OPPOはスペイン・バルセロナで2月28日(現地時間)に開幕した「2022 MWC Barcelona」にあわせ、2022年後半に登場する5Gルータ最新製品や同じく2022年から投入される急速充電技術「SUPERVOOC」の最新版「150W SUPERVOOC with BHE」についての説明会を開催した。

  • 「SUPERVOOC」イメージ

    OPPOの急速充電技術「SUPERVOOC」

5Gルータ新製品「OPPO 5G CPE T2」は2022年下半期に投入

説明会では、冒頭で同社のスマートフォンビジネスの現状を概観したあと、最新製品である折りたたみスマートフォン「OPPO Find N」を紹介。この製品についても、OPPOのユーザー志向の研究開発の賜物であるとした。

5Gルータ製品については、OPPO Research Insituteで新技術製品のシニアマネージャーを務めるWei Chen氏が発表した。発表されたのは、5G対応ルータ最新製品となる「OPPO 5G CPE T2」。デザインは従来製品を踏襲し、再生可能素材を使用。Qualcomm Snapdragon X65 5G モデム-RFシステムを搭載し従来製品よりデータスループットが20%向上。高いパフォーマンスで5Gの接続性を増幅させることを目指している。幅広いネットワークに対応しており、どの通信事業者を利用しているユーザーに対しても満足いくネットワーク環境を提供できるとしている。

この製品に搭載されるアンテナ管理技術として紹介されたのが「O-Reserve 2.0 5G」。60の特許を取得しており、信号を受信している8本のアンテナから4本を自動的に選択し、同時にサービスを提供できるという。Wi-FI 6に対応し、同時に256のデバイスで同時利用が可能。

「OPPO 5G CPE T2」は2022年下半期に、ヨーロッパ、アジア、中東、アフリカなどでパートナーのサービスとともに登場の予定だ。

「150W SUPERVOOC with BHE」で急速充電技術は新しい時代に

続いては、同じOPPO Research Insituteで充電技術ラボを率いるEdward Tian氏が登壇し、急速充電技術「SUPERVOOC」のアップデートについて解説した。

同氏は最初に、8年前の2014年に「OPPO Find 7」で他社に先駆けて急速充電技術を搭載したとアピール。同機は30分で70%のチャージが可能となっており、これは「いまでも十分速いスピード」であり、「OPPOの技術者は、世界でいちばん急速充電技術に長けているエンジニアなのです」と同氏は語る。2021年12月までで、OPPOの急速充電技術を搭載した製品のユーザーは2億2千万人を超えるという。

  • OPPO Find X5

    2月25日発表の「OPPO Find X5」では80WのSUPERVOOCに対応

そして紹介したのが、急速充電とバッテリの長寿命化を果たす技術「150W SUPERVOOC with BHE」だ。25V/7.5Aの充電規格を満たしており、4,500mAhのバッテリであれば、従来の「65W SUPERVOOC Flash Charge」が40分で100%充電に達するところ、新技術では15分で100%充電が可能。50%充電には5分で到達する。「朝起きてバッテリが空っぽでも、朝食の間に100%まで充電できます」とその充電性能をアピールする。

そしてスピードだけでなく、バッテリの長寿命化にもこの技術は貢献する。「皆さんもご存じのとおり、製品デザインが不十分であればバッテリの寿命が急速充電技術の影響を受けます」といい、150W SUPERVOOC with BHEの開発にあたってはスピードとともにバッテリの長寿命化も重視したという。

スマートフォンでは、バッテリ性能を80%発揮できる状態でバッテリの放電-充電のサイクルを何回繰り返せるかというのがバッテリ寿命を測る指標となっているが、現在、800サイクルが標準的な性能となっている。150W SUPERVOOC with BHEでは、その倍の1,600サイクルの放電-充電が可能。業界最高の水準となっている。「これがどういうことを意味するかというと、毎日バッテリを使い切って充電するユーザーであれば、4年を経過しても十分なバッテリ性能を発揮させることができるということです」とその意義を強調した。

「with BHE」の「BHE」は「Battery Health Engine」の頭文字で、その名の通りバッテリの性能を管理するエンジンで、OPPOの電池管理チップセットにスマートバッテリーヘルスアルゴリズムとバッテリーヒーリングテクノロジーの2つのコア技術が搭載されている。

スマートバッテリーヘルスアルゴリズムは電流の消費をコントロールし、寿命になるリチウムセルが出てくる確率を抑えて、バッテリ寿命を延長させるというもの。バッテリーヒーリングテクノロジーは、電解質の配合を改良し、電池が放電と充電を繰り返す際に持続的に電極を修復して消耗を最小限にすることができる。BHEのこの技術のおかげで、より速くより長持ちということを実現した。

「BHEの技術は急速充電の分野でひとつの革命となる技術だと思いますし、『充電が速ければバッテリの寿命に影響を与えてしまう』という従来の認識を打破するものになります。ユーザーに対し、なんのデメリットもなく急速充電技術を提供することができます」とし、より多いユーザーがこのメリットを享受できるよう、150W SUPERVOOC with BHE搭載機に限らず、OPPOおよび同社傘下のOnePlusのミドルレンジ/ハイエンド製品に幅広くこの技術を搭載していくという。150W SUPERVOOC with BHEを搭載して最初に登場するのは、2022年後半登場のOnePlus製品となる予定。インタフェースとしてはUSB-Cを利用し、60W/30W/20WのSUPERVOOCとの互換性も保っているとのことだ。

なおMWCの会場では、200 Plusというさらに進んだ急速充電技術についての展示も行われるという。

質疑応答ではSUPERVOOCに関わる特許戦略についての質問などがあった。OPPOではこれまでに3,900件以上の特許を取得しており、同時に、エコシステムの構築は技術を開発するにあたっての重要なガイドラインとしているという。SUPERVOOCについても、50社以上のパートナーに特許のライセンスをしており、エコシステムはどんどん大きくなっているとのことだった。