30代より上の世代の方は、ポップなクリアカラーのデジタル製品や文房具などが1990年代以降に多数登場し、人気を集めていたことを覚えているかもしれない。そんな“スケルトンブーム”が近ごろ再燃しているようで、ファミリーマートもその流れに参入。3つのクリアカラーを採用したUSB急速充電器を、数量限定で売り出した

  • コンビニエンスウェアのデザイナー・落合宏理氏がデザイン監修した「PD20W コンセント充電器」を入手した

USB PD(Power Delivery)対応で最大20W出力、指でつまめるサイズの急速充電器に、同系統の色でそろえたUSB-C - Lightningケーブルをあわせたセットで、価格は3,980円。クリアブラック、クリアグリーン、クリアオレンジの3色を用意し、全国のファミリーマート約16,500店にて数量限定で販売中だ。実物を偶然店頭で見かけたので、ものは試しとゲットしてみた。

  • クリアオレンジ、クリアブラック、クリアグリーンの3色展開

デザイナー落合宏理監修、ファミマ新モバイルアクセサリー

コンビニでモバイルバッテリーや充電器、イヤホンが売っているのは今や当たり前の風景になったが、「こんな遊びゴコロあふれる製品がなぜ、ファミマから出ているのか?」と疑問に思われる人もいるかもしれない。

実は、ファミリーマートが取り扱うモバイルアクセサリーのパッケージデザインは、コンビニエンスウェアのデザイナー落合宏理氏監修のもとで2022年11月から一新。iPhone用はネイビー、Android用はオレンジ、マルチ/充電器本体はイエロー、イヤホンはシルバーといったように、パッケージのカラーリングを統一して「分かりやすさとデザイン性を両立した買いやすい売場」に刷新し、同時に限定カラーの「クリアライム」Lightningケーブルも発売していた。そういった流れで今回、新たにUSB急速充電器+充電ケーブルのセットが3色展開で登場したというわけだ。

  • パッケージを一新した、ファミマのモバイルアクセサリー

前述の通り、このセットは全国のファミマ約16,500店にて数量限定で販売しているが、在庫の総数は明らかにしていない。ファミマの国内店舗数は2023年5月31日時点で16,491となっており、6月27日の発売日以降、ほぼ全店舗で取り扱っていたことになる。流通の関係で多少前後したかもしれないが、見つけられた人はラッキーというべきだろうか。なお筆者が発売日以降、折を見て最寄りのファミマ数店舗を回った末にようやくこの製品を見つけたとき、残りはオレンジとブラックが1個ずつという状態だった。

実機をチェック、クリアオレンジはルビーグレープフルーツっぽい

前置きが長くなったが、実物をさっそく見ていこう。

パッケージは前出のファミマ独自デザインを踏襲し、プラスチック製のブリスターパックと紙製の台紙を組み合わせたもの。オモテに仕様が大きく書いてあり、これがどういう製品であるかは分かりやすい反面、オシャレ感は薄い。遊びゴコロあふれる製品デザインが目に付きにくい気もする。

  • クリアオレンジの実機パッケージ。筆者はいくつか店を回ったが、店頭でこのクリアカラー充電器が売られていることに気付けなかった

筆者はトランスルーセントなオレンジカラー(タンジェリン)の「iMac G3」に憧れていたこともあって半透明のオレンジが好きなので、今回購入したのもクリアオレンジ。コンビニ製品で3,980円というと決して買いやすいとはいえないのだが、一般的な20W出力のUSB PD充電器や、カラバリ豊富なUSB-Cケーブルはそれぞれ1,500〜1,800円程度で販売されているので、組み合わせればだいたいこんなものだろう。

開封してみると中身はシンプルで、充電器本体とケーブルのみ入っている。色はやや赤みが強く、果物でいうと、オレンジというよりはルビーグレープフルーツに近い印象。写真写りの関係でオレンジっぽさが前面に出ているが、個人的にはもう少し明るいクリアオレンジだとうれしかった。

  • 開封したところ。色味は果物でいうと、オレンジというよりはルビーグレープフルーツに近い印象

充電器の本体サイズは30×33×31mm(幅×奥行き×高さ)、重さは約37g。プラグ刃は90度回転する折りたたみ式で、持ち運びやすくてうれしい。製造は、モバイルバッテリーなど充電アクセサリーをはじめ、キャラものイヤホンなども多数製造している多摩電子工業。電気用品安全法で定められた安全規格を満たしていることを証明する「PSEマーク」も、もちろんちゃんとついている。

  • 充電器のプラグ刃は折りたたみ可能。製品仕様が細かく書かれていて、PSEマークももちろん(左上に)ある

  • プラグ刃を開いたところ

適合するiPhoneはiPhone 6シリーズ以降iPhone 14シリーズまでをカバーしており、第7世代iPod touchにも対応。詳細はパッケージの裏面に記載されており、台紙を外すと中に簡易な取扱説明書がある。

  • パッケージ背面

iPhone SEで充電テスト。定番化&多色展開に期待

最後に充電テストもしてみた。

メーカー調べでは、iPhone 14を電源オフの状態で0%から充電した場合、約30分で57%までチャージできるとアピールしている。かつてのiPhoneに付属していたPD非対応の5W出力充電器とくらべると、実に半分の時間で充電完了するわけで、「タイムパフォーマンスにも優れている」とのこと。

  • iPhone SE(第2世代)で充電テスト

筆者の手元にはiPhone 14シリーズがないので、今回はiPhone SE(第2世代)でチェック。バッテリーが残り20%の状態から充電してみたところ、10分で37%まで回復できた。iPhone内蔵バッテリーの状態やiOSの制御にもよるが、単純計算では1分あたり1.7%ほど充電される計算だ。もし朝起きたときにバッテリーが残り20%前後しかなくても、身支度を整えて家を出るまでの40分程度つないでおけば、ほぼフル充電で心配なく出かけられることだろう。

なお、詳細仕様はパッケージ側面に書いてあり、それによると充電器の出力は5V/3A、9V/2.22A、12V/1.67Aの最大20W対応。付属ケーブルの定格は20V/3Aとなっている。

  • バッテリーが残り20%の状態から充電開始

  • 10分で37%までチャージできた

古いiPhoneに付属していた、USB Standard-Aの白い小型充電器を使い続けている人は意外とまだまだいるのだが、急速充電器はチャージにかかる時間がとても速くて使い勝手も良いので、ぜひオススメしたい。そして「他とはちょっと違うユニークなモノがほしい」という人には、この充電器がピッタリ。淡いグリーンやパープルといった昨今のトレンドカラーも加わると、より人気が出そうな気もする。さまざまなネットニュースで取り上げられて注目を集めたこの一品、ぜひ“ファミマならではの定番製品”として定着することを願いたい。