タイガー魔法瓶は9月8日、ボトル内部や栓に独自の衛生加工を施した、真空断熱ボトルの新シリーズ「BioGuard(バイオガード)」「BioGuard+(バイオガードプラス)」を発表しました。発売日は9月21日。

BioGuardシリーズは、本体内側に独自の電解研磨加工「スーパークリーンPlus」と、栓に抗菌加工を施している、衛生面に配慮した製品。BioGuard+シリーズは同仕様に加えて、ボトル外側にも抗菌加工しています。

  • BioGuardシリーズとBioGuard+シリーズは、いずれも新しい衛生加工を採用。コロナ禍により衛生面に対するニーズが高まっている中で、安心して使用できるよう衛生面を強化したとしています

BioGuardシリーズとして今回発表されたモデルは、容量500mLのステンレス製ストロー真空断熱ボトル「MCS-A050」。価格は7,150円です。カラーはシェルホワイト、マットブラック、パシフィックビーチの3色です。

  • BioGuardシリーズのMCS-A050。手前からパシフィックビーチ、マットブラック、シェルホワイト

BioGuard+シリーズは、容量が異なる3種の真空断熱ボトルを揃えます。容量350mLの「MCT-K035」が6,050円、500mLの「MCT-K050」が6,600円、600mLの「MCT-K060」が7,150円です。

本体カラーは「MCT-K035」と「MCT-K060」がスノードロップ、ストーンブラック、ライラックの3色、「MCT-K050」がこれにマリンブルーを加えた4色。メディア向け新製品発表会で展示された実物をレポートします。

  • BioGuardシリーズ。手前がMCT-K035(左からストーンブラック、スノードロップ、ライラック)、奥の左から4本がMCT-K050(左からストーンブラック、スノードロップ、ライラック、マリンブルー)、残り3本がMCT-K060(左からストーンブラック、スノードロップ、ライラック)

BioGuard・BioGuard+とは?

タイガー魔法瓶独自の衛生仕様であるBioGuardは、2020年11月から取り扱うボトル栓「抗菌加工せん」と、ボトル内面に電解研磨技術で表面の凹凸を減らし、汚れやにおいをつきにくくした「スーパークリーンPlus」加工を組み合わせたもの。

BioGuard+は、BioGuardに加え、樹脂製の底面を含むボトル外側にも抗菌加工を施しています。抗菌加工した栓やボトル外側、パッキンは、抗菌未加工品と比較して、99%以上の細菌増殖を抑制。SIAA認証も取得しています。

  • 中せん樹脂での抗菌試験結果。SIAA認証番号:JP0122676X0001G

なお、タイガー魔法瓶は、人権・健康・環境に配慮したものづくりのために、2020年から掲げる4つの約束の中で「NO・フッ素コート」を掲げています。そのため、真空断熱ボトルにも、環境負荷が高いとされているフッ素コートを使っていませんが、なめらかで光沢ある加工により、汚れやにおいからの防染を、同等レベルで実現したとしています。

  • 左がスーパークリーンPlus未加工、右がスーパークリーンPlus加工

ワンプッシュで開けられ、閉じると自動でロックがかかるBioGuard+

BioGuard+シリーズであるMCT-K035・MCT-K050・MCT-K060の、衛生仕様以外で最も特徴的なのは「ふた」。ワンプッシュで開き、閉じると自動でロックされるしくみを採用しています。ロックをかけ忘れてカバンの中で中身がこぼれてしまうといったことがなくなるのは、かなりありがたい機能です。

  • 中央のボタンを押し込みつつ下げるとロックが解除されて開きます

従来の真空断熱ボトルは、ふたを閉じた後にボタンをスライドさせたり、レバーをおろしたりといったロックをかける操作が必要でしたが、この操作を省略。ボタンを指で押し込みながら、下方向に下げるとロックが解けて開き、閉める際は手でふたの部分を閉じると、ボタン部分に自動でロックがかかります。

ふたを実際に何度か開閉してみましたが、“押し込みながら下げる”操作が難しく感じることはなく、2,3回試してみると慣れてスムーズに開けらるようになりました。加えて、ただまっすぐ押し込んでもふたは開かないため、カバンの中でぶつかったり、倒したりした場合も開くことはなさそうです。

  • ふたが開く様子

本体カラーには、ニュアンスカラーを採り入れ、「ボトルらしい色」以外の選択肢を増やしました。栓はすべてのカラーで黒を採用。統一感を図りつつ、一目でタイガー魔法瓶のボトルとわかるよう、アイコンの役割を果たすとしています。

ボトルを持ってみると、表面に施されたパウダーコーティング塗装により、若干ざらついた手触りが心地よく感じられました。さらに、タイガー魔法瓶独自のスピニング加工により内びんの素材を約0.08mmまで薄く加工してあるため、空の状態でしたが非常に軽かったです。主な仕様は以下の通りです。

MCT-K035

  • 本体サイズ:W66×D70×H180mm
  • 重さは170g
  • 保温効力:1時間が85度以上、6時間が63度以上
  • 保冷効力:6時間が9度以下
  • 口径:4.0cm

MCT-K050

  • 本体サイズ:W66×D70×H231mm
  • 重さは210g
  • 保温効力:1時間が86度以上、6時間が69度以上
  • 保冷効力:6時間が8度以下
  • 口径は4.0cm

MCT-K060

  • 本体サイズ:W70×D74×H246mm
  • 重さ:230g
  • 保温効力:1時間が72度以上、6時間が87度以上
  • 保冷効力:6時間が8度以下
  • 口径:4.0cm

においがつきにくいステンレスストローのBioGuard

BioGuardシリーズのMCS-A050は、国内で初めてステンレス製ストローを採用した真空断熱ボトルです(タイガー魔法瓶調べ。2022年8月現在)。ストローボトルのため、温かい飲み物を入れた場合、液体が上に吸い上げられてこぼれる可能性があるほか、ストローで一気に吸ってユーザーが火傷するリスクを考慮し、保冷専用となっています。

  • 内部も直線的なストローが続いています。取り外しはできません

一般的な樹脂製ストローのボトルは、長期間使っていると劣化し、箇所に汚れやにおいが残りやすくなりますが、BioGuardはステンレス製のため、その心配もないとしています。なお、ステンレス製ストローは、可能な限りスーパークリーンPlusと同等の加工を施してはいますが、抗菌加工ではありません。

ふたは、背面側に指を通すループを備える構造。ループ内側にあるボタンを押すとロックが解除され、ループに指を通したままふたを開けられる仕組みになってます。片手で開けられるため、デスクワークをしながらでも手軽に飲めそうです。個人的には、飲むときも指で支えているため、飲んでいるときに顔にふたが落ちてこないのが便利だと感じました。主な仕様は以下の通りです。

MCS-A050

  • 本体サイズ:W66×D70×H245mm
  • 重さ:230g
  • 保冷効力:6時間が8度以下
  • 口径:4.0cm
  • ふたを開ける様子。飲むときはふたが顔側に落ちないように指で支えます

  • 底面は両シリーズとも樹脂製で、置いたときに音が出にくいようになっています

今回発売された2シリーズは、コロナ禍で改めてニーズが高まった、衛生面の機能に重点を置いたシリーズです。加えて、各シリーズに新しく搭載したふたの構造が特徴的です。BioGuard+はワンプッシュで開けられて、閉めるときは自動でロックがかかるふた、BioGuardは、片手で開けられて、閉まらないようにループに指を通して支えられるふた。日頃、ボトルのふたに対して一度は思ったことがあるような課題を改善し、使い勝手を良くするものだと感じました。