Googleは8月5日、機械学習による画像認識機能を備えたセキュリティカメラ「Google Nest Cam」2機種および、バッテリー駆動するカメラ付きドアホン「Google Nest Doorbell」を発表した。いずれも同社Nestシリーズの新製品となる。

Google Nest Camはバッテリー駆動する屋内/屋外対応モデルと、電源アダプター式の屋内用モデルの2機種を揃え、価格は屋内/屋外対応のバッテリーモデルが23,900円、屋内対応の電源アダプター式モデルが12,300円。Google Nest Doorbellはバッテリー駆動の1モデルのみで、価格は23,900円。

発売日は8月26日で、直販の「Googleストア」および、対象量販店のオンライン販売で取り扱われる。なお、Google Nest Cam電源アダプター式モデルのみ、今後数カ月以内の発売が案内されている。

  • Google Nest Camの屋内/屋外対応モデル。高耐久の素材を採用し、全天候に対応。バッテリー駆動できるため設置の自由度も高い

  • Google Nest Camの屋内用モデル。スタンド付きで机上にも置けるが、壁掛けも可能

日本では「見守り」用途を想定

Googleのカメラ製品は、屋内用ネットワークカメラを2015年に発売したところからスタートした。その後屋外対応やカメラ付きドアベル製品などを海外で発表。2020年には、Googleのスマートホーム製品「Nest」シリーズで利用できる定額サブスクリプション「Nest Aware」も米国などで提供開始した。

  • Googleは、日本市場におけるセキュリティカメラとドアホンの需要について「見守り」が主な用途と想定している。家にいないときに家の中が見られる安心感や、家族、ペットを見守りたいという需要に応える製品とし、セキュリティカメラとドアベルで家全体をトータルに見守れるとする

今回発売するNestデバイス3製品は、いずれも機械学習を活用した高精度の画像検出をデバイス内で行え、人や車両など必要な通知だけを、設定したスマートフォンなどに送信できる。画像検出アルゴリズムの改善はUnityと連携し、2,500万枚以上の合成画像を含む4,000万枚以上の画像で機械学習のトレーニングを行ったという。人、動物、車両、荷物のほか、動物であれば犬や猫など細分化された検出も可能とした。

Google Nest Camの屋内/屋外対応モデルとGoogle Nest Doorbellはバッテリー駆動するため、設置の自由度が高いことも特徴となる。

Google Nest Camの概要

Google Nest Camは2MPセンサーを備え、カメラに映る人、動物、車両を検出し、設定されたスマートフォンやNestデバイスなどに通知する。また、Google Nest Doorbellは、人、動物、車両に加え、玄関に置かれた荷物も検出可能。被写体の認識はクラウドではなくデバイス上で処理され、プライバシーやセキュリティに配慮する。

機能面では、モーションや音が発生した時の自動録画や、指定したエリアで何か起きたときに通知を受け取れる「アクティビティエリア」の設定ができるほか、動画クリップを作成して家族らと共有できる。

記録動画は最大1080p/30fpsで、ナイトビジョンやHDR、H.264エンコードに対応。対角画角はバッテリー式が130度、電源アダプター式モデルが135度。6倍のデジタルズームも行える。本体はスピーカーとマイクを搭載し、通信はIEEE802.11a/b/g/n/ac対応無線LAN、Bluetooth LEをサポート。

  • 屋外に設置し、荷物が配達されたときに相手を確認したり、応対したりできる

  • 設置プレートからの取り外しが手軽

  • Googleのスマートスピーカーでライブ映像を確認できる

Google Nest Doorbellの概要

また、Google Nest Doorbellは、家のドアに取り付けられるバッテリー式のビデオドアホン。搭載する1.3MPカメラで人や荷物、動物、車両を検出できるほか、アクティビティエリア機能やスマートフォン、Nestデバイスなどへの通知機能も搭載する(荷物の検出はDoorbellのみ)。

外出先から、内蔵スピーカーとマイクを通じ、ドアホンの前の相手と会話したり、事前に録音した応答メッセージを再生したりすることも可能だ。

動画は960×1,280ドット/30fpsで記録でき、ナイトビジョンやHDR、H.264エンコードに対応。対角画角は145度で、6倍のデジタルズームが可能だ。本体はスピーカーとマイクを搭載し、通信はIEEE802.11b/g/n対応無線LAN、Bluetooth LEをサポートする。

  • Nest Doorbell、Nest CamともにIP54準拠の防塵防水性能を備える。Nest Doorbellにもカメラ・マイクが内蔵され、外出先から訪問相手に応対することも可能

より高度な機能が使える「Nest Aware」も開始

これに加え、Nest Awareの定額サブスクリプションも国内でスタートする。Nest AwareはNest製品で利用できる定期購入サービスで、購入することでNest製品でより高機能な設定が可能になる。

Nest Awareは年額6,300円/月額630円のNest Awareと、年額12,600円/月額1,260円のNest Aware Plusの2プランが用意される。

例えば、Nest Awareなしの場合はアクティビティの動画を過去3時間まで遡れるが、Nest Awareに加入すると過去30時間まで遡れ、あらかじめ認識した人物を検出する機能も利用できるようになる。加えてNest Aware Plusでは、遡れるアクティビティ動画が過去60日間となるほか、過去10日間の連続動画履歴も可能(Nest Doorbellでは非サポート)。なお、Nest Awareに加入すると複数のNestデバイスで高度な機能が利用できる。

  • 定額サブスクリプションのNest Awareではあらかじめ認識済み(タグ付け)した人物の検出などが行える

  • Nest Awareのメニュー。加入しなくても、基本機能として過去3時間分のアクティビティ動画記録や、人、動物、車両検出時の通知などは可能。加入すると、アクティビティ動画の履歴を長期間遡れるほか、事前に認識した人物を検出できる

操作はGoogle Homeから。設置はカスタム可能

通信設定や動画履歴、バッテリー残量の確認などの主要な操作は、他のNestシリーズと同じくiOS/Androidの「Google Home」アプリで行う。

設置はGoogle Nest Cam(屋内/屋外対応、バッテリー式)の場合、取り付けは壁へのネジ止めのほか、金属面へのマグネット貼り付けに対応する(壁用プレート、マグネットプレートが付属する)。本体サイズは幅83×高さ83mm、重さは398g。壁用プレートの重さは7.7g、マグネットプレートの重さは94.7g。

Google Nest Cam(屋内用、電源アダプター式モデル)は壁面へネジ止めするほか、スタンドで机上に置くこともできる。本体サイズは幅64.03×高さ98.47mm、重さは398g(電源ケーブル使用時)。バッテリーは非搭載だが、停電時でも1時間分(アクティビティ録画で約1週間ほど)は動作するとのこと。

Google Nest Doorbellの設置は、標準では壁面へのネジ止めとなるが、何らかの方法で壁に貼り付けたとしても機能としては問題なく使えるという。本体サイズは幅45.7×高さ160×奥行き24.1mm、重さは206g。

【お詫びと訂正】初出時、電源アダプターモデルのスタンドを別売としていましたが、スタンド一体型だったため関連する記述を修正しました。(2021年11月10日 10:20)