リコーイメージングは、35mm判換算で40mm相当の新開発レンズと、APS-CサイズのCMOSセンサーを搭載したコンパクトデジタルカメラ「GR IIIx」を10月上旬に発売する。価格はオープンプライスで、店頭価格は13万円前後を見込む。
2019年発売の「GR III」との大きな違いは、新開発レンズ「GR LENS 26.1mm F2.8」を搭載し、35mm判換算で40mm相当という標準画角で撮影できる点。同社では「人間の視野に近く、使い方次第で準広角の35mmや標準画角の50mmのように使用できる、汎用性の高い画角」と説明しており、「従来のGRシリーズが搭載している遠近感を強調しやすい28mm相当の画角とは異なり、パースペクティブが少なく自然な遠近感の新たな視野でのスナップ撮影」ができるとしている。
非球面レンズ2枚を最適配置した5群7枚の新開発の光学系を採用(GR IIIは非球面レンズ2枚・4群6枚)。ディストーションや色収差を極限に近いレベルまで抑制し、高い解像力を追求。逆光撮影時のゴーストやフレアの発生も低減したという。減光量で絞り2段分に相当するNDフィルターを内蔵した多段絞りユニットを搭載し、9枚羽根の虹彩絞りも採用。高い解像性能と、開放付近の自然なボケ味を両立させた。
レンズ先端から最短12cmでのマクロ撮影も可能で、「標準画角の焦点距離と相まって、背景のボケ味を生かした自然な遠近感での撮影ができる」という。撮影時のクロップ機能を備え、50mm相当と71mm相当から選べる。
レンズの光学系以外の主な仕様は、既存のGR IIIから継承しており、有効2,424万画素でローパスフィルターレス仕様のAPS-CサイズCMOSセンサーを搭載。画像処理エンジンは「GR ENGINE 6」。14bitRAW記録に対応するほか、センサーからの画像情報を最適化する独自のアクセラレーターユニットにより、最高ISO感度102400という高感度性能を実現する。
GR IIIと同様に、像面位相差検出とコントラスト検出のハイブリッド方式AFを採用。GR IIIxでは新たにAF時に人物の顔と瞳検出を行えるようになり、複数の人物の顔を検出した場合は、自動でメインの被写体とサブの被写体を判別して枠を表示。タッチパネル操作でメイン被写体の切り替えができるという。従来のGR IIIも、近日公開予定のファームウェアアップデートで同機能に対応予定だ。
ほかにも、4段分の補正効果を実現する3軸式センサーシフト式手ブレ補正機構「SR」、露光中にイメージセンサーユニットをサブピクセル精度で微小駆動させてモアレ軽減する「ローパスセレクター」を搭載。撮影機能として、RAW撮影後にカメラ内で各種画像調整を行えるカメラ内現像機能、星や月の光跡を風景と一緒に撮影するためのインターバル合成機能などを備える。
動画撮影も可能で、最大1,920×1,080/60fpsまでの撮影が可能。30p/24pでの撮影も選べる。ファイル形式はMPEG-4 AVC/H.264。記録時間は最大4GBまたは最長約25分。音声記録用の内蔵ステレオマイクも装備する。
3型/約103.7万ドットの背面液晶モニターを搭載。IEEE 802.11b/g/n準拠の無線LAN機能と、Bluetooth機能を備え、撮影画像の転送や閲覧ができる専用アプリ「Image Sync」に対応する。同アプリは近日中のアップデートで、転送する画像を自動で小さくするオートリサイズ機能にも対応予定。
記録メディアはSD/SDHC/SDXCで、2GBメモリも内蔵。上面には同社デジタル一眼レフ用外付けフラッシュを装着できるホットシューを備える。本体サイズは109.4×35.2×61.9mm(幅×奥行き×高さ、突起部などを除く)、バッテリーやSDカードを含めた重さは約262g。バッテリー型番はGR IIIと同じ「DB-110」。
別売アクセサリーとして、GR IIIx専用のテレコンバージョンレンズ「GT-2」(11月下旬発売)や、GT-2の装着に必要なレンズアダプター「GA-2」(10月上旬発売)などを用意する。