米Microsoftが7月27日(現地時間)に発表した2021年度第4四半期(2021年4月〜6月)決算は売上高・利益ともにアナリストの予想平均を上回り、過去最高の6月期になった。リモートやハイブリッドワークの浸透で企業によるクラウドサービスの採用が拡大、コマーシャル向けクラウド事業の売上高が前年同期比36%増の195億ドルだった。一方でWindowsやSurfaceなどPC関連の事業は、Windowsの売上高が予想を上回った前期から一転、半導体チップの供給不足からPCメーカーの出荷が停滞した影響を受けて減速した。3月期までPC産業はコロナ禍における需要増を回復の追い風にしていたが、半導体不足の長期化によって同産業にも部品不足が影を落とし始めた。

6月期の売上高は前年同期比21%増の462億ドル。純利益は165億ドルで同47%増。1株利益は2.17ドルだった。市場予想は売上高441億ドル、1株利益1.90ドルだった。以下は部門別の売上高。

More Personal Computing

売上高140億9000万ドルで前年同期比9%増。Windows OEM Proが同2%減。コンシューマ向け中心のOEM non-Proも同4%の減少で、Windows OEM全体では同3%減だった。Windows Commercial製品とクラウドサービスは同20%増、Microsoft 365の需要が伸びを牽引した。

デバイスは、Surfaceの売上高が前年同期比20%減。Microsoftは4月に「Surface Laptop 4」を発表したが、サプライチェーンの制限の影響を受けた。Xboxハードウェアは同172%増。Xboxコンテンツおよびサービスは同4%減。Xbox Game Passサブスクリプションとファーストパーティタイトルは伸びたものの、サードパーティタイトルが減少した。ゲーミング全体では同11%増だった。

  • Surface Laptop 4

    Surface Laptop 4

Productivity and Business Processes

売上高146億9000万ドルで前年同期比25%増だった。コマーシャル向けOffice製品/クラウドサービスの売上高が前年同期比20%増。Office 365のコマーシャルシート数が17%増加し、売上高が同25%増だった。コンシューマ向けOffice製品/クラウドサービスは同18%増。コンシューマ向けMicrosoft 365の契約者数は5190万人、前期から170万人の増加。

Dynamics製品およびクラウドサービスは売上高が前年同期比33%増。Dynamics 365は同49%増だった。

Intelligent Cloud

売上高173億3800万ドルで前年同期比30%増だった。サーバー製品およびクラウドサービスの売上高は同34%増。Azureは同51%増、使用量ベースのサービスが伸びを牽引した。サーバー製品の売上高は同16%増だった。