衣服の黒ずみ、黄ばみ、シミなどの厄介な汚れをサッと落とせる、ペンシル型の小型家電があります。シャープの「超音波ウォッシャー」は、超音波の力を使って「なぞる」だけで洗濯物の汚れを落とせる便利な製品。2016年の発売以来、我が家ではずっと愛用しています。
ゴシゴシとこする必要がなく、軽い力でみるみる汚れが落ち、洗濯機で洗う前の予洗い用にぴったり。新モデルのUW-X1が登場したので、さっそく使ってみました。
真空の泡で汚れを落とす小型の部分洗いアイテム
超音波ウォッシャーは、金属パーツの「ホーン」を先端に配置しています。ホーンの先を水に浸した衣類に当てると、毎秒約38,000回の超音波振動によって、水を含んだ繊維のすき間に真空の泡を発生させます。この泡が弾けるときに汚れを落とす仕組みです。
本体サイズはおよそ幅40×奥行き40×高さ168mm、重さ約206g。新モデルでは充電台が付属し、置くだけで充電できるようになりました。旧モデルはACアダプターを裏側に挿して充電していましたが、その必要はありません。立てて充電しておけるので、充電中の設置スペースもコンパクトです。
すぐ黒くなる制服のワイシャツ、襟や袖口も真っ白に
我が家で5年以上愛用しているのは旧モデルのUW-A1です。出番が多いのは、息子の制服。白いワイシャツを着ているのですが、1日着るだけで首回りや袖口が黒ずみます。
新モデルのUW-X1、本体サイズや使い方は旧モデルとほぼ同じです。まずは充電。旧モデルは裏側に充電用のポートがありますが、新モデルは充電台に置いて充電できるため、充電ポートがなくなりました。充電台にセットしてフル充電まで約5時間。使用可能時間は約15分です。
UW-X1の使い方は、洗面器や洗面台のシンクに衣類が軽く浸(ひた)るくらいの水を張り、衣類の汚れた部分を濡らします。我が家は洗濯機の横に洗面台があるため、シンクの排水栓を閉めて水を溜め、そこで超音波ウォッシャーを使っています。UW-X1でシャツの襟元や袖口を白くしてから洗濯です。
UW-X1のキャップを外して電源を入れます。電源ランプは青点灯が十分なバッテリー状態、青点滅はあと5分間ほど使用可能、オレンジ点滅は充電不足で使えない状態です。電源ランプを見ると充電の状態が一目でわかるのも便利です。
洗浄する部分を平らにのばし、ホーンの先が1mm~2mmほど浸かる位置でゆっくりなぞると「ジジジ……」「シュー」っという音が聞こえてきます。ホーンは熱くなるのでカバーがついていますが、先端が少し出ている部分に触れないように。その昔、うっかり手に当ててしまったことがあるのですが、軽い火傷になってしまいました。特に小さなお子さんがいるご家庭は注意してください。
洗面台は一定の深さではないため、衣類を動かしながら、ちょうどいい浸かり具合に調整しながら洗浄。ホーンは約1.5cm以上水に浸けてしまうと故障の原因にもなることから、浸けすぎないようにします。
新モデルのUW-X1では、ホーンの素材が改良されました。腐食を防ぐ強化アルマイト加工を施しており、従来のUW-A2と比較して厚くなっています。そのため、酸素系の衣料用液体漂白剤や液体洗剤を溶かした水を使った予洗いも可能になりました。これまで落ちにくかった黄ばみや口紅の汚れなども落としやすくなっています。
かなりガンコな黒ずみも、洗剤を少したらしてから使うだけでも、十分に汚れが落ちました。
新モデルのUW-X1は汚れ落ちが早くなるということでしたが、体感的にも少しだけ短時間でできる感じでした。劇的に早くなった――という感覚はありません。
衣替えで出してきた衣類の厄介な黄ばみもすっきり
昨年(2022年)の夏に着ていたお気に入りのシャツを出したところ、襟元が黄ばんでいました……。お出かけに着ていくのは躊躇するような薄汚れた印象です。こんな経験はありませんか?
白いシャツであれば漂白剤で洗うことも可能ですが、このような柄物は漂白したくありません。こんなときにもUW-X1は便利。衣類に洗剤をつけて軽くなぞったところ、黄ばみがとれてすっきりキレイになりました。
一年ぶりに引っ張り出した衣類ではこういった黄ばみはあるあるですが、なかなかとれませんよね。でも、UW-X1があればカンタンに落とせるのです。
スカートについた化粧品のシミも洗剤アリですぐとれた
ポリエステルのスカートに、いつの間にか化粧品のシミが……。まったく覚えがないのですが、とても目立ちます。洗濯機で洗ってみましたが、まったく落ちません。
そこで、部分的にUW-X1で洗ってみることに。水だけではUW-X1でも落ちませんでしたが、液体洗剤をたらしてからもう一度試したところ、みるみるキレイになりました。20秒ほどなぞったところ、どこにシミがあったのかわからないほど、汚れは落ちています。
今回はポリエステルということで木綿などの生地よりも落ちやすかったのかもしれませんが、これだけキレイに汚れが落ちるのであれば、いざというときに安心感があります。
力を入れずに汚れが落ちる安心感
前モデルの超音波ウォッシャーを使う前までは、洗濯前に衣類の汚れた部分ゴシゴシと手でこするか、洗濯用のブラシで予洗いをしていたものです。制服で白いシャツを着る中学生や高校生、野球やサッカーといったスポーツをしている子どもがいると、衣類の黄ばみや黒ずみで悩むことが多いのですが、超音波ウォッシャーがあると短時間で予洗いが終わるようになり、気が楽になりました。
こすると衣類の痛みも気になりますが、UW-X1なら軽くなぞるだけなので、そういった心配もありません。また、なかなか洗濯できないようなシルクなどの生地でも、部分的に対処できるのは魅力的です。
我が家ではおもに衣類で使っていますが、UW-X1は帽子やスニーカー、バッグといった小物の汚れ落としにも使えます。シミや汚れがついた部分だけを水に浸けて(または直接濡らして)、サッと洗えるのはうれしいですね。食べこぼしなどもキレイに落ちるため、特に小さなお子さんがいるご家庭でも重宝すると思います。
今回の新モデル(UW-X1)を使ってみて、一番感動したのは充電台に載せてすぐに充電できることでした。洗面台の棚に立てておいてもジャマにならず、すぐに使えます。少し残念なのは満充電でも15分間しか使えないこと。基本的には部分的な汚れをサッと落とす目的のアイテムなのかもしれませんが、我が家のようにあれもこれも週末にまとめてキレイにしておきたいという使い方には15分では足りません。男子高校生が着た汚れが激しいシャツ一枚(首元と袖口)を落とすのに、3分ほどかかっています。家族のぶんもついでにキレイにしたいのです。次期モデルでは、もう少しバッテリーが長持ちするようになることを期待します。
UW-X1の実勢価格は20,000円前後(2023年8月上旬時点)とやや高価ですが、我が家のように制服シャツの黒ずみなどでお悩みの親御さんには自信を持っておすすめできます。