忙しい毎日を乗り切るために大切な食事。近年の人気、そして日々活躍してくれるのが電気調理鍋です。ガス調理と違って鍋のそばにいなくていいので、ほかの家事をしながら料理を作れますし、予約機能を使えば帰宅したときできたての料理をすぐに食べられるのもうれしいですね。
そんな電気調理鍋、各メーカーからいろいろなタイプの製品が登場していますが、ハイアールの無水かきまぜ自動調理器「ホットデリ JJT-R10A」(以下、ホットデリ)を使ってみました。料理の初心者でも使いやすい調理鍋ですよ。容量は1人〜2人分、実勢価格は21,000円前後です(2022年5月上旬時点)。
1人~2人用のコンパクトサイズ
ホットデリの本体は幅216×奥行き279×高さ210mm、調理容量は1.0Lです。1人~2人の世帯にちょうどいいサイズでしょう。フッ素コートの内鍋で、ごはんは3合まで炊けます。一見すると小容量の炊飯器のようですが、フタ部分に音叉のような「まぜスティック」を備えているところがポイント。まぜスティックを使った独自のかきまぜ方式と無水調理に注目です。煮る、炒める、ゆでる、蒸す、低温調理、炊飯が可能。パンやケーキも焼けて、90種類の自動調理を楽しめます。
材料を入れてメニューを選択すれば、火加減や調理時間を勝手に調節してくれるので、ほったらかしにできるところが魅力。また、カレー、スープ、一部の煮物は予約調理できます。
QRコードでレシピを読み込む
本体天面にはQRコードが貼付されていて、これをスマホで読み込むと、レシピサイトと取扱説明書を呼び出せる仕組み。本体にはレシピブックが付属していますが、Webサイトなら外出先からでも確認できるため、食材の買い物に行く前に読み込んでおくと便利ではないでしょうか。
テレワークのお昼にパスタを
今回、ホットデリでいろいろな料理を作ってみたなかで、重宝したのがパスタメニューです。内鍋にパスタと水、トマト缶といった材料を入れてスタートさせると、ソースが絡まった状態で仕上がります。お湯を沸かしたり、ソース用のフライパンを用意しなくてよいため、洗い物が少なくてすむのはありがたい! スイッチを入れたあとの調理時間は約20分なので、平日のお昼ごはんによく作っています。
使う麺は7mmゆでの1.6mmのものです。水の量はパスタ量の2倍ですが、トマト缶など水分が多い材料を使う場合は水の量を減らしましょう。
付属の「クイックトレイ」は、レトルトの温め、おかず作り、サラダチキンにと大活躍
ホットデリは「クイックトレイ」を使うと調理の幅が広がります。例えば、内鍋に米と水を入れ、クイックトレイにはビーフシチューの材料を入れると、上下の2段調理が可能です。まぜスティックは使わないため、ビーフシチューのルウはあらかじめ刻んで入れます。調理時間は約45分です。
2段調理は、ほかにも「鶏のさっぱり蒸し&ごはん」「肉豆腐&枝豆」などがレシピ集で紹介されています。
ハヤシライスのような料理は、鍋で作ると一度にたくさん作りがちですよね。いくら冷凍保存しても、一人暮らし少人数の世帯だと飽きてしまいます。でも、2段調理なら1人分を手軽に作れて便利です。ごはんは0.5合か1合を炊けます。粒感のある炊き上がりで、ハヤシライスとも好相性でした。
クイックトレイでは、サラダチキンも美味しく作れます。準備として、ジッパー付きの食品保存袋に鶏胸肉と調味料を入れ、水を注ぎます。このままでは食品保存袋が浮いてしまうので、クイックトレイをセットして抑えるのがポイント。完成したサラダチキンは、しっとりして美味しいできばえ。サラダチキンは温度管理が難しい「低温調理」を使いますが、ホットデリに任せればスイッチを入れるだけで簡単に作れます。
また、調理ではないですが、クイックトレイを使って市販のレトルト食品の温めも可能です。約250g以下のレトルト食品を袋のままクイックトレイに乗せて、ごはんを炊くと同時に温められるという仕組み。レトルト食品を温めるためにお湯を沸かしたり、器にうつしてレンジを使うといった手間がいりません。学生の一人暮らし時代だったら一番うれしい機能かも!
料理のハードルを下げるレシピ
「はじめての自動調理鍋」というコンセプトのとおり、レシピは基本的な食材を使うものが多い印象です。同じ食材を使ったレシピが多いため、材料の使い回しができるところも料理初心者向きだと思います。
例えば、「どっさりキャベツカレー」「野菜を食べるスープ」「野菜のコンビーフ炒め」は、共通してキャベツを使うため、最後まで残さず使い切れるでしょう。また、ツナ、コンビーフ、ベーコンなどコンビニで手に入れやすい食材を使うレシピや、調味料も基本的なものが多いところも、料理のハードルをぐっと下げてくれます。
手動調理はホットプレート感覚で
ホットデリは、自動メニューだけでなく、手動調理にも対応しています。使ってみるとこれがとっても便利。煮込み、かきまぜができるホットプレートといえば、イメージしやすいでしょうか。
手動でできる調理は、煮る・煮詰める、煮込む、ゆでる・蒸す、温めなおす、低温・発酵、パンケーキ、白米、炊き込み・玄米という8カテゴリーです。このうち、煮る・煮詰める、煮込む、炒める、低温・発酵は、時間設定と温度設定が可能です。
一番簡単なのは、炒め料理。味付けした肉や野菜を入れて、「炒める」モードを20分で設定します。温度は初期設定(125℃)のままでスタート。鶏肉と野菜を炒めてみましたが、しっかり火が通っていました。火の通りが足りないときは、さらに加熱すればOK。炒めている間にフタを開けられるので、食材も追加できます。
フタを閉じれば油はねせず、時間になると止まるので、ホットプレートのようにテーブルの上に置いても快適です。調理時間の設定はレシピ集の加熱時間が参考になります。
毎日の食事、ホットデリで支度を手軽に
ホットデリは容量が1人〜2人分のサイズなので、たっぷりの作り置きや、大人数のメイン調理には向きません。3人〜4人以上の家族で使うなら、副菜やスープ用に使うとよさそうです。
同じく無水で自動調理ができるシャープのホットクックと比べると、ホットデリは専用アプリを使ったお知らせ機能や、音声機能、メニューのダウンロード機能はありません。かきまぜる機能についても、ホットクックは「まぜ技ユニット」で食材の負荷を検知してまぜ具合を調整していますが、ホットデリの「まぜスティック」にはそのような機能はありません。
とはいえ、手ごろな価格と、シンプルながらさまざまな調理が楽しめるホットデリは、「はじめての自動調理鍋」としては、とても魅力的ではないでしょうか。特に、「キッチンのコンロが1口しかない」といった部屋の一人暮らしにオススメです。