給湯器メーカーのノーリツは、ビルトイン式ガスコンロとレンジフードの新製品を8月1日に発売します。このうちガスコンロは、調理中に鍋底やフライパン底の温度が表示される業界初という新機能を搭載しました。

メディア向けの説明会では、ガスビルトインコンロ「Orche(オルシェ)」、レンジフード「easia(イージア)」、各機器と連携するスマートフォン用アプリ「つなぐレシピ」を紹介。加えて、毎日の調理をもっと楽しくする啓発活動「毎日の調理をもっと楽しくプロジェクト」の開始を宣言しました。

  • 発表会には、「日本一調理を楽しんでいる夫婦」として辻希美さんと杉浦太陽さんも登場。記念のエプロンを着用し、オルシェを使って調理実演をしました

ガスコンロのオルシェは、調理中の現在温度を確認できる独自の「温度クック機能」を備えたビルトイン式のガスコンロです。希望小売価格は、天板サイズ75cmが280,390円~290,070円、天板サイズ60cmが274,340円~284,020円。細部のカラーはシルバーミラーとブラックバールの2種類です。それぞれ、「ステンレスごとく」タイプと「ブラックホーローごとく」タイプを用意しています。

  • ガラス面の段差を抑えたデザイン。水だけで汚れを浮かせる「親水アクアコート」を施しました

料理が得意でなくても温度のコントロールが上手に

オルシェの大きな特徴は、調理中の温度を見える化する「温度クック機能」です。経験と勘に頼っていた火加減の調節に迷いがなくなり、上手な仕上がりを強力にサポートしてくれます。

従来のガスコンロでも、あらかじめ「180℃」「200℃」といった温度設定して調理する機能は搭載していましたが、オルシェは調理をしながら温度変化を確認できることがポイント。好みの温度で設定をして、その後も温度をキープできるところが違います。

  • 鍋底の温度を見える化し、火加減を安定させられます。温度を精度よく計測するセンサーやその周辺の開発に苦労したんだとか

例えば、ステーキを焼くときを考えてみましょう。200℃に設定したとしても、肉のサイズや厚み、焼き加減の好みなどによって調理に最適な温度は変わりますよね。オルシェのは調理中に温度が上がっていく様子をリアルタイムで確認できるため、温度の上がり具合を見つつ材料を準備したり、目的の焼き温度をキープしたりと、焼きすぎの失敗を減らせそう。火力は自動調整なのでコンロにお任せで大丈夫です。

いろいろな料理のレシピでは、「フライパンの上でバターをふつふつと泡立たせながら肉を入れる」「とろ火で煮込む」というように、感覚的な表現がたくさんあります。何度か作るうちに「これくらいのタイミングで食材を入れればいいんだな」と分かってきますが、温度の変化を見られるオルシェなら「この料理は140℃で20分キープしよう」といったように、自分なりのアレンジや研究にも重宝します。

  • 点火後の「モード」を押すと、調理中の鍋底温度を表示。キープしたい温度で「温度キープ」ボタンを押します

個人的には、特に揚げ物の失敗が減って上手に仕上げられそうと感じました。揚げ物をする場合、食材を入れると油の温度が下がります。一般的なガスコンロだと、温度が下がったあと勘で火力を調整すると、高温になりすぎて焦げてしまったり、低温すぎてベチャベチャになってしまったり……。揚げ物用の温度計を用意している人もいるでしょう。

これがオルシェだと、どこまで油の温度が下がったのかを確認できるうえ、勝手に火力を調節して目当ての温度まで上げてくれます。温度確認と火力調節をオルシェに任せられるので、いつも安定した美味しさに仕上げられるはず。

ちなみに「温度キープ」とはいっても、ずっと加熱を続けているため、食材の量や加熱時間によって温度に揺らぎは出るとのこと。だいたい、±20℃の範囲で変化しているそうです。

ホットケーキを焼いてみたら

温度クック機能と合わせて、裏返しのタイミングを音声で知らせる「焼サポート機能」、温度キープとタイマー機能を併用すると、複数品の同時調理や別の家事をしながらの調理もラクになります。

  • ホットケーキを焼くのはマイナビニュース +Digitalの林編集長。なかなかスムーズな手つきでした

  • キレイな焼き色のホットケーキ!

