ドリーム・アーツは8月24日、従業員数1,000名以上の大企業の経営層および役職者1,000名を対象に実施した、DXとデジタル化の取り組みに関するインターネット調査の結果を発表した。
同社は、近年多用されるようになった「DX」という言葉本来の意味が世の中に正しく理解されているのか疑問が残る状況にあることから、大企業のDXに対する認識と取り組みの実態を把握するためのアンケート調査を実施した。
自身が働く企業のDXの取り組みについて現状を聞いたところ、59%が全社的または部分的に取り組んでいると回答。業務のデジタル化への取り組みについては6割以上が取り組んでいると回答し、DXより進んでいる企業が多いという結果になった。
企業におけるDX/業務のデジタル化の取り組みの最重要テーマついては、「デジタル技術を活用したビジネスプロセス改革」と「ペーパーレス化による生産性の向上」が26%、「デジタル技術を活用したビジネスモデル変革」が24%であったが、 最多の回答は「わからない」の29%と、DXの具体的な取り組みについては把握していない経営層・役職者が一定程度存在することが明らかとなった。
また、「DXとデジタル化の違いについて説明できるか」という問いに対しては、「どちらかというと説明できない」「説明できない、わからない」と回答した人が73%にも及んだ。職位別では「どちらかというと説明できない」「説明できない」と回答した人の割合が役員クラス(取締役以上)は61%、管理職(部長クラス)だと64%と、中間管理職は80%と、現場に近い人ほど違いを説明できない人の割合が高くなっていることが判明した。デジタル化の延長線上にDXがあり、DXを実現するためにデジタル化は「土台」として必要ととらえている意見も多くあったという。
「自社の経営層は『本気でDXが重要だ』と認識していると思うか」との質問に対し、重要だと認識しているとの回答は約半数(51%)にのぼり、一定数の大企業で経営層がDXの重要性を理解していることがわかった。一方で、中間管理職と役員クラスとの間で、「経営層のDXへの本気度」に対する認識に明確な差が見られ、中管理職に「経営層の本気度」は伝わっていない現状が見られた。
「経営層からのDX方針が明確に出ているか」という問いに「そう思う」と回答した人の割合は、中間管理職は31%と管理職(44.4%)、役員クラス(51.4%)に比べて低く、経営層側は方針を出しているつもりでも、職位が下がれば下がるほど伝わっていない傾向がみられる。
すでにDXに取り組んでいると回答した人に成果を聞いたところ、成果が出ているとの回答は半数以上(52%)となり、「経営層からのDX方針が明確に出ている」、「経営層がデジタルの価値をよく理解している」、「経営層のなかにDXの責任者がいる」と考えている人の割合が高く、DXの成果が出ている企業では共通して、経営層のリーダーシップが発揮されているという特徴があることが判明した。
「経営層のリーダーシップ」に同意している人が多かったものの、中間管理職を含めた現場への浸透度は課題があることが示されており、現場への意識共有における改革も必要であることが明らかになった。