NTTドコモの企業内研究所であるモバイル社会研究所は7月14日、小中学生のスマホ利用についてのルールなどについての調査結果を発表した。それによれば、小学校低学年ではスマホを使う時間や場所についてのルールが中心で、中学生になると個人情報や写真のアップロードや連絡先の交換についてのルールを定めているという結果だったという。
発表された調査結果は、2021年11月に実施された親と子に関する調査から、子供のスマホ利用ルールなどについての設問の分析結果をまとめたもの。
スマホ・ケータイを子供に持たせている親に対して、どういう利用ルールを決めているかを尋ねたのが次の表。回答は小学校低学年(小1~小3)、小学校高学年(小4~小6)、中学生(中1~中3)の年齢別に集計されている。
年齢が上がるにつれて、個人情報や他人との繋がりについてのルールが増えているが、ルールとして定めていないからといって小学校低学年の子供に個人情報のアップロードや連絡先の交換を容認しているというわけではないはずで、年齢が上がるにつれてこういった面でのトラブルが目立つようになり、ルールが必要になるということだろう。
実際に、各項目のそれぞれの詳細を見ると、一部の項目を除いて年齢とともにそのルールを定めているという比率が増えていく。中学生までの範囲では、子供に分別がついてルールを緩和するというよりも、子供にできること(できてしまうこと)が増えたらそれに応じてルールを追加するという家庭が多いようだ。
時間や場所についてのルールを定める理由は、ルールを定めないとスマホを使ってばかりいることになってしまうからだろう。子供の側に、スマホを使い過ぎてしまわないかを尋ねたのが次のグラフだ。
小学生は比較的「使い過ぎてしまうことはないと思う」の回答の比率が高いが、これはあくまでも子供自身の評価。実際には親から見て「使い過ぎている」というケースは少なくないだろう。中学生はさすがに自分自身のことがわかってきているのか、9割弱が「使い過ぎてしまうと思う」と回答している。
その「使い過ぎてしまう」理由を尋ねた結果が次のグラフ。上位の「楽しくてやめられないため」「暇つぶしのため」の比率は年齢が違っても大きな差はない。小学校低学年と小学校高学年以上で大きな差が生まれているのは「友達付き合いのため」「友達や世間で話題となっていることを見逃したくないため」の項目で、小学校高学年でコミュニケーションにスマホを利用するようになり、情報入手の手段としてのスマホ利用が増えることがうかがえる。
夏休みは学期中とは日々の過ごし方や友達との関わり方も変わってくる。小中学生のお子さんをお持ちであれば、夏休みの前にスマホの利用ルールについて話し合ってみてもよいかもしれない。
調査概要
- 調査名:202年親と子の調査
- 調査方法:訪問留置調査
- 調査対象:関東1都6県の小学生および中学生とその親
- 有効回答数:500件
- サンプリング:QUOTA SAMPLING、性別・年齢(5歳刻み)・都道府県の人口分布に比例して割付
- 調査時期:2021年11月