富士通は10月8日、「AI体操採点システム」で用いられる人の動きをマーカーレスで分析するAI技術を、ウェルビーイング領域へ適用する実証を開始すると発表した。実証では同社が開発した健康増進ソリューションのプロトタイプを使用し、福岡県内各地のSante Gym来場者を対象に取り組む。

Sante Gymは、10月18日から始まる「2021世界体操・新体操選手権北九州大会」の開催期間において、福岡県内各地に期間限定で開設・運営される健康増進イベントのための施設。

同ソリューションは、Webカメラの前でアプリが指示する5種類のポーズをとったユーザーの画像データから、体の画像に対してAIが骨格を当てはめて、腰回りを中心とした各部位の柔軟性や可動域を測定するもの。さらに、それらの測定値に対しAIが評価を行い、結果に応じた改善エクササイズを個人ごとに提案する。

  • アプリの指示に従ってポーズをとっているイメージ

近年は、コロナ禍における外出自粛の要請に伴う活動制限や運動不足による健康二次被害、加齢により心身の脆弱性が顕著になる高齢者のフレイルなどが問題となっている。これらを予防するには、体の状態を定期的にチェックして運動を習慣化することが重要だと考えられる。そこで同社は、人の動きをデジタル化し測定する技術をウェルビーイング領域に役立てるため、健康増進ソリューションのプロトタイプを開発して実証に臨むとのことだ。

  • 姿勢の評価とおすすめのエクササイズを提案している画面イメージ