今回は、ジョーシン浦和美園イオンモール店に、パソコンの売れ筋について取材しました。パソコン売り場は、コロナ禍による巣ごもり需要やリモートワーク需要が落ち着いた状況ながら、売れ筋はコロナ以前とは明確に変わっているといいます。

デジタル機器を担当するスタッフの神田歩樹氏は「求められるスペックがコロナ禍で高まったまま、現在もキープされている印象です。コロナ禍で浸透したオンライン授業やオンライン会議も定着しましたし、自宅用でもそれなりの性能がほしいという人が増えているのでしょう。ゲーム需要の高まりも関係していると思います」と考察していました。

  • ジョーシン浦和美園イオンモール店のパソコン売り場。神田歩樹氏に案内してもらった

加えて、売れ筋のパソコンの形状も変化しているとか。「モバイル型が全体の半数近くを占めるようになりました。自宅用でも家のなかで持ち運んだりしまったりしやすいですし、モニターやキーボードをつないで環境を拡張することもできますから」

そうしたトレンドを踏まえて、同店における直近の売れ筋を追いかけていきましょう。

<パソコン売り場の3トレンド>

  • 基本スペックはCore i5以上&メモリー16GBが人気。重量は1kg台前半以下の軽量タイプがトレンド。
  • 価格は20万円台半ばが主流ながら、Surfaceシリーズで価格を抑える人も多い。
  • 自宅用に液晶モニターやキーボード、マウスを追加するスタンスも一般化している。

※本文と写真で掲載している価格は、2023年6月6日15:00時点のもの。日々変動しているので、参考程度に見てください。

第1位:850g以下で14型画面の「FMV LIFEBOOK UH」

一番人気となっていたのは、富士通の14.0型モバイルノート「FMV LIFEBOOK UH93/H1」でした。Core i7と16GBメモリーを搭載する「UH90/H1」をベースに、SSDを512GBから1TBに容量アップしたジョーシンオリジナルモデルとなります。価格は258,800円でした。

「モバイルとしては大きめの14.0型液晶を搭載しながら約848gの軽さを実現しているところが喜ばれています。授業で持ち運ぶ学生さんのほか、一般のご家庭向けとして選ばれることも多くあります。LIFEBOOKシリーズはインターフェースの数が充実しているので、そこを好まれている方もいますね」

  • 富士通「FMV LIFEBOOK UH93/H1」

同率2位:数式や設計図が直接書き込める2in1の「dynabook V6」

続く人気モデルのひとつに挙げられたのは、Dynabookの13.3型2in1ノート「dynabook V6/V」でした。Core i5と16GBメモリー、512GB SSDを搭載し、重量は約979gとなります。取材時の価格のは228,800円でした。

「昨年冬のモデルになりますが、直接数式を書いたり設計図をチェックしたりするための2in1ノートを探している人に人気があります。工業系の学生さんやお仕事の現場に持ち込みたい人の御用達シリーズといえますね」

  • Dynabook「dynabook V6/V」

  • タブレットモードに切り替えるところ

同率2位:初めてのパソコンによく選ばれる「LAVIE NEXTREME Carbon XC550」

同率2位は、NECの14.0型モバイルノート「LAVIE NEXTREME Carbon XC550/FA」でした。Core i5と16GBメモリー、512GB SSDを搭載し、重量は約879g。取材時の価格は239,800円でした。

「14.0型の大画面とNECのサポートの手厚さから、最初のパソコンに選ばれることが多いモデルです。比較的ライトな使い方を想定されている方でも、今は数十人参加のオンラインチャットなどの機会も多く、これくらいのスペックはほしいと言われることが多くありますね」

  • NEC「LAVIE NEXTREME Carbon XC550/FA」

第4位:ライトユースの定番モデル「Surface Laptop 5」

4位と5位には、MicrosoftのSurfaceファミリーがランクインしました。価格やスペックの幅は一段広がります。

4位に挙げられたのは、13.5型モバイルノート「Surface Laptop 5」。なかでも、Core i5と8GBメモリー、256GB SSDを搭載した「QZ1-00020」がよく選ばれているそうです。重量は1,272gで、価格は151,580円でした。

「Surfaceはビジネスユースから人気が広がりましたが、普段使いで選ばれることも増えてきましたね。スペックをある程度割り切ったライトユースで、コンパクトさを求めたい人に売れています」

  • Microsoft「Surface Laptop 5」

第5位:ライトユースな2in1で選ばれる「Surface Pro 9」

5位は、13型の2in1ノート「Surface Pro 9」となります。こちらもCore i5と8GBメモリー、256GB SSDを採用した「QEZ-00045」が一番人気とのことです。重量は約879gで、価格は174,680円でした。

「2in1で使えるほか、タブレットとして持ち歩けるメリットもあります。スペックはそこまでいらないけれど、軽さやコンパクトさを追求したいという方に広く選ばれています」

  • Microsoft「Surface Pro 9」

はみ出し情報・・・デスクトップ需要もじわり復活

同店のパソコン売り場では、デスクトップ型の売れ行きも全体の2割近くあるといいます。ゲーミングパソコンが堅調なうえ、中高年の人にはテレビチューナー付きの画面一体型モデルの人気も根強くあるそうです。

「10年近く前に一体型を買われた方が買い替えるモデルを探されることが多く、主流とはいえないまでも堅実に売れていますね。そこまで場所を取らないうえに画面が大きい、というのが強みですね」

このジャンルの売れ筋に挙げられたのは、NECの27型モデル「LAVIE A2798/DAB-J」と、富士通の27型モデル「ESPRIMO FH93/F3」とのことです。取材時の価格は24万9800円と25万3800円でした。

  • NEC「LAVIE A2798/DAB-J」

  • 富士通「ESPRIMO FH93/F3」