米AMDが1月31日(現地時間)に発表した同社の2022年度第4四半期(2022年10月〜12月)決算は、売上高が前年同期比16%増だった。PC需要の低迷でPC関連企業の多くが業績を悪化させており、同社もクライアント部門の売上高が同51%減だったが、データセンター部門が好調だったことから売上高・利益とも市場の予想平均を上回った。

Lisa Su氏(CEO)は、2023年にPC市場全体が約10%減少するとの見通しを示し、現在のPC市場環境は「弱い」と述べた。しかし、Intelが2022年10月〜12月期の決算発表において回復に転じる時期の見通しを示さなかったのに対して、Su氏は厳しい需要環境がしばらく続くものの2023年第1四半期に底を打ち、「上半期よりも力強い下半期になる」と予想した。

10月〜12月期のGAAPベースの売上高は55億9900万ドルで前年同期比16%増、純利益は2100万ドルで同98%減、1株利益は0.01ドル。減益はXilinx買収の費用を計上したためで、非GAAPだと売上高55億9900万ドル(同16%増)、純利益11億1300万ドル(横ばい)、1株利益0.69ドルだった。アナリストの予測(非GAAP)は、売上高55億ドル、1株利益0.67ドルだった。以下はセグメント別の売上高。

  • データセンター:売上高17億ドル(前年同期比42%増)。EPYCサーバープロセッサが力強い販売を維持
  • クライアント:売上高9億300万ドル(前年同期比51%減)。PC需要の低下とPCサプライチェーン全体の在庫調整の影響を受けた。クライアント・プロセッサのASP(平均販売価格)は前年同期から横ばいだった。
  • ゲーミング:売上高16億ドル(前年同期比7%減)。ゲーミング向けグラフィックスの売上が減少したものの、ゲーム機向けのセミカスタム製品の売上が増加し、予想を上回った。
  • Embedded:売上高14億ドル(前年同期比1868%増)。

2023年1月〜3月期については、売上高53億ドル(±3億ドル)というガイダンスを示した。市場予想の平均は54億8000万ドル。