農林水産省の公式Twitterが推す「開張型イネ」が、ネットで「すごい!」「面白ーい!」と注目を集めている。葉が放射線状に広がった形をした新しいイネで、従来のイネに比べて効率よく育ち、生産者の負担軽減に期待ができる。こりゃ、すごイネ!
写真の右側は、農研機構が開発した #開張型イネ 。写真左のコシヒカリと比べ、葉が放射状に広がっていますね。
— 農林水産省 (@MAFF_JAPAN) September 28, 2022
放射状になることで、効率よく日光を浴びることができ、加えて、雑草の生育も抑制できます。
しかし、このイネがすごいのは実はこれだけではありません!#aff https://t.co/nJYCuTfbWx pic.twitter.com/lL9jkxr6Lu
一般的なイネ(稲)は、苗の段階から収穫期まで直立しているが、「開張型イネ」は、葉が放射線状に広がった形をしている。葉の枚数が少ない生育初期には、葉が放射状に伸び、従来のイネに比べて効率よく日光を浴びることができる。さらに地面に降り注ぐ日光を遮るので、田植え後に生えてくる雑草の育成を抑制することができるのだとか。また、穂の形成される生育後期になると直立する性質を持っており、葉同士が重ならないので、栽培の全ての期間で効率よく光を吸収することができるのだという。雑草の育成を抑制してくれるということは、雑草防除に必要な除草剤の購入費用や、散布作業などの生産者の負担軽減に期待ができる。
このほか、この「開張型のイネ」の収穫量は、コシヒカリと同等。また精白米の白度、タンパク質やアミロース含有量、炊飯米の食味に関する値もコシヒカリと同等だそう。一方で、炊飯米はコシヒカリより柔らかくなる傾向にあるのだとか。
ちなみに、「開張型イネ」は、農研機構高度分析研究センターの稲垣言要ユニット長らが開発したイネだ。研究チームによれば、現在栽培されているイネは「栽培化」されたものだという。「栽培化」とは、野生植物が、人間の管理のもとで選別、改良され栽培植物となっていく過程を指す。現在のイネは、およそ1万年前の人々が、その当時の農業形態に適した個体を選抜して栽培を行なったことで、イネが本来持つ多様な遺伝子が失われていった栽培植物だという。
こうした栽培化によって失われた遺伝子の中には、現在の農業にとって有用な形質にかかわるものが存在したかもしれないと考えたのが、「開張型イネ」の開発の始まりだったのだそう。
ネット上では「面白ーい!」「はえー、すごい。」と感心する声のほか、「面白いなあ。あとはおいしいかどうか。」「素晴らしいけど、苗を奪われないようきちんと管理しないと…今のご時世…」などの声も寄せられた。