ダブルでF1スポンサーをしているレノボが渋谷でシミュレーター走行イベントを実施
2023年9月22日から「2023 FIA F1世界選手権シリーズ Lenovo 日本グランプリレース」が開催されますが、その盛り上げのためレノボは9月15~18日にZeroBase渋谷にて「Lenovo All Players Challenge」を開催します。前日の発表&体験会に行ってきました。
かつてのレノボは渋谷でイベントを結構行っていたイメージがあるのですが、ここ数年はコロナ禍もあってあまり活発的ではありませんでした。今回のイベントの経緯と意義をレノボ ジャパン合同会社 代表取締役社長の檜山太郎氏が説明しました。
Lenovo本社は2022年からF1オフィシャルテクノロジーパートナー、そして日本のレノボは日本グランプリの冠スポンサーとなっており、ダブルでF1を支える立場となっています。そこで日本グランプリを盛り上げるべく渋谷でのイベントを行います。
1つが今回紹介するLenovo All Players Challenge。もう1つは渋谷「スクランブル交差点」13面をフルジャックして放映する屋外広告です。15~24日は9~15時に1回、13面をフルに使用して放映するという力の入りよう。
また、「レノボはSmarter technology for allを現在の社是としており、シミュレーターを使う事で多くの人にF1を体験してもらえる」といいます。また、「単に渋谷でレーシングをするのではなくそこからコミュニケーションが広がってくれると嬉しい」とイベントのかける想いを説明しました。
続いて来賓の渋谷区長 長谷部健氏があいさつ。「『ちがいを ちからに 変える街。渋谷区』が渋谷区の基本構想で、レノボとは渋谷未来デザインにも参画してもらっている」と渋谷区とレノボの関係を説明。
「その渋谷の真ん中で素適なイベントを行ってくれているのはうれしいし、インクルージョンとダイバーシティの観点から渋谷区もe-sportsもチャレンジし始めている。先ほどシミュレーターを体験させてもらったが、全くのへたくそだった」と語る一方、今回のイベントを通じて参加者同士の生の会話によるコミュニケーションとネットワークができればうれしいと期待を述べました。
また、イベントの詳細に関してはレノボ ジャパン合同会社 執行役員専務 河島良輔氏が説明しました。
レノボ本社は昨年から複数年契約でF1と契約しています。これは「F1はスポーツであると同時に、チームとイノベーションと競争が重要である」というIT業界と共通の目標を掲げているため。具体的には、スタッフのパソコンやワークステーション、サーバー、ネットワーク機器を供給しています。
F1開催地は中東の砂漠から、湿気の多いシンガポールなど過酷な環境。レース場ゆえに粉塵も多くPCにとって厳しい場所ですが、信頼性と耐久力に優れるThinkPadを提供することで対処しているといいます。
「今回のイベントはみんなにF1を体験してほしいと企画しました。プロが使っているシミュレーターでのタイムトライアルで上位3名はパドッククラブの招待券が当たる」と説明。パドッククラブはピットウォールの真上にあるVIP用ラウンジで、一般の民生機とは明らかに違う体験ができるとのこと。ちなみに4~10位の人にも特別なプレゼントがあります。
タイムトライアルは基本的に予約制(注:参加可能人数は760名で、うち608名が事前予約枠。原稿執筆時点で予約可能なのは1名のみでしたので当日参加は残りの当日枠とキャンセル待ちとなります)ですが、元レーシングドライバーの長屋宏和氏と対戦するイベントも用意されています。当日勝利か長屋氏の想定タイムを抜いた人には景品がもらえます。
河島さんは長屋宏和氏を他のe-sportsイベントでお見掛けした際に非常に充実した姿で、レノボが目指す姿と同じで今回起用したと説明していました。
最後にインテル株式会社 執行役員 パートナー事業本部 本部長の高橋大造氏がコメントを行いました。今回のイベントではプロが使う迫力のあるシミュレーターを使用しており、F1の凄さ・迫力が体感できると感じたそうです。
インテルはパソコンやサーバー向けに半導体を提供しており、インテルも最新の製品で人々を幸せにするというパーパスで活動を行っており、今回はテクノロジーや最新のコンピューターを使った体験を渋谷の地で行えるのはうれしく、多くの人に体験して欲しいと語っていました。
渋谷のど真ん中のサイバー秘密基地で挑戦して欲しい
今回のイベントではゲストとしてアーティストのMIYAVI氏が登場。「この渋谷のど真ん中に サイバー秘密基地のようなもの立てていいんですか?」と入った瞬間からワクワクしてほしいと語る一方、「誰もF1に呼んでくれない」とも(一方、日本グランプリ中は海外イベントで呼んでも来られないとの事)。
以前に車メーカーとコラボしたことはあり、「車からインスピレーションとパワーが貰え、F1ならばギターを持って行きたい」とも語っていました。
今回のイベントではTOP 3にVIP席が用意されていると聞いて「イベントは10時から? では10時までの間『ロックスター枠』でずっとやれないかな?」と会場を笑わせていた一方、テクノロジーの進化でドライバーの練習方法も変わるし、アーティストも聞き方の違いで音楽の作り方も変えなければならないとコメントしていました。
ZeroBase渋谷のレイアウトですが、1Fは当日参加による長屋宏和氏と対戦イベント。こちらは車いす用シミュレーターと通常シミュレーターが2台あり、最大3名での対戦になるようです。タイムアタックではないので3画面モニターにムービングシート、よりフォーミュラカーに近い寝そべる系のシートとアトラクション感が強そう。
また、かなりリキの入ったフォトスペースとF1で使用されているレノボの機材も展示されています。
2Fは5台のシミュレーターを使用してのタイムアタック。こちらは一般的なバゲットシートで、イベント向けにステアリングとブレーキは軽めに調整されており(と言っても乗用車ほど軽くはない)、ハンドルの切れ角も180度と狭めに設定されています。
ハンドルについているボタンやパドル類は一切使わないオートマ仕様(ブレーキを強く踏み続けるとバックするのでギア操作は全くいりません)となっていました。ソフトはF1なので2023 FIA Formula One World Championshipの公式ゲーム『EA SPORTS F1 23』を使用し、コースは当然ながら鈴鹿サーキットです。
この手のゲームをやったことがあるのですが……いきなりシケインをショートカットしてしまい、コースアウト。結局8分間の体験走行中コースアウトなしに走ることができませんでした。
イベント会場にはF1で提供されているであろうレノボのサーバーやパソコンの展示や表彰式を意識したフォトスポットも用意されているので、「鈴鹿には行けないけどサーキット場の雰囲気を味わってみたい」という人にはうってつけのイベントだと思います。