米Googleは7月14日(現地時間)、「ChromeOS Flex」の早期アクセスプログラムを終了させ、企業や教育機関を中心とした本格展開を開始した。
ChromeOS FlexはChromeOSと同じ基盤を持ち、軽快な動作、クラウドサービスとの連携、プロアクティブなセキュリティ、簡単なデバイス管理といったChromeOSの長所をWindows、Mac、Linuxデバイスで利用できるようにする。低スペックなハードウェアでも動作するので、最新のWindowsやmacOSにアップグレードできなくなったデバイス、またはアップグレードすると動作が遅くなるような古いハードウェアを"ChromeOS化"して活用するソリューションになる。
Googleは2月にChromeOS Flexを発表し、早期アクセスプログラムを通じた提供を開始。様々なデバイスでの動作を確認する作業を続け、7月14日にアップデートされた「認定モデルリスト」では、リストデバイス数が400機種を超え、「Certified(認定)」デバイスが390機種に達した。また過去数カ月で約600のバグを修正、5月に安定版の提供を開始している。デバイスを認証する作業は今後も継続するが、ビジネスや教育機関の幅広い利用に対応できると判断してアーリーアクセスを終了させた。
ChromeOS Flexは、USBドライブ(8GB以上)でUSBインストーラを作成して簡単にインストールできる。インストール前に、USBドライブから起動して動作を確認することも可能。
スカンジナビアのホテル大手Nordic Choice Hotelsは、ランサムウェア攻撃を受けて業務が停止した際にChromeOS Flexを採用。1ページのガイドとUSBドライブを使って、200ホテルの従業員によって約2,000台のPCの移行を2日間で完了させた。移行によって、同ホテルは今後8年間でCO2排出量を150万キロ削減できる見通し。モダンなOSを使って古くなったハードウェアを有効活用することで、電気・電子機器廃棄物(e-waste)を削減できるほか、エネルギー効率に優れたサステイナブルなソリューションを取り入れることで総所有コストを抑えられる。Googleによると、効率的に動作するChromeOS Flexはファン冷却が必要なデバイスで消費電力を平均19%削減できる。