Shokzブランドの製品を取り扱うフォーカルポイントが、骨伝導ヘッドセットの新製品「OpenComm 2 UC」を、ネットワーク技術イベント「Interop Tokyo 2023」の中で参考出展していました。2023年秋発売予定で、価格は27,880円となる見込みです。
千葉・幕張メッセで開幕した「Interop Tokyo 2023」(会期:6月14日~16日)において、Shokzとフォーカルポイントはホール5「Interop Pavilion」内に合同ブースを構えていました(ブース番号:5U10)。
今回は、耳をふさがないオープンイヤーデザインでブームマイクも付いている骨伝導ワイヤレスヘッドセット「OpenComm」シリーズを中心に、オフィス内や外回り、現場作業といったビジネスシーンでの骨伝導ヘッドセット活用を訴求。Windows/macOSを搭載したPCと組み合わせて使うことを想定した「OpenComm UC」の改良版となる、新機種「OpenComm 2 UC」も参考出展しており、実機に触れて試すことができました。ちなみに、現行のOpenComm UCは新製品の発売後も、販売を継続するそうです。
OpenComm 2 UCでは、ブームマイクとマルチファンクションボタンの左右の位置が現行機と入れ替わり、見た目が少し変化しました。これまで左側にあったブームマイクが2では右側に、従来右側にあったマルチファンクションボタンは左側に配置。右側に音量調節ボタンとマイクを集約したことで、右利きであれば片手で基本的な操作を完結できるようになっています。
さらにOpenComm 2 UCでは、マイクミュートの物理ボタンを先端部に装備し、オンライン会議ツールの画面上ではなく、ハードウェア上でミュート操作が行えるようになりました。ほかにも、オンライン会議ツール「Zoom」の認証を受けた“Zoom Certified”デバイスにもなっているとのこと。具体的な仕様は明らかにしていませんが、Zoomと組み合わせて使うときの親和性が高まっていることが予想されます。
担当者によると、現行機のユーザーからは「Zoomなどオンライン会議ツールとの親和性を上げてほしい」といった声のほか、「会議中のミュート操作をしやすくしてほしい」というリクエストが多数寄せられていたことから、新機種でさっそく対応したとのこと。既存のOpenComm UCにはミュートボタンがなく、オンライン会議ツールの画面上でミュートボタンを操作する必要があったのですが、それを手元のヘッドセットのみで行えるようにしたかたちです。
ほかにも細かい変更点として、2は新たに、Windows/macOS用ソフト「Shokz Connect」によるヘッドセット本体のファームウェアアップデートに対応。ワイヤレス通信が行える範囲は、従来の10mから30mに伸びています。なお、現行機はNFC対応ですが、2はNFC非対応になります。
それ以外の主な仕様は現行機と共通。クリアな中高域で音声を聞き取れるよう独自の骨伝導技術「PremiumPitch 2.0」を採用し、高品質な通話のための通話用ノイズキャンセリング技術も搭載。ブームマイクは可動式で、使わないときは折りたためます。柔軟性のあるフレキシブルなフレームで、長時間装着時の負担を軽減します。本体はIP55の防塵防水仕様。
ヘッドセット本体と、ペアリング済みのUSBドングル「Loop 110」はいずれもBluetooth 5.1準拠で、マルチポイント接続にも対応。PCやスマートフォンなど2台の機器に同時接続して、使うデバイスを簡単に切り替えられます。USBドングルは、ユーザーの環境に合わせてUSB Standard-AとUSB Type-Cのいずれかを選べるようにしました。
内蔵バッテリーで最大16時間通話でき、約5分の充電で最大2時間使える急速充電にも対応。マグネット式の充電ポートを搭載し、付属のケーブルで充電します。重さは34gで、現行機より1g重くなっています。
コロナ禍で広がった在宅勤務とオンライン会議への移行を背景に、Shokzブランドの知名度と骨伝導イヤホンの需要は急激に伸びた印象があります。現在はコロナ禍からの正常化の流れで、ひと頃よりも在宅勤務/オンライン会議のニーズが落ち着いてきたように見受けられますが、Shokzは高い知名度と“耳をふさがない”ことの利便性を活かした製品展開を継続。直近では、新しいオープンイヤー型完全ワイヤレスイヤホン「OpenFit」のクラウドファンディングを成功させ、最終的な支援総額が約2.5億円を超える注目プロジェクトとなりました。
Shokz/フォーカルポイントブースの担当者によると、今後はビジネス分野にも切り込んでShokzブランドのシェアを拡大させることを目指しており、「ビジネスにもShokzが最適」というイメージを打ち出していきたいとのこと。Interop Tokyoという、一見オーディオ製品とは異なるカテゴリーの大規模展示会への出展の意図は、こういうところにあったようです。