人工甘味料の摂取量と、心血管疾患になるリスクの増加には関連性があると、フランスの研究チームが現地時間9月7日に発表。イギリスの医学誌であるBritish Medical Journalで論文を公開した。
本研究では、2009年から2021年にかけてフランスの成人、10万388人を対象に調査を実施したとしている。アンケートを通して病歴や、身体活動レベル、ライフスタイルなどに関する情報を収集。特に、24時間以内に摂取した食品を、商品名や銘柄とともに収集することで、添加物、特に人工甘味料をどのくらい摂取したかを正確に把握。それをもとに調査期間中の被験者の心血管疾患の診断情報を収集し統計解析を行い、人工甘味料の摂取と心血管疾患リスクとの関連性を検討したとされる。
結果として、人工甘味料の摂取量の増加が、心血管疾患、特に脳梗塞などを引き起こす脳血管疾患のリスク上昇と関連することがわかったという。甘味料の種類別では、アスパルテームが脳血管疾患、アセスルファムKとスクラロースが心筋梗塞などを引き起こす冠動脈疾患のリスクと密接に関連していたそうだ。
同研究チームは、「多くの食品や飲料に使用されている添加物である人工甘味料は、心血管疾患のリスク増加因子である可能性を示唆している」と述べている。ただし、あくまで本研究は、観察的研究手法であるコホート研究なため、人工甘味料が心血管疾患を引き起こすという証明にはならない。しかしながら、砂糖に代わる安全な代替品としての甘味料の使用を支持するものではなく、人工甘味料の健康影響に関する科学的議論への新たな情報を提供するもだとも結論付けている。
ネット上では「やっぱ体に悪かったのか」という声もあれば、「人工甘味料っていつもイイのか悪いのか分からず終いだよね」など、結局のところ砂糖とどっちがリスキーなのかわからないといった声も寄せられた。