米Mozillaは11月2日 (現地時間)、Webブラウザ「Firefox 94」の安定版の提供を開始した。「Colorways」という新しいカラーテーマ機能を追加。モバイル版のホーム画面を刷新した。

今年6月に全面的にデザインを刷新した「Firefox 89」をリリースした際に、ユーザーが色で表現できるオプションを用意したところ、32%がカラーテーマによるカスタマイズを試し、中には200%以上も採用が増加したテーマがあった。好きな色でブラウザを彩ることでWebブラウジングが楽しくなる。カラーテーマはブラウジングのパフォーマンスに影響する機能ではないが、カラーによるパーソナライズを通じて人々のブラウジングの体験が向上する。その効果に着目し、本腰を据えて取り組んだ成果がColorwaysだ。色は言語の違いなど様々な境界線を越えてユーザーがつながれる方法になり得る。だから、"テーマ"ではなく、自分を表現する方法を示す”カラーウェイ”という名称を選んだ。

Firefox 94では、「Abstract」「Cheers」「Foto」「Lush」「Graffiti」「Elemental」など6つのカラーウェイが用意されており、それぞれソフト、バランス、ボールドを選択できる。ファッションの世界では、トレンドの色やデザイン、季節をとり入れたアイテムが限定期間で提供される。それと同じように、6つのカラーウェイは"今"を表現するカラーとして2製品サイクル(Firefox 94~95)での限定的な提供になる(設定したカラーテーマは続けて使用可能)。

他には、WEB分離ソリューション「Site Isolation」が有効になり、Spectreのようなサイドチャネル攻撃からFirefoxユーザーを保護する。Windows版で、ユーザーの作業を中断させることがあるアップデートを促すプロンプト表示を廃止し、バックグラウンドエージェントがアップデートをダウンロードしてインストールするように変更。また、Windows 11のスナップレイアウトに対応した。macOS版は、ビデオのフルスクリーン再生時にmacOS Montereyの新機能である低電力モードを使用する。Linux版はWebGLのパフォーマンスが向上し、多くのケースで消費電力が減少する。

モバイル版(Android、iOS)の新しいホーム画面は、Webブラウジングの継続性を重視したものになった。最後に開いていたタブや保存したブックマーク、最近の検索などにホーム画面から素早くアクセスできる。Android版には、開いたまま14日間訪れていないタブを“inactive"状態に分類してタブを整理する機能と、Pocketのフィードをトピックで絞り込んで閲覧できる機能が追加された。