今回、実際にホットケーキを焼いてみました。ホットケーキを上手に焼くポイントは火加減。強すぎると焦げますし、弱すぎるといい感じの色になりません。温度クック機能を使うと、ちょうど良い火加減をオルシェが自動調節してくれるので、キレイや焼き目の美味しそうなホットケーキも簡単です。

具体的な操作は、フライパンを温めて火をかけながら「温度キープ」ボタンを押します。ホットケーキの生地を入れるとフライパンの温度が下がり、すかさずパッと火が大きくなって自動で火力を調節していました。

新開発した「スマートエコバーナー」

ホットケーキの焼き色がムラなくできたのは、温度クック機能のほかにも「スマートエコバーナー」による炎の出方も関係しています。

新しく開発された「スマートエコバーナー」は、従来と比べてもバーナー径を小さくし、バーナー部分に放射状の切り込みを入れています。こうすることで、炎が旋回するように出て、鍋にあたる距離が長くなります。鍋全体が温まり、焼きムラができにくくなるというわけ。

  • 従来のバーナー(左)と、新開発のバーナー(右)。新しいバーナーは径が小さくなっています

  • バーナーが小さくなったことで、炎が鍋からあふれにくくなりました。これは着衣着火のリスクを減らす効果もあります

  • 従来のバーナー(左)と、新開発のバーナー(右)。切り込みの違いも分かりますね

  • 「スマートエコバーナー」では、炎と鍋が接する部分が長くなります

  • 熱効率が高まり、省エネ性もアップ。バーナーの径が小さくなったことで、コンロ上面でバーナーとバーナーの間が広がって使い勝手もよくなりました

ほかにも、ノーリツのガスコンロ「PROGRE(プログレ)」シリーズにも搭載している「ごはん早炊きモード」を搭載。1合を約20分で炊き上げるので、お弁当の準備やパッと食事の支度をしたいときに便利です。

  • グリル部には、新しいグリル容器「ロティプレート」を用意。今までよりもサイズが大きくなり、サンマも頭を落とさず丸ごと焼けます

レンジフードとコンロをアプリで操作

同じく新製品のレンジフード「easia(イージア)」は、幅60cm・75cm・90cmの3タイプを用意。希望小売価格は257,950円~283,360円です。なんとこのイージア、「10年間ファンのお手入れが不要」なんですって。

  • 「イージア」はレンジフードの最上位モデル

ノーリツはこれまでも、フィルターレスでお手入れしやすい「クララ」シリーズを発売していました。ただしファンの掃除は必要です。

一般的に、キッチンの換気扇は板状の羽根が複数あって、洗うのがけっこう大変。ノーリツはストレスフリーなレンジフードを目指し、「サイレント・クリーンフィルター」を開発しました。ダストフィルター、オイルフィルター、オイルトレーという3層構造になっていて、ファン部分へ油などが侵入しないようにして汚れにくくしています。

ファンの代わり3層フィルターを洗わなくてはいけないんじゃ……と思ったのですが、フィルターにはフッ素コーティングを施しており、凹凸が少ない形状。日ごろのお手入れは、フライパン感覚で洗えばOKです。食洗機にも対応いるため、食洗機のあるキッチンならさらにお手入れはラク。なお、サイレント・クリーンフィルターのお手入れ目安は3カ月に1回です。

  • 黒い部分が「サイレント・クリーンフィルター」

  • 左から、ダストフィルター、オイルフィルター、オイルトレー。この3層によって、ホコリや油がファンに入り込むのを防ぎます

  • 油やホコリを約93%ブロック

オルシェとイージアは、ノーリツのスマホ用アプリ「つなぐレシピ」(Android・iOS)にも対応します。オルシェとはBluetoothでつながり、コンロの状態を確認できます。一方のイージアは、外部からでも換気運転や照明のオンオフといった遠隔操作が可能です。

つなぐレシピはこのほか、献立の検索や、作った料理を記録する「レシピノート」機能を備えています。なお、2023年8月の時点では、アプリ連動対応はオルシェとイージアのみとなる見込みです。

  • アプリレンジフードの操作が可能

  • レンジフードは外出先からも操作できます

  • コンロの火加減をアプリで確認

  • レシピ検索なども

「毎日の調理をもっと楽しくプロジェクト」を推進

ノーリツがオルシェとイージアを開発した背景には、自宅調理の需要が急増していることや、調理初心者の調理機会が増えているという近年の傾向があります。

合わせて、ノーリツは複数の企業と連携した「毎日の調理をもっと楽しくプロジェクト」をスタート。温度調理文化の拡大に向けたレシピ開発、料理教室の開催、調理を楽しむための商品・サービス開発、プロモーション連携、賛同企業からの「毎日の調理をもっと楽しくプロジェクトへの賛同宣言」といった取り組みを進めます。

筆者の父親が退職して料理を始めたばかりのころは、火加減を調整せず「強火」だけで何度も失敗していたもの(いまはちゃんと覚えて料理を楽しんでいます)。その時代にオルシェがあったら、もっと早く達成感を味わえたかもしれません。料理は思い通りに仕上げられると楽しいですよね。料理の初心者にも優しいオルシェなら、これから料理をがんばってみよう!という人も楽しく取りかかれそうです。

  • ビタクラフトジャパン、フードビズネット、ワイ・ヨットが「毎日の調理をもっと楽しくプロジェクト」に賛同します