ユーザーの声を聞いて、エアフロ―を強化しつつ40%の省スペース製品に

デル・テクノロジーズは2023年8月8日、Alienwareブランドのデスクトップゲーミングパソコン「Alienware Aurora R16ゲーミングデスクトップ」を発表。価格は最小構成で224,980円~で同日販売を開始します。大きく変わった外見等を見てきました。

  • 新製品となるAlienware Aurora R16。一見するとフツーのMicroATXタワーパソコンですが、実はマザーボードはオリジナルです

  • 左カバーを外したところ。前面はフラットながら、横側に吸気口があるオリジナルのケースで開口率は以前のR15よりも広くなっています。また、GPUを支えるステーが2カ所あるのもポイント

  • オリジナルマザーなので24pinの電源コネクタもなし。一方、前面にM.2 slotがあるのもポイントです

  • 周辺機器との組み合わせ例。これを見ると本体サイズの小ささが際立っています

  • 右はAurora R15でデザインの関係上リアカバーがありますが、R16には専用リアカバーがありません

製品の説明を行った王鵬程氏によると、「もう少し小さくしてほしい」というユーザーの声をもとに、エアフロ―効率を上げることでさらなる静音性と冷却性を実現し、Alienwareのレジェンドデザインを踏襲しつつ、“フューチャーミニマル”の理念から合理的で最適化されたデザインを実現したとのこと。数値で言うと冷却性はCPUで最大10%、GPUが6%の温度低減を実現しつつ、騒音は20%削減。そしてサイズはなんと40%の削減となりました。

  • 製品説明を行ったCSB PGTM Gaming シニアアドバイザーの王鵬程氏

  • 今回はケースデザインをフューチャーミニマルにした「レジェンド3.0」というデザイン言語をデスクトップで初採用。小型ながら冷却性能と静音性に妥協なし

  • R15までのケースが60.7Lだったことに対し、R16のケースは36Lと大幅な省スペース化を実現

AlienwareのAuroraシリーズは以前は(AREA51シリーズがあったので)小型系のイメージがあったのですが、最近はけっこう“立派に育って”いました。そこでケースデザインを大きく変更。一見すると普通のミニタワーっぽい形ながら、随所にレジェンドデザインのイメージを残し、さらにエアフロ―を大きく強化したデザインに変更されました。このデザインはCES 2023で披露されたAlienwareノートパソコンに初めて導入されており「レジェンド3.0」というデザイン言語だそうで、今回のAurora R16で始めてデスクトップにも採用されました。

以前、コンテンツデザイン来場者も多いInter BEE 2023でのDELLブースで(配信系を想定して)PowerEdgeやPrecisionを中心に展示していたら「XPSはないのか?」と聞かれたという話がありました。デザイナーの方もAurora R16は結構興味を引くデザインだと思います(今回発表されたAurora R16はバサルトブラックのみの展開ですが、ホワイト系も欲しいところ!)。

結果として直近のR13からR15までは60.7Lだった本体はR16で36Lと大幅にスリムになっています。特に奥行きが588mmあったものが458.40mmとなっているので日本の狭い家庭事情にもマッチしています(が、小さくしてほしいという要望は日本だけでなく、海外からも寄せられていたそう)。

小さくなって熱くなったではゲームパフォーマンスの維持ができません。前面の開口度を54.5%、上部の開口度を59.6%アップすることで外気を効率的に取り入れ、さらにCPUは240mmの簡易液冷も採用。GPUはサポーター兼用の前面ファンにより空気を取り入れます。

ジサカーを中心に「第13世代Coreプロセッサを全力で冷やすには簡易液冷240mmでは不十分で360mm欲しい」という声があるので聞いてみたところ「今回のラインナップは最高でCore i9-13900Fなので240mmでも十分冷える」という回答でした(空冷モデルもあります)。

  • 一方水冷は240mm構成。さらに前面54.5%、上部59.6%と大幅に開口率をアップして冷却性能をアップ。電源も12フェーズでヒートシンク付き

もう1つイイナと思ったのが重いGPUが使用によってズレる、たわむ問題。展示されていたサンプル機を見ると、前面冷却ファンのガイドと兼用で根元を支えつつ、中間にもサポートがあり、GPUをガッチリキープしていました。これならば使用中や輸送中のストレスにも耐えてくれるでしょう。

ストレージもPCIe 4.0 M.2 SSDが本体に2つ実装でき8TB構成まで注文できるほか、3.5インチHDDベイも用意されており、拡張性は十分。多くの機器を支える電源も1000W 80PLUS Platinumが使われています。

