米Microsoftは2月9日(現地時間)、同社のアプリストアの原則をアップデートした。

新しい「Open App Store Principles(オープンなアプリストアの原則)」は、「品質/安全性/セキュリティ&プライバシー」「責任」「フェアネスと透明性」「開発者の選択」の4分野、11原則で構成される。

  1. 品質と安全性に関する合理的で透明性のある基準を満たす限り、全ての開発者がアプリストアにアクセスできるようにする。
  2. 開発者がセキュリティ基準を満たす安全性を確保し、アプリストアを利用する消費者とゲーマーを保護し続ける。
  3. アプリストアを利用する消費者のプライバシーを尊重し、消費者が自分のデータとその使用方法を管理できるようにする。
  4. 競合するアプリと同じ基準を自社のアプリにも適用。
  5. アプリストアからの非公開の情報やデータを開発者のアプリとの競争に利用しない。
  6. アプリストアにおいて、自社のアプリやビジネスパートナーのアプリを不当に優遇したり、上位に表示することなく、全てのアプリを平等に扱う。
  7. アプリストアでのプロモーションやマーケティングに関するルールについて透明性を保ち、一貫性をもって客観的に適用する。
  8. アプリストアを利用する開発者のアプリ内課金の処理に、Microsoftの決済システムの使用を要求しない。
  9. アプリストアにおいて、他のアプリストアよりも有利な条件を提供するよう開発者に要求することはない。
  10. 開発者がMicrosoft以外の決済システムを選択した場合、または他のアプリストアで異なる条件を提示した場合に開発者に不利益を与えることはない。
  11. 価格条件、製品またはサービスの提供など、正当なビジネス目的のために開発者がアプリを通じて顧客と直接コミュニケーションすることを妨げない。

Microsoftは2020年10月に、AppleとEpic Gamesの法定闘争が始まった時期にアプリストアの10原則を公開し、同社のアプリストアにおける開発者の選択と公平性をアピールした。ただし、Windowsのストアが対象であり、PCとはビジネスモデルが異なるゲーム機のXboxに同様の原則は適用されなかった。

新原則は、Xboxのアプリストアにも原則(1)から(7)が適用される。Microsoftは1月18日(米国時間)に米ゲーム大手Activision Blizzardを買収すると発表、規制当局による厳しい審査が予想されており、オープンなアプリストアの原則をXboxにも拡大して買収承認を求めるプロセスに備える。

同日に公開した「Adapting ahead of regulation: a principled approach to app stores」の中で、Brad Smith氏(Microsoftプレジデント兼副会長)は、残りの原則についてもWindowsとXboxのギャップを縮めていくことを約束。また、「Call of Duty」シリーズなどActivision Blizzardの人気ゲームタイトルについて、既存の契約期間が終了した後もPlaySationへの供給を継続し、他のプラットフォームにも同様の措置をとることを表明した。