小学館は12月14日、障害当事者が障害について執筆した書籍『だれも私たちに「失格の烙印」を押すことはできない』(著:キム・ウォニョン 訳:五十嵐真希)に関して、紙の書籍のほか電子書籍やオーディオブック、日本点字図書館の協力を得た「点字版」といった、視聴覚障害者などの読書困難者が楽しめる方式をカバーした計7形態を発売した。

  • だれも私たちに「失格の烙印」を押すことはできない 書影

同書は2018年に韓国で発行、発売から4年たった現在も多くの人に読まれているベストセラーの翻訳書で、著者のキム・ウォニョン氏は骨形成不全症の車いすユーザー。現在は作家・パフォーマー・弁護士としてマルチに活躍しているが社会的マイノリティであった著者が、障害者としての人権の大切さ、そして社会との間にあるギャップを埋める方法を論理的に語った一冊となっている。

  • 著者近影

今回発行される提供形態は、紙の書籍、電子書籍(リフロー型)、オーディオブック版、テキストデータ版。テキストデータ版に関しては、書籍を購入した障害当事者(視聴障害・肢体不自由などの理由のある人)のうち希望者に提供。提供方法は書籍巻末を参照のこと。

また、日本点字図書館の協力を得た「テキストDAISY版」「音声DAISY版」「点字版」も刊行。これらの利用については、社会福祉法人日本点字図書館に要問い合わせ。

テキストデータ版やテキストDAISY版、音声DAISY版、点字版の制作が発売時から発表されるのは極めて異例で、通常は長い時間をかけて、必要に応じて提供されるという。今まで新刊を読むことが難しかった、視聴覚障害者などの読書困難者にも変わらない読書体験を目指した。

これ以降も、小学館はオーディオブックについて2023年度までに累計1,000タイトルの制作・配信を目標に設定。「読書バリアフリー」の観点から、視聴覚障害者などの読書困難者が楽しめる本(アクセシブルブックス)の普及・流通に努めるとしている。

だれも私たちに「失格の烙印」を押すことはできない

  • 著者: キム・ウォニョン 訳:五十嵐真希
  • 定価:1,980円
  • 発売日:2022年12月14日
  • 判型:四六判