今回は、PCパーツや周辺機器を扱う秋葉原のパソコンショップアークを訪ね、ゲーミングマウスの売れ筋を尋ねました。

ゲーミングマウスは、多彩なボタンを搭載したタイプや、RGB LEDをふんだんに盛り込んだド派手なモデルなどさまざまありますが、最近は機動性に優れた軽量なワイヤレスタイプに人気が集まっているそうです。

スタッフの磯田尚輝氏は「軽くてFPS(一人称視点のシューティングゲーム)などで操作しやすいタイプが世界中で流行しています。60g前後のものから50g前後の超軽量のものまであって、各社がその方向でしのぎを削っている印象です」とトレンドを解説します。

  • パソコンショップアークの入力デバイス売り場。磯田尚輝氏にナビゲートしてもらった

しかし、マウスの「軽さ」には重量値だけでなく、重心の位置や個々人にとっての持ちやすさなど、さまざまな要素が絡みます。そうした多角的な側面から軽快に動かせるモデルが選ばれ、支持を集めているとのこと。下記の「軽量ゲーミングマウス選び、基本の三カ条」を踏まえて、直近の売れ筋トップ5を追っていきましょう。

<軽量ゲーミングマウス選び、基本の三カ条>

  • 軽さの目安は60g。今は60g前後が軽量、50g台前半以下なら超軽量という感覚。
  • 予算の目安は1万円台半ば~2万円強。この価格帯のモデルなら、センサーはどれも高水準に達している。
  • 接続は遅延が少ないデジタル無線が基本。Bluetooth接続も選べる機種なら、オフィス用途でも便利。

※本文と写真で掲載している価格は、2023年3月14日16:00時点のもの。日々変動しているので、参考程度に見てください。

第1位:ほどよいサイズで55gの「Lamzu Atlantis Superlight」

一番人気に挙げられたのは、ラムズの「Lamzu Atlantis Superlight Wireless Gaming Mouse」でした。2022年10月から販売しており、ホワイトとマイアミ(ブルー)、ピンク、グリーン、ブラックの5色を揃えています。取材時の価格はブラックが14,300円で、ほかの色は13,000円でした。サイズと重量は幅66×奥行き123×高さ38mm/55gです。

「ほどよい大きさで握りやすいと評判です。最近のマウスは軽さを追求して小型化したり、逆に大きめのサイズを踏襲していたりするモデルが多くて、中間が案外少ないんですよね。そのなかでちょうどいい大きさで、なおかつ55gという軽さもあってよく売れています」

  • ラムズ「Lamzu Atlantis Superlight Wireless Gaming Mouse」(ホワイト)

第2位:軽量マウスの火付け役「ロジクールG PRO X SUPERLIGHT」

続く2位は、ロジクールの「ロジクールG PRO X SUPERLIGHT」です。2020年12月にブラック、2021年2月にホワイト、2022年3月にマゼンダ、2022年11月にレッドが登場し、4色展開でロングヒットを続けているとのこと。サイズと重量は幅63.5×奥行き125×高さ40mm/63g。取材時の価格はブラックが16,082円で、ほかの色が16,137円でした。

「一世代前のモデルからサイドボタンの交換機能などを省いて軽量化したモデルです。ワイヤレスマウスで60g台前半を実現し、国内の軽量マウスブームの火付け役になりましたよね。今でも『これを選べば間違いない』とまで言われています。それくらい優秀なマウスだと思います」

  • ロジクール「ロジクールG PRO X SUPERLIGHT」(ブラック)のパッケージ

  • マゼンダの製品カット

第3位:登場して即ヒットの50gマウス「Series One Pro Wireless」

3位は、2023年3月に登場したばかりのGlorious「Series One PRO Wireless」がランクインしました。カラーバリエーションは「Vidar Grey/Blue Forge」と「Genos Grey/Gold Forge」、「Centauri Grey/Red Forge」の3種で、価格はいずれも18,370円でした。サイズと重量は幅62×奥行き118.5×高さ38mm/約50gとなります。

「軽量マウスが続々と登場するなかで、かなり注目度が高くてよく売れています。お尻側が盛り上がるオリジナルのフォルムで、手を被せやすいと評判です。とりあえず実機に触れてみたいという人も多くて、発売前に実機展示のタイミングを尋ねられたりしましたね」

  • Glorious「Series One PRO Wireless」シリーズ(Genos Grey/Gold Forge)

第4位:Razerのエルゴノミクスモデル「DeathAdder V3 Pro」

4位に入ったのは、Razerから2022年8月に登場した「DeathAdder V3 Pro」。標準でブラックとホワイトの2色をラインナップしており、取材時の価格はともに19,062円でした。サイズと重量は幅68×奥行き128×高さ44mm/63gです。

「このモデル以外のトップ5はいずれも左右対称デザインですが、こちらは左右非対称のエルゴノミクスデザイン。右手での持ちやすさを重視して非対称を求める人もいて、安定した人気がありますね。長時間プレイする人やマウスパッドに小指が触れるのを避けたい人に支持されています」

  • Razer「DeathAdder V3 Pro」(ブラックにマウスグリップを付けたもの)

第5位:前方傾斜が大きい独特の形状「M8 Wireless」

5位は、2022年12月発売のXtrfy(エクストリファイ)「M8 Wireless」シリーズとなります。サイズと重量は幅60.5×奥行き118×高さ38.5mm/55gで、取材時の価格は16,335円でした。ブラックとホワイト、フロスティ・ミント、フロスティ・パーブル、レトロの5色が選べます。

「Xtrfyさんらしいカラー展開も人気ですが、独特のフォルムを気に入って愛用している人も多いシリーズです。前方の傾斜がここまで大きく取られているモデルはなかなかありませんから」

  • Xtrfy「M8 Wireless」(ホワイト)の製品カット

  • ホワイト以外の「M8 Wireless」のパッケージ

はみ出し情報・・・潜在能力抜群と磯田氏イチオシの「ROG Harpe Ace Aim Lab Edition」

トップ5以外に注目株を尋ねると、磯田氏は2023年3月に登場したASUS JAPANの「ROG Harpe Ace Aim Lab Edition」を挙げてくれました。

エイム(ゲーム内で銃などの照準を合わせること)練習ツールで有名なAim Labとコラボした製品で、サイズと重量は幅63.7×奥行き127.5×高さ39.6mm/54gとなります。カラーは1色。価格は19,980円でした。

「ROGシリーズらしさ以上に、Aim Labらしさが強く出ています。持ちやすく、クリック感も歯切れが良くてしっかり作り込まれています。Bluetooth接続にも対応しているのでオフィス用途でも使いやすいですし、新しいトレンドの火付け役になる潜在能力は抜群に持っていると思います」

  • ASUS JAPAN「ROG Harpe Ace Aim Lab Edition」