大成建設と検査、診断技術の研究開発を行うIIUは共同でAIを活用し、建設機械操縦者の不安全行動などに警報を発するシステム「T-iSafety Operator」を開発したことを16日に発表した。

  • 「T-iSafety Operator」の通常操縦時の反応(同社資料より)

    「T-iSafety Operator」の通常操縦時の反応(同社資料より)

システムは、操縦席に設置したカメラで建設機械の操縦者を撮影。AIの物体認識技術を活用して操縦者の骨格を検知、操縦中に行われる事故を誘発する危険な行動"不安全行動"が見られた場合には音声や警告灯で異常を警告する。操縦者の安全装備やシートベルトの装着状況、ドアの開閉状態、ロックレバーの操作ミスなども検知する。

  • 「T-iSafety Operator」で操縦者が異常行動を行ったときの反応(同社資料より)

    「T-iSafety Operator」で操縦者が異常行動を行ったときの反応(同社資料より)

警報の発信履歴データは、サーバー内に蓄積され自動統計処理された不安全行動のデータベースとなる。再発防止の安全教育や事故発生時には記録された映像と共に原因の検証にも活用可能だ。

同社ではAIの画像認識技術を活用した建設現場での安全確認技術を「T-iSafety」と命名し、本年4月には除染や中間貯蔵施設関連工事での放射線被ばく管理が必要とされる作業での安全装備装着の確認に活用できる「T-iSafety Protection」を開発するなど、事故防止技術の開発に力を入れている。1割から2割を占めるという建設機械に関連する災害だが、今回の"不安全行動"に着目した事故防止システムは業界初の試みとなるという。