基本構成は表を見て欲しいのですが、CPUは2種類、メモリは3種類、GPUは4種類、ストレージは5種類とかなり柔軟性のある製品構成から選べます(加えてOSもWindows 11 Home/Proの2種類)。

  • 主なスペック表。ちなみにGPUに関しては見直しを想定しているので、GeForce RTX 4060モデルも登場するかも

今回のAlienware Aurora R16の発売を記念して2つのキャンペーンが行われます。一つは購入者向けで9月4日までにオンラインサイトに掲載されているAlienwareとDELL Gゲーミングパソコンかインテル Core i5/i7/i9搭載モデルをデル オンラインサイト、電話、チャット、LINEで注文した人を対象にDELL周辺機器が50名に当たるというもの

もう1つはAlienware Japan公式アカウントをフォローし、キャンペーン投稿をリツイートするもので、こちらは50名にBE@RBRICK Alienware 100%が貰えます(締め切り8月25日)。

  • デル・テクノロジーズ株式会社CSB PGTM シニアアナリストの中川太一氏

  • 現状のゲーミングモニターラインナップ。通常のDELL Gシリーズの上位製品としてトップエンドのAlienwareブランドモニターが入る形

  • 当日紹介された、Alienware 27:AW2724。QHDでOC180Hz(165Hzネイティブ)と高解像度と高リフレッシュレートの融合が図られた製品

  • Alienware 27:AW2724HFはFHDながら360Hzのリフレッシュレートを持つ製品。発表当時は最高リフレッシュレートながら現在は追従性品もあるので、次を期待

  • DELL GシリーズはAlienwareほどではないものの、十二分なスペックを持つゲーミング向けの製品です

あまり知名度がないと思いますが、ゲーミング周辺機器もヘッドセット、マウス、キーボードをかなり幅広いラインナップで展開しています。ハイエンド製品はBluetooth、独自2.4Ghz、有線のTri-Modeに対応しており、「OEMではなく、独自開発している製品」との事でした。

  • 周辺機器を紹介したのはデル・テクノロジーズ株式会社 CSB PGTM DnCP コンサルタントの藤中正次氏

  • 意外と言えるほどAlienware周辺機器は充実。最上位のTri-Modeとは独自2.4Ghz、Bluetooth、有線と3種類の接続モードを備えています。なお、独自2.4Ghzは独自ドングルでヘッドセット、マウス、キーボードと使う場合はパソコンに3つドングルを刺すことになります

当日はゲーミング市場とパソコン本体以外の説明もあり、2021年に日本のゲーム人口は5500万人を突破。うちPCゲームユーザーは1600万人規模ながら前年比20%と高い伸びを見せています。

さらに日本国内ゲーム市場は2020年に2兆円を突破し、ゲーム層もPC/PS4/Switch共に40/50歳台まで幅広くプレイ。さらにeスポーツの認知が高まっているなか、日本で世界的なeスポーツ大会が多く開催。さらにこれまでゲームに否定的な印象のある自治体や地方団体がeスポーツの脳トレ効果に着目した取り組みをしており、アジア大会でもeスポーツが正式競技になっていることが説明されました。

また、デスクトップゲーミングパソコンに欠かせないゲーミングモニターはAlienwareブランドとDELL Gシリーズそれぞれ2製品の4製品構成。ラインナップとしてはAlienwareブランドの方がハイエンドとなっており、27インチで360HzリフレッシュレートのFHD製品と180HzのQHD製品が現在ラインナップされています(360Hz製品は他社からも登場しているのでその次が待たれるところ)。

  • Alienware Aurora R16発売のキャンペーン。DELLのゲーミングパソコンとIntel Core i5/7/9使用パソコンを購入すると抽選でゲーミングペリフェラルが当たります

  • AlienwareのTwitter(現X)のフォロー&リツイートでBE@RRICK Alienware 100%が抽選で当たります

  • 今回のキャンペーンで当たるのは左側の方で、右のベアーではありません

  • 説明会であいさつを行ったデル・テクノロジーズ株式会社CSB PGTM Gaming シニアマネージャーの稲村陽氏

  • デル・テクノロジーズ株式会社 CSB PGTM Gaming シニアアドバイザーの梶田和宏氏

  • 日本のゲーマー人口は5535万人。うち、PCゲームユーザーは1601万人ながら、前年比の伸びは20%とかなりの勢いです