナジー/テレビ朝日/HEBEL HAUS/ミラティブ/明治安田生命/Monstercat/ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン/ワイドハイターが参加しています。
TGSVR2023の会場は天空に浮かぶ島「ゲームアイランド」。空を飛ぶ船の甲板からスタートし、島に到着後、入国審査(属性アンケート)を受けてから会場に入ります。アバターごとに設定された魔法が使えるなど、新機能も多数実装されていました。
「ゲームアイランド」は、複数の天空に浮かぶ島々で構成されます。それぞれの島の移動には「カイト」を利用。カイト乗り場は複数ありますが、それぞれ、どのエリアにも行けるようになっています。人数が増えてもカイト待ちになることもありません。KEIRINだけは専用のカイト乗り場が用意されていました。
島を巡ってクエストに挑戦し、アバターを集めよう!
コアとなる「GAME TREE」の周辺には、「FLINT PEAKS」「MYSTIC FOREST」「DESERT GARDEN」が浮かびます。それぞれ、岩、魔法、砂漠をテーマとしており、島の見た目もガラリと変わります。
島には、あちこちにNPCがいて、近寄るとセリフが出る仕掛けになっています。出展社のブースの基本構成は去年までとほぼ同じで、敷地の中に遠くから目立つ企業ロゴがあり、ブース内を自由にめぐることができます。
ブース内では、近づくことで自動再生される映像モニターや、動いたりしゃべったりするフィギュアなど、さまざまな演出が楽しめるようになっていました。また、外部ブラウザへのリンク機能があり、制作費用と期間のかかるVRコンテンツを作ることなく既存のWebコンテンツに誘導できるようになっています。主にプロモーションパートナーで見ましたが、ゲームメーカーも使っていました。
また、TGSVRには「やりこみ要素」としてクエスト機能があります。今年はクエスト達成状況のスタンプカードに何をすればよいか書かれているので、これをヒントすると簡単です。逆にNPCの一言だけヒントにすると難易度がグッと上がります。内容は、主に「特定ブースを見る」、「指定されたアイテムをカメラで撮影する」など。巡回するだけである程度のクエストはクリアできるでしょう。
そして、なんといっても今年の特徴は「魔法」を使えること。アバターごとに使える魔法が異なります。標準で使える魔法は結構ショボいですが、クエストをクリアすると、さまざまなアバターが手に入る仕組みです。
魔法はアバターに深くかかわるものがあり、たとえばヘーベルハウスのアバターは、ヘーベル君が出てきて「ハーイ」と言います。主催者ステージのアイドルの歌に合わせてコールとして使っていた人がいましたが、なかなかタイミングが難しい。コナミデジタルエンタテインメント(KONAMI)ならばメタルギアソリッドの「!」の音を楽しめます。
なお、空いているサーバーに移動できる「サーバー切り替え機能」も用意。友だちと一緒に回りたい場合は1人がサーバー移動し、そのサーバーコードを伝えることで集合できます。さらにテキストチャットだけでなくマイク機能も用意されているので、ボイスチャットしながら楽しむこともできます。
競輪はかなり本格的なレース展開
昨年は独立ワールドを使ってボートレース協会が出展していました。かなりアトラクション的な内容でしたが、今年のKEIRINも独立ワールドを使用しているだけでなく、競輪としてみてもかなり現実的なコンテンツが用意されていました。
競輪は、自転車を速く走らせるだけの競技ではなく、チームの戦略が重要。というのも、トップスピードの70km/hとなると風の抵抗が大きくなるからです。これに対抗するために道中、仲間と「ライン」で連携して「先頭を走る自力選手、2番手、3番手選手」とポジションを決めて走ります。
自力選手は風よけとしてラインを先導し、2番手、3番手の選手はその後ろにピッタリついて、カーレースで言うスリップストリーム状態でまとまります。というと前の人が不利に見えますが、2番手・3番手はほかのラインを妨害して走る役割があります。ちなみに現在の競輪は途中までレースとは無関係な先導員が走るので、先頭が著しく不利にはならないようになっています。
レースの最後にラインはなくなり、チーム内の戦いになりますが、どのラインがどのように道中走るか戦略性が競輪予想のだいご味。ちなみに女子のガールズケイリンや国際ルールのKEIRINは個人競技ということで、ラインで走ることは禁止されています(自転車そのものも違い競輪はクロモリの鉄フレームですが、ガールズケイリンやKEIRINはカーボンフレームを使ってます)。
今回のTGSVRのKEIRINは、そのような競輪事情を加味した内容となっており、競輪をよく知っている大人でも楽しめるコンテンツとなっていました。
TGSVRではボート、自転車と続いたので、次は馬かもしれません。2023年7月に秋葉原で開催された「バーチャルマーケット2023 Summer」にはJRAが出展し、バーチャル中山競馬場やバーチャル乗馬体験コンテンツを出していたので、下地は十二分にあると思います。