デロンギ・ジャパンは9月26日、風を出さない暖房機、マルチダイナミックヒーターの最上位モデル「デロンギ マルチダイナミックヒーター ソラーレ Wi-Fiモデル(IDH15WIFI-WB)」(以下、ソラーレ)を発表しました。従来モデルと比べて本体サイズがスリムになって軽量化し、内部構造も見直すことで暖房性能を高めています。
見た目も、これまでの「ゼロ風暖房機」とは一線を画すシンプルなデザインに一新。発売日は10月3日で価格はオープン、推定市場価格は99,800円円前後です。プレス向けの内覧会で体験してきました。
健康志向に人気がある「風を出さない」ヒーター
昔ながらの家電好きなら、デロンギといえばオイルヒーターメーカーという印象が強いでしょう。輻射式のオイルヒーターは、パネル(放熱板)内に温めたオイルを循環させて輻射熱にってじんわりと部屋を暖めます。温風が出ないことが最大の特徴です。デロンギは輻射式ヒーターのことを「ゼロ風暖房」と呼んでいます。
デロンギは現在もオイルヒーターを販売していますが、風が出ないゼロ風暖房の主力はオイルヒーターの次世代となる「マルチダイナミックヒーター」へ。こちらはオイルを使わず、放熱板とヒーターを一体化させた構造になります。今回のソラーレも、このマルチダイナミックヒーターです。
ゼロ風暖房のメリットは、風がないために肌や喉が乾燥しにくく、ホコリが舞わないこと。風がないので運転音も静かです。また、本体の表面温度は約60℃と熱くなりすぎず、やけどや火事になりにくいという安全性の高さも魅力。
一方、輻射熱を使った暖房機は速暖性が低く電気代がかかるというデメリットもあります。この点、デロンギのマルチダイナミックヒーターは、オイルヒーターと比較して倍ちかい早さで部屋を暖められるうえ、約63%の節電を達成しているといいます。
新製品のソラーレは、これまでのマルチダイナミックヒーターから見た目を一新しただけでなく、内部形状も大きく変えています。
従来のマルチダイナミックヒーターは、縦長の放熱パネルとタテ型ヒーターユニットを一体化させていましたが、ソラーレはヒーターを横向きに3段の配置。これにより、従来機ではできなかった「下側のヒーターを優先的に使用する」といった暖め方を使えるようになりました。
ヒーターと本体形状の変更によって、床面の暖め性能が大きくアップ。2次的な輻射熱が床から放射され、従来モデルは弱かった「足元を暖める」に強くなっています。実際に運転中のソラーレに近づくと、半径1mくらいは足元が床からポカポカと温かく感じました。
もうひとつ大きく変わったのが操作性です。本体上面に、デロンギのヒーターとしては初となるカラー液晶ノブを配置。ノブを回してメニューを移動(選択)、ノブを押して決定です。これはとてもわかりやすい操作。さらに、スマートフォン(アプリ)との連携機能も搭載し、外出先からでもスマートフォンからの操作が可能です。
ちょっとおもしろい機能なのが、デロンギのヒーターでは初となるアロマボウルの付属。付属するアロマボウルに水と数滴のアロマオイルを垂らすことで、部屋を暖めながらアロマディフューザーとして使えます。
ソラーレは名称の一部に「マルチダイナミックヒーター」とあるものの、ヒーターの構造からして従来のマルチダイナミックヒーターとはまったく違います。個人的には本体の形状に驚きました。
ゼロ風暖房のような輻射式ヒーターは、熱を効率的に放射するため表面積を広くデザインします。このため、スリットのある形状や網状形状の放熱パネルを用いることが多いのです。今回のソラーレは表面が1枚の金属板というシンプルなデザインで、パッと見は輻射式ヒーターには思えません。暖房性能とゼロ風暖房の利点はもちろん、ソラーレの姿にも目を引かれたら、ぜひチェックしてみてください。