Intelが米国時間の10月19日、インタフェース規格「Thunderbolt」の新バージョンとして、「次世代Thunderbolt」を公開した。これはThunderbolt 4の後継規格にあたるが、名称が未定のためか、現時点では「次世代」と呼称している。USB4 Version 2.0規格に準拠し、前世代から倍増の最大80Gbpsの双方向対称通信に対応、非対称通信では最大120Gbpsという高いデータ転送速度が特徴だ。

  • 最大帯域120Gbpsを実現、Intelが次世代「Thunderbolt」規格を公開

    「次世代Thunderbolt」の概要を公開。名称はThunderbolt 5とかにならない?

次世代Thunderboltのデータ転送は、40Gbps帯域の転送レーン4本を、送受信の対称通信でそれぞれに2レーン振り分けた双方向80Gbpsが基本。これに、解像度の高い外部ディスプレイなどへ映像信号を送信する際に、送信を3レーン、受信を1レーンと切り替えることで、非対称通信で最大120Gbpsの帯域を実現する。

  • 基本は送信と受信にそれぞれ40Gbps×2レーン接続の最大80Gbps。送信に3レーンを割り当てることで、最大120Gbpsの転送を実現

  • この最大120Gbpsへの帯域可変は、USB 4ではオプション扱いとなるが、次世代Thunderboltでは標準で利用できることになる

規格の仕様はUSB4 Version 2.0と、VESAの映像規格であるDisplayPort 2.1に準拠。最大1mの既存のパッシブケーブルで動作可能としており、従来のThunderbolt、USB、DisplayPortとの互換性も確保している。

  • USBベースの規格であるため、互換性がひろく確保できていることも利点

  • Thunderboltのこれまでの進化の歩みをまとめたもの。次世代ThunderboltのIntel CPUへの統合も期待したい

Intelでは、次世代Thunderboltの広い帯域を活かすことで、例えばクリエイターであれば8K+10bit HDRのような高度な環境でよりクリエイティブな創作ができるようになったり、単純なデータ転送の高速化だけでも作業の効率化を図れると説明している。ゲーマーによっても有益で、2K 480Hzや4K 240Hzの描画に対応できるだけでなく、PCIe接続に匹敵するデータ転送速度から、ノートPCにデスクトップPC並のゲーム環境を追加できる「外付けGPUボックス」のような製品も後押しするとしている。