エミライは、FiiO Electronicsの新フラッグシップポータブルプレーヤー「M17」を12月10日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭価格は24万2,000円前後を見込む。

  • M17

    M17

“驚異の物量投入型トランスポータブルDAP”を謳う、FiiOの新製品。ESS製のDACチップ「ES9038Pro」を2基搭載するデュアル構成で、最大384kHz/32bitのPCMとDSD256(11.2MHz)の再生に対応。MQA音源の8xデコードにも対応し、マスター品質の音質で聴けるとする。

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    前面。5.99型/1,080×2,160ドットのタッチパネルを備える

アンプ部には、THXの特許技術を採用した「THX-AAA 788」回路をベースに、FiiOとTHXが共同開発した「THX AAA 788+」回路を採用。左右チャンネルに1基ずつ、計2基搭載している。バランス出力でDC入力モード時の出力は3,000mWに達し、SN比118dB(バランス出力時)の超低ノイズを両立するという。

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新たに「DC給電モード」を搭載しており、付属の専用DCアダプターを使うことでDAC部/アンプ部に大電流を供給。M17を最大性能で動作させ、鳴らしにくい低能率ヘッドホンも余裕で駆動できるという。ほかにも、USBポートを2系統搭載することで、外部機器との接続と充電とを分離。デスクトップオーディオのメディアセンターとしても使えるようにした。

バッテリー駆動時には4段階のゲイン設定が可能で、さらにDC給電モード時はもう1段階高いゲイン設定を用意し、最大5段階で調整可能。バランス出力では+16dBの高ゲインにより、従来のポータブルプレーヤーでは鳴らすことが難しかったヘッドホンでも余裕のある再生を実現した。他にも、スーパーキャパシターや超高精度水晶発振器をオーディオ回路セクションに採用している。

ヘッドホン出力は2.5mm/3.5mm/4.4mmに加えて、新たに6.3mmステレオ標準端子を用意。対応インピーダンスは16〜600Ωで、出力は16Ω負荷時1.5W以上、32Ω負荷時3W以上、300Ω負荷時500mW以上。ポテンショメータノブまたはボタンコントロールによる120段階の音量調整に対応する。なお、3.5mm/4.4mm端子はライン出力端子としても使える。

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    本体上面にヘッドホン出力4系統とボリュームを備える

デジタル入力としてUSB Type-Cと同軸デジタル入力を装備。なお、USB Type-C 2系統のうちひとつはデジタルオーディオ出力に特化したUSB 2.0、もうひとつはデータ転送/充電に特化したUSB 3.0となっている。XMOSチップ「XUF208」を搭載し、USB-C入出力では最大768kHz/32bitのPCMとDSD512(22MHz)のネイティブ再生に対応する。

クアルコムのBluetooth SoC「QCC5124」を搭載。Bluetoothによるオーディオ信号の送受信が行え、サポートするコーデックは送信時がSBC、AAC、aptX、aptX HD、LDAC。受信時は、送信対応コーデックに加えてaptX LL、aptX Adaptiveにも対応する。

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    本体下部に電源入力とUSB Type-C×2、同軸デジタル入力を装備

スマートフォンのようにスムーズな動作を提供するために、クアルコム製SoC「Snapdragon 660」を搭載。動画再生やゲームなどの重いタスクを処理できる能力を備えながら、音楽再生時は超低消費電力で動作することで、長時間の連続再生を可能にする。

5.99型/1,080×2,160ドットのインセル方式タッチパネルディスプレイを装備。メモリは4GB。内蔵ストレージの容量は64GB。microSDカードスロットを備えるほか、最大2TBまでの外付けHDDも接続でき、容量拡張に対応している。操作モードはAndroid/Pure Music/USB DAC/Bluetooth受信/AirPlay/同軸デコーディングが選べる。

基板間の干渉を防ぐため、アナログ部とデジタル部を物理的に分離した設計を採用。限られた内部スペースに効率的に基板レイアウトを行ない、さらに高導電性銅合金シールドを施して内部/外部からのアナログオーディオ信号への電波干渉を低減させている。

また、M17は高音質追求で大電力を必要とするため、放熱のために本体をH型の断面形状にレイアウトして効果的なエアフローを獲得。VC液冷技術を採用し、継ぎ目のないCNC切削によるアルミ合金製ユニボディフレームへ熱を伝えることで、効率的に放熱するという。M17を載せて積極的に熱を逃がせるというファン付き冷却スタンド「DK-3」も付属する。

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    放熱のための効果的なフロー設計を採用

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    同梱のファン付き冷却スタンド「DK-3」による放熱イメージ

9,200mAhの大容量バッテリーを搭載し、連続再生時間はシングルエンド再生時が約10.6時間、バランス再生時が8.6時間。USB-Cからの急速充電に対応し、QC急速充電では4.5時間で充電可能だ。DC給電による充電もできる。電源接続時は満充電の継続によるバッテリー劣化を低減する制御を行う。

本体にはカスタマイズ可能な7色のRGBアンビエントライトシステムを備え、カラーを固定したり、オーディオ出力に合わせて設定したりできる。ライトの明るさは、電源や音量、温度に応じて変化するように設定でき、トップとサイドを別々に制御することも可能だ。

本体サイズは約156.4×88.5×28mm(縦×横×厚さ)。重さは610g。DCアダプター、AC電源ケーブル、ファン付き冷却スタンド、レザーケース、USB-A to Cケーブルなどが付属する。

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