アドビは4月18日、同社の公式ブログ「Adobe Blog」において、ジェネレーティブAI「Adobe Firefly」に関して、動画編集でのユースケースを公開。加えて、2023年後半にビデオ製品向けの「新たなジェネレーティブ(生成)AI機能」の導入を開始すると発表した。

  • Adobe Premiere Pro「Adobe Firefly」(開発中の画面)(Adobe Blogより)

Adobe Fireflyは、画像生成機能およびテキストエフェクトを中心とした、商業利用に特化したジェネレーティブAIモデル。現在はベータ版として提供しており、画像やテキストエフェクトの生成が行える。将来的に、PhotoshopやIllustratorなどアプリケーションに統合する計画も発表している。

アドビは2023年後半、ビデオ、オーディオ、アニメーション、モーショングラフィックスデザイン向けに、「新たなジェネレーティブAI機能」の搭載を計画していると明かした。これが既存製品への機能追加なのか、Adobe Fireflyベータ版への機能追加なのかは明らかにされていない。

現在検討しているビデオ編集での生成AIのユースケースとして、「テキストによるカラー調整」がある。収録済み動画の配色や時間帯、季節を変更したり、特定のトーンや感触を想起させるように瞬時にムードや設定を変えたりすることが可能で、「このシーンを暖かく、心地よい雰囲気に」といった簡単なプロンプトで、イメージしたものがすぐに完成形になるという。

また、 仮トラックと本トラックの両方で、特定の感情やシーンを反映したロイヤルティフリーのカスタムサウンドや音楽を簡単に生成できるほか、簡単な文章を入力するとほんの数分で字幕、ロゴ、タイトルカードが生成され、カスタムアニメーションを追加することも可能だとしている。

そのほか、脚本テキストをAIで解析し、ストーリーボードやプリビジュアライゼーションを自動生成するほか、ラフカットやファイナルカット用のBロールクリップを提案するなど、プリプロダクション、プロダクション、ポストプロダクションのワークフローを効率化できるという。さらに、Adobe Fireflyによってパーソナライズ生成された「ハウツーガイド」により、ユーザーは新しいスキルを習得し、最初のビジョンから制作、編集までの過程をスピードアップできるとしている。

 

ビデオ製品にAdobe Fireflyが統合された未来(紹介動